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2023.01.07

改めて思う混迷の時代に必要な『パブリック・リレーションズ(PR)』
~よりより社会の実現に向けて

皆さん、新年あけましておめでとうございます、井之上 喬です。

2023年が皆さんやご家族にとって、繁栄と安らぎのある年となるようお祈りいたします。

新型コロナウイルスのパンデミック(感染拡大)は、まる3年となります。また、ウクライナ戦争は勃発してはや1年、それに伴うエネルギー価格の高騰で、世界的にインフレが進んでいます。国を問わず高まる動揺は、政治、経済面での不安を拡大させ、核の脅威さえ身近に感じる事態となっています。世界は、ますます混沌とした状況に陥っています。

30年前を振り返る

21世紀のコミュニケーションを大きく変えたのは、瞬時に世界に拡散するSNSの普及です。人々が直接情報を発信することを可能にし、社会のあり方を大きく変えました。小さな声が広く届き、人々が力を合わせて行動する後押しをするなど、大きな恩恵をもたらす一方で、フェイクニュースも多く流れて正しい情報と混在し、透明度が極めて悪い情報洪水を加速させています。そのような混迷の時こそ、「倫理観」と「双方向性コミュニケーション」そして「自己修正」をベースにしたマルチステークホルダーとの良好な関係構築活動である『パブリック・リレーションズ(PR)』の果たす役割が重要になっていると強く感じています。

「失われた30年」と言われて久しいですが、ここで30年前の1993年、何があったのかインターネットで振り返ってみましょう。

政治関連では、ビル・クリントン氏が米国大統領に、金泳三氏が韓国大統領に、江沢民氏が中国国家主席に就きました。また、イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)の間で暫定的自治実施に関する「オスロ合意」が結ばれ、南アフリカの融和に努めたマンデラ、デクラーク両氏がノーベル平和賞を受賞しました。日本では、細川護熙内閣が発足し55年体制が崩壊しました。災害面では北海道南西沖地震、冷夏で米不足が発生、人に関しては、徳仁皇太子さま(当時)の御成婚、田中角栄の死去が大きなニュースとなりました。また、昨年の日本代表の活躍が記憶に新しいサッカーでは、「Jリーグ」が開幕し、日本代表が1994年ワールドカップ出場権を逃した「ドーハの悲劇」などなど、多くの出来事が日本や世界で起きました。

この時期、日本はといえば世界を席巻したバブル経済が崩壊。その後の政治・経済がどうなったか、状況は皆さんもご存じのとおりです。

2021年に設立された一般社団法人日本パブリックリレーションズ学会では昨年、2年間の研究プロジェクトとして「失われた30年の検証」を開始しました。半年が経過し、今後の取り組みと成果が大いに期待されています。

個人的には、過去の出来事をしっかり検証することなしに、国家としての前進は困難と考えています。社会課題はますます複雑化しています。新しい問題を創造的に解決していくためにも、これまでの歩みや失敗を振り返り、その学びの上に立つことが欠かせない、と思うのです。

マルチステークホルダー・リレーションシップマネージメントの考え方を

2023年の世界、その見通しは,世界各国の指導者のミスリードもあり、ますます不透明、不安定化し、予測が困難になってきています。繰り返しではありますが、このような時にこそ「倫理観」と「双方向性コミュニケーション」そして「自己修正」機能をベースにした、さまざまなステークホルダーとの良好な関係構築活動つまり、マルチステークホルダー・リレーションシップマネージメントである『パブリック・リレーションズ(PR)』を機能させることが不可欠だと、確信しています。

世界各国のリーダーや企業経営者、学者、研究者、会社員、学生などすべての立場の皆さんが、『パブリック・リレーションズ(PR)』の考え方を基本に行動する。それによって、この困難な世界情勢を良い方向に導く解を見つけることが出来ると思うのです。

私が経営する井之上パブリックリレーションズミッションでもある、「パブリック・リレーションズを通して、平和で希望のある社会づくりをめざします」の実現のために、皆さんとともに前進していきたいと思っています。

2023年、皆さんとともに健康に留意し、まずは日本社会におけるパブリック・リレーションズ(PR)の普及と教育、そして学会活動に励んで参りたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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