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2023.08.24

「なかなおり」は人生のKey Word
〜ちばてつやさんとの対談で学んだこと

皆さんこんにちは井之上喬です。

今年の夏休み、皆さんはどのようにお過ごしですか?私はいま休暇を、毎年過ごす亡き母の郷里、愛媛県弓削島に来て滞在しています。猛暑の瀬戸内海で、海水を水風呂代わりにして、久々にゆったりとした日々を過ごしています。

8月は、6日の広島、9日の長崎への原爆投下に始まり15日の終戦記念日と、日本人にとっては鎮魂の月。78年前の太平洋戦争で、310万人の尊い命と引き換えに迎えた終戦に思いを馳せています。

ちばさんの満州での壮絶な体験

今月発売された、雑誌「一個人」9月号で、漫画家のちばてつやさんとの対談記事が掲載されました(記事は出版社の許諾を得て添付: PDFファイル 4ページ 1.2M)。

ちばてつやさんとはそれまで全く面識がありませんでした。対談のきっかけは今年1月。私が偶然に観たNHK特番での、ちばてつやさんの満州からの引き揚げ体験に関するインタビューです。

私も同じく満州から引き揚げた一人ですが、当時2歳に満たず記憶はありません。一方ちばさんは6歳。番組の中で語るちばさんの抑制の効いた引き揚げ体験は、私にとっては衝撃的なものでした。

6歳だったちば先生の壮絶な幼少期の体験談に、TVの前の私は、思わず引きずり込まれたのでした。仕事場で淡々と語るちばてつやさんの姿は、いまだに私の脳裏に強く焼き付いています。

私が日本へ引き揚げたのは港町の大連からですが、ちばさん家族は満州の奥地の奉天から。母と虚弱だった父、末弟の生後6か月の乳飲み子含めた6人家族で、300キロもの逃避行を敢行したのでした。

終戦直後の混乱する満州で、一家は棄民としてさまざまな迫害に遭い、あるいは父親の職場の同僚の中国人に助けられ、荒涼とした大地を1年かけて徒歩で進みます。そしてようやく、大連近くの港までたどり着いたのでした。

ちばさんのこの飢え乾いた幼少体験は、「あしたのジョー」の減量に苦しむ力石徹の言葉の中に凝縮されていると言います。

絵本作りでコラボレーション

こうした体験から、ちばてつやさんはいつも「おかげさま」「ありがとう」の感謝の気持ちを持つようにしていると語っています。さまざまな人との関わりで、今日の自分があると話すのです。

NHKの番組を観て感動した私は、雑誌「一個人」の山﨑実編集長に相談。こうして「一個人」での対談が実現したのでした。

対談の中で、ちばさんがお孫さんのために絵本を出版したことがあることを知りました。そこで、思い切ってちばさんに絵本づくりのコラボレーションを提案したところ、前向きな返事をいただきました。

私が経営する日本パブリックリレーションズ研究所は、「絵本きづなシリーズ」の第1作目に「絵本なかなおり」を上梓し、第2作として「キリンのあいちゃん」をいま準備中です。これに続く3作目でのコラボレーションが、実現しそうです。

テーマは、ちばさんの「満州からの引き揚げ」。満州でのちばさんの幼少体験を題材に、絵本作りでコラボすることになりそうです。皆さんご期待ください。

倫理観」、「双方向コミュニケーション」、「自己修正能力」の3つを基本にしたパブリック・リレーションズ(PR)の研究と普及を行う日本パブリックリレーションズ研究所では、今月から新たに、YouTube動画「なかなおりチャンネル」をスタートさせます。世界が混乱する今こそ、互いに武力に走ることのないよう、なかなおりの精神が求められています。初回の対談ゲストは、一個人の協力を得て、ちばてつやさんです。こちらも、どうぞご期待ください。

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