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2021.01.12

コロナ禍を新しい世界を切り拓くチャンスに
~「パブリック・リレーションズ(PR)を通じ、平和で希望のある社会づくりをめざします」

新年明けましておめでとうございます、井之上 喬です。
2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

2020年、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るいましたが、その勢いは2021年に入っても衰えを見せません。1月8日には、首都圏の1都3県を対象に2度目の「緊急事態宣言」が発出されました。新型コロナの脅威は、人間の力がいかに小さなものかを私たちに教えてくれています。コロナウイルス感染拡大の先行きはまだまだ不透明ですが、人類の英知がこの未曽有の困難を乗り越え、新たな世界が切り拓かれると信じています。

新たな成長のキーワードはグリーン

1月4日、菅義偉首相は年頭の記者会見を開きました。新型コロナウイルス対策とともに、次の時代の成長の原動力となるのが、昨年12月にも発表した「グリーンとデジタル」であることを、改めて表明しました。

まずデジタルの目玉は、今年9月に発足予定のデジタル庁。記者会見では、「有能なデジタル人材が国や地方の現場で、また民間でも活躍し、同時にすべての国民の方々が恩恵を実感することができるデジタル社会を目指す」と説明しました。

一方のグリーンについては、首相就任時に宣言した2050年地球温暖化ガス排出実質ゼロ、つまりカーボンニュートラルを目標に、昨年末に取りまとめた「グリーン成長戦略」を具体化し、実行に移す年としています。具体的には「2兆円の基金、税制を活用して、再生可能エネルギーの鍵となる蓄電池を筆頭に、大規模な設備投資や研究開発投資を実現します」と表明しました。

地球環境問題、そしてエネルギー政策を大きく転換するきっかけになったのは、東日本大震災と、そのさ中で起こった東京電力福島第1原発事故です。

今年の3月11日で、あの未曽有の大災害、大事故から10年を迎えます。改めて、今年が新しい時代を切り拓く、サステナブル(持続可能)なエネルギー政策の実行元年になることを期待しています。

政府のグリーン成長戦略で、特に成長が期待される分野として挙げられているのは、四方を海に囲まれた日本で潜在力が高い洋上風力発電や、2050年に2000万トンの導入目標を掲げる水素・バイオマスなどのエネルギー、そしてEVや燃料電池車の普及を目指す自動車・蓄電池、社会インフラを支える半導体・情報通信、さらに水素エンジンを含む航空機・船舶分野など、広く14分野にわたります。

しかし実現のためのハードルは高く、簡単には越えられません。戦略的な大規模投資を行い、これまでのビジネスモデル・戦略を根本的に変えてイノベーションを起こす。そんな大きな挑戦に、国を挙げて取り組む必要があります。

パブリック・リレーションズ(PR)で新しい仕組みつくりを

前回のこのブログでも触れましたが、私は水素エネルギーの大きな可能性を確信しています。2009年には、井之上パブリックリレーションズCSR活動として私が主宰する「水素研究会」をスタートさせました。以来、さまざまな取り組みを継続しています。

政府レベルでも、次々と新たな動きが始まりました。「究極のエネルギー」ともいわれる水素の開発では、2020年2月、福島県浪江町に世界最大級の水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」が完成し、太陽光から水素を作る取り組みが進められています。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東北電力に加え、東芝が水素製造システムを、世界最大級の電気分解装置を旭化成が担うといったパートナーシップで生み出されたプロジェクトです。

光明も見えてきましたが、再生可能エネルギーの開発、実用化で日本は遅れを取っています。水素製造のコスト高、普及に向けたインフラ整備の遅れなど、課題が多いのも現実です。

しかし、困難な状況下にこそチャンスがあると思います。

私はかねてより、国家的プロジェクトとして展開すべき、再生可能エネルギー構想を温めてきました。

それは、北海道の港湾施設の近くに、一大再生可能エネルギーセンターを作ることです。200万坪に及ぶ敷地を用意し、再生可能エネルギーの川上つまり研究開発から、川下の生産・販売へと至る一気通貫の施設を整備します。そして、国連も巻き込みながら広く世界に呼びかけ、各国から最先端の研究者・技術者を呼び寄せ、関連企業の参加を促すのです。国際的に資金を呼び込み、一大産業化を図ることを通じて広く深い知見と経験を積み重ね、これを地球温暖化問題解決の起爆剤にする構想です。

戦後の成功体験から抜けきれず、自己変革・自己修正を怠ってきた日本は、気が付いてみたら国際競争力は、1993年の世界第1位から世界第34位(2020年)と、奈落の底へ転げ落ちるように下降の一途を辿っています。ただ、見方を変えれば、新型コロナはそんな日本に、戦後の産業システムからの脱却を促し、次世代に繋がるサステナブルな新しいシステム作りに国を挙げて取り組む、絶好の機会を与えてくれているのかもしれません。

いまこそ国を超え、多くの英知を集めた新しいパートナーシップが不可欠です。そのためには、さまざまなステークホルダーとの関係構築活動(リレーションシップマネージメント)であるパブリック・リレーションズ(PR)の役割が重要であると感じています。

井之上パブリックリレーションズの企業理念は、パブリック・リレーションズ(PR)を通じ、平和で希望のある社会づくりをめざすことにあります。今まさにこの企業理念に基づき、皆さんと一緒に本業であるパブリック・リレーションズ(PR)を通じ、さまざまな社会課題の解決に挑戦していきたいと思っています。

2021年が皆さんにとってより良い年になりますように。

2021年1月
井之上 喬

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