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2022.11.17

恒例の「流行語」「ヒット商品番付」に見る世相
~外部環境の変化に柔軟に対応する

皆さんこんにちは井之上喬です。

2022年のカレンダーも残り少なくなってきました。2023年に向け、書店などには新しい年の手帳やカレンダーが装いも新たに並んでいますね。

ちょっと早いですが、この時期恒例になっている流行語大賞やヒット商品番付を通じ、今年の世相を振り返ってみましょう。

新語・流行語大賞候補30語

『現代用語の基礎知識』選 2022 ユーキャン新語・流行語大賞」の候補が発表されました。今年は、「村神様」や夏の甲子園で話題となった「青春って、すごく密なので」、「きつねダンス」、「大谷ルール」など野球に関連するものや、世相を反映した「悪い円安」、「オミクロン株」など30の言葉がノミネートされました。

30語の一覧は、以下のとおりです。あなたがご存じの新語・流行語、あるいは印象に残っているものはいくつありますか。

「インティマシー・コーディネーター」、「インボイス制度」、「大谷ルール」、「オーディオブック」、「OBN(オールド・ボーイズ・ネットワーク)」、「オミクロン株」、 「顔パンツ」、「ガチ中華」、「キーウ」、「きつねダンス」、 「国葬儀」、 「こども家庭庁」、「宗教2世」、「知らんけど」、「SPY×FAMILY」、「スマホショルダー」、「青春って、すごく密なので」、「丁寧な説明」、「てまえどり」、「ヌン活」、「BIGBOSS」、「#ちむどんどん反省会」、「村神様」、「メタバース」、「ヤー!パワー!」、「ルッキズム」、「ヤクルト1000」、「リスキリング」、「令和の怪物」、「悪い円安」

2022年の傾向について選考委員会は、「新型コロナウイルスは終息がみえず、ロシアによるウクライナ侵攻、円安、物価高騰など、今年1年は暗い世相であった。そのため、言葉の力が感じられず、他者との関わりが希薄になった」と分析し、「活気がある世の中では、明るく元気の出る言葉も生まれる。来年は期待したい」と、今後に思いを託しています。

「新語・流行語大賞」は、今回の候補の中から年間大賞やトップテンが選ばれ、12月1日に発表の予定だそうです。

この30語のうち、6つの候補が野球に関連したものです。世の中が混迷を深める中、人々は爽やかで明るい話題を求めます。スポーツはそのような話を多く提供し、特に野球は代表格であることから、新語・流行語にも多くが選ばれたのかもしれません。

その中で私の印象に残っているのは、史上初めて夏の甲子園を制覇し、優勝旗の「白河の関越え」を成し遂げた宮城・仙台育英高校の須江航監督が優勝インタビューで発した言葉「青春って、すごく密なので」です。入学時から新型コロナ禍での高校生活を強いられた世代に向けた、思いやりにあふれるエールが、多くの皆さんの共感を呼んだのではないかと思います。

ヒット商品ベスト30

一方の月刊誌「日経トレンディ」12月号で発表された「ヒット商品ベスト30」では、全国で売り切れが相次いだ乳酸菌飲料「Yakult1000/Y1000」が1位に輝きました。2位にはアニメ化もされた人気漫画「ちいかわ」、3位には「PCM冷却ネックリング」が選出されています。

トップテンは以下の通りです。
1位 Yakult1000/Y1000
2位 ちいかわ
3位 PCM冷却ネックリング
4位 トップガン マーヴェリック
5位 完全メシ
6位 炭酸飲料対応ボトル
7位 翠ジンソーダ缶
8位 日産サクラ/eKクロス EV
9位 スプラトゥーン3
10位 冷やし中華

第1位のYakult1000/Y1000は、4月ごろから全国の店頭で入荷即“瞬間蒸発”する社会現象となり、累計で10億本近く売れた大ヒットになりましたね。この背景として、「ヒットの原点にあるのが、販売員(ヤクルトレディ)による地道な草の根活動。実際に買った人が、睡眠改善に効果があると感じてリピート買いするという流れが生まれた」と、日経トレンディは分析しています。

この製品は、従来“腸活”が主だった乳酸菌飲料に「睡眠の質の改善」という、新型コロナ禍での新たな付加価値を創出しました。その結果、乳酸菌飲料全体の売り上げが前年比で約135%伸びるなど、波及効果も極めて高いヒット商品であると講評しています。

個人的に興味をそそったのは、同誌が同じタイミングで扱っている「来年のヒット予測」です。興味のある皆さんはそちらもご覧ください。

その中で私が注目したいのは、6位にランクされている「水素調理レストラン」です。水素を燃やすため、CO2の排出ゼロでエコ。食材を焼くと、外はカリッ、中はジューシーという特徴を持ち、肉・魚・野菜が驚きのおいしさになるといいます。2023年には全国で導入が加速する、と予測しています。

トヨタ自動車は、水素100%で燃焼する給湯器の技術開発に成功したリンナイと共同で、水素調理の開発に着手、静岡県裾野市で建設中の実験都市ウーブン・シティ内の住宅への導入を目指しているそうです。

エコで美味しい水素調理は、夢物語ではなくなってきましたね。私たちの生活の身近なところで水素が活躍する世界、考えただけでワクワクしませんか。

2009年に私が経営する井之上パブリックリレーションズが「水素研究会」を立ち上げたのは、1日も早い水素社会の実現に少しでも貢献するためでした。

あれから13年。産業界での水素普及とは別に、その先の市井の人たちの生活の中へ水素が普及することを、最終ゴールに掲げていました。今回の水素調理はまだ小さなできごとかも知れませんが、その第一歩が踏み出されるのではないかと考えると、心が踊ります。

パブリック・リレーションズ(PR)への期待も変化

私たちを取り巻く外部環境を改めて見渡してみましょう。温暖化に象徴される地球環境の悪化に加え、世界規模での新型コロナウイルスの感染拡大の継続、ウクライナ戦争の長期化、そしてわが国では32年ぶりの円安、物価の高騰などなど、混迷の度合いは増す一方です。

パブリック・リレーションズ(PR)に対するニーズも、このような外部環境の変化に大きな影響を受けています。その一端を、井之上パブリックリレーションズで取り組んでいる案件や、問い合わせを頂いている案件の中からキーワードを拾ってみました。

まずはDX、GXに代表される“X”(トランスフォーメーション)です。これらに関する取り組みと情報発信は時を追って増えています。また、危機管理に関する案件や、規制緩和に向けたガバメントリレーションズ、東証再編による非財務情報のグローバルに向けた情報開示、日本企業の米国証券市場への上市支援。従業員を対象にしたエンプロイリレーションズSDGsそしてESG投資関連の情報発信、また労働人口減少をにらんだリクルート面での取り組みなど、パブリック・リレーションズがそのパートナー(ステークホルダー)として関わる範囲は、多岐にわたっています。

このような複雑かつ多様化する要請に対し、井之上パブリックリレーションズでは、基本理念である「個人や組織体が最短距離で目標や目的を達成するため、『倫理観』に支えられた『双方向性コミュニケーション』と『自己修正』をベースとした関係構築」に基づき活動を行っています。さまざまなステーホルダーとの良好な関係構築活動を行う、マルチステークホルダー・リレーションシップマネージメントであるパブリック・リレーションズ(PR)」の実践を通じ、よりよい社会の実現に向けて今後も邁進してまいります。

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