アカデミック活動

2022.04.11

日本パブリックリレーションズ学会が本格始動!
~学生の皆さん、パブリック・リレーションズ(PR)の世界へようこそ

皆さんこんにちは井之上喬です。

4月に入り満開の桜のもと、新生活をスタートした皆さんも多いと思います。
新たな船出が喜びに満ちたものとなるようお祈りいたします。

新型コロナの感染拡大から2年、そしてロシアのウクライナ侵攻からあっという間に40日以上が過ぎました。

このような混迷の時こそ、「倫理観」に基づいた「双方向性コミュニケーション」と「自己修正機能」による、マルチステークホルダーとのリレーションシップマネージメントであるパブリック・リレーションズ(PR)の果たす役割がますます重要になっていると実感しています。

3月26日オンラインでのキックオフミーティングに80名が参加

そのような状況のなか、2021年11月に設立した「一般社団法人日本パブリックリレーションズ学会」の近況をお伝えします。3月26日(土)にキックオフミーティングをオンラインで開催し、いよいよ本格始動しました。

<3月26日に開催された、オンラインでのキックオフミーティング>

この学会は、日本にパブリック・リレーションズを本格的に導入、普及するために必要とされる人材の育成を目的に設立したものです。代表理事・会長には私が、理事長には中等教育で長年の経験を持つ山本崇雄先生が就任しています。

アドバイザリーには、丹羽宇一郎・元伊藤忠商事会長を始め、元ソニー会長の井出伸之・クオンタムリープ会長、大竹美喜・アフラック創業者、中林美恵子・早稲田大学教授、林康夫・元JETRO理事長そして、元日本オラクル会長のアレン・マイナー・サンブリッジ会長など、多様で豊富な経験を持つ方々に就いていただきました。また顧問には、元グローバルビジネス学会理事長の小林潔司・京都大学名誉教授、そして元麹町中学校長の工藤勇一・横浜創英中学高校長。また2名の常務理事に加え、全国から小・中・高・大学などの学校関係者など19名の理事の方々が就任しています。

日本パブリックリレーションズ学会の設立から4月の本格稼働まで、準備にはたっぷり時間をかけました。

今回は当初、役員に限定してキックオフを計画していましたが、外部へのテスト告知の反応がうれしいことに予想を上まわり、最終的には80人近い方々が参加してのイベントになりました。

実は日本パブリックリレーションズ学会設立の起点は、2012年のグローバルビジネス学会設立時にあります。10年越しの思いが詰まった学会ですが、多くの方々の後押しでここまで来ることができました。本当にありがとうございました!

社会のプラットフォームとしてのパブリック・リレーションズ(PR)を目指して

この日本パブリックリレーションズ学会の特徴は、対象を幼稚園、小・中・高の先生方や大学などアカデミアで教鞭を取る方々、さまざまな組織で活躍する社会人の皆さん、そしてメディアなど、多様な人たちとしていることです。パブリックリレーションズの研究・実践の場は、日常の社会生活そのものであり、その点が、既存の学会のイメージを超えた、幅広い陣容による構成につながっています。

もう一つの大きな特徴は、学生会員を大学生以上のAと高校生以下のBの2つに分けていることです。パブリックリレーションズの考え、実践を、子どものころから身に付けてほしいと思うからです。

パブリックリレーションズとは、みなが共に、目標を達成するために、周囲の人たちと良い関係を作っていくことです。小さなころであれば、一緒に遊ぶことでしょう。小学生であれば、グループで勉強をしたり、チームで一緒にスポーツをしたりする機会も増えます。年齢が上がれば、新しいことを考え、仲間を探して目標達成へと挑戦することがさらに多くなります。周囲の人との関係作りはますます重要になってきます。それぞれの思いや意見が違った時の解決法や、親や先生、地域の人々との関係構築、さらに世界とのつながりを考えることも欠かせません。

その際に指針となる基本の3要素が「相手をおもいやる(倫理観)」「お互い話し合う(双方向性コミュニケーション)」「間違っていたらなおす(自己修正機能)」です。2018年に出版した絵本「なかなおり」は、これらを3歳の子供でもわかるように物語にしたもので、今回の学会設立にもつながっています。

選挙権が18歳以上になり、この4月からは成人年齢も下がるなど、18歳になって出来ることと責任が広がりました。このことにも対応し、自立する人間の育成を考えて、学会では将来、中高生の理事誕生も視野に入れています。嬉しいことに、HPをオープンして間もなく、高校生からの申し込みがあったようです。

この学会がどのような活動をしていくか、今から楽しみですが、日本の抱える教育における諸問題の解決に資することも重要な役割の一つと考えています。具体的な研究の一つとして、未だ「失われた30年」から立ち直れていない日本の検証を行いたいと考えています。マルチステークホルダー・リレーションシップマネジメントの視点で、統合的な検証を行いたいと思います。

日本パブリックリレーションズ学会が、外部環境が激変する社会を生き抜いていくためのプラットフォームとして、パブリック・リレーションズ(PR)を日本社会にしっかり根づかせていくことで、日本を、そして世界を少しでも良い方向に導いていければと願っています。

個人ごとではありますが、この学会に、これまで私の講義を受けられた方々が参加することで、新たな仲間作りや活動への発展が生まれることも今から楽しみにしています。

書籍

注目のキーワード
                 
カテゴリ
最新記事
アーカイブ
Links

ページ上部へ