トレンド

2023.01.30

「終末時計」最短の混迷の時代
~マルチステークホルダー・リレーションシップマネージマントである「パブリック・リレーションズ(PR)が不可欠

皆さんこんにちは井之上喬です。

新年がスタートしたと思っていたら、もう節分ですね。

個人的な感覚でしょうが、何か時間がとても速く進んでいるように感じます。毎日を無駄にしないよう心掛けたいと思います。

残り90秒!

最近とても気になる報道記事がありました。ご存じの方も多いかと思いますが、米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」が1月24日、会見を開き、核戦争や気候変動といった脅威を分析した結果、人類滅亡を午前0時に見立てた「終末時計」の残り時間まで「90秒」と発表しました。

昨年までの3年間は1947年の創設以来、最短の100秒を維持していました。ですが、間もなく1年を迎えるウクライナ戦争の勃発を受けて、核戦争など破滅的な状況に陥る危険性が高まったとし、時間は10秒進みました。最短だった残り時間は、さらに短くなったのです。

報道によると、同誌科学・安全保障委員会の一員でメリーランド大学教授のスティーブ・フェター氏は会見で、「事故や間違い、誤算が、意図しない激化につながりかねない」と語り、ロシアによる核兵器使用の可能性にも懸念を示しています。

終末時計は、冷戦が終結した時は残り17分まで戻ったことがありました。しかし、気候変動や米国と北朝鮮の非核化交渉の停滞などの影響で、2020年から2022年は残り100秒となっていました。

今回の発表は、新型コロナの感染拡大のなかで、これまで体験したことのない対立と分断が進み、いかに世界が混迷度を増しているかを物語っています。

いま世界は極めて危機的な状態にあります。この状況に強い緊張感と不安感を抱いているのは、私だけでは無いはずです。

混迷のなかでのダボス会議

政治、経済など世界規模で混迷の度合いが深まるなか、世界経済フォーラム年次総会2023(通称「ダボス会議」)が、I月16日から20日まで、スイスのダボスで開催されました。

コロナの影響で3年ぶりに開かれたダボス会議には、世界中の政治家や経営者約2700人が一堂に会しました。そしてテーマを「分断された世界における協力の姿」とし、活発な討議が繰り広げられました。

多くのメディアで報道されたので、ご覧になった皆さんも多いかと思います。ダボス会議は2020年に従来の株主至上主義からステークホルダー資本主義に大きく舵を切り、私もその動向を注視していた一人です。

今年のダボス会議で具体的な課題として挙げられたのは、地球環境問題や米中対立など混沌とした状況に追い打ちをかける形になった、新型コロナウイルスの感染拡大、ウクライナ戦争の勃発といった多重的な危機です。これらをどう乗り越えていくべきか、が大きなテーマでした。

その中で私が注目したのは、シュワブ会長の話です。報道からそのポイントをいくつか拾ってみましょう。一つ目は、「まずは、目の前にある危機によって短絡的な思考にはまってしまったマインドセットを変え、中長期的な視点を持って課題に取り組まなくてはならない」としています。

続いて、「この危機や課題の複雑さに私たちは圧倒されている。だが、それぞれのグローバルアジェンダにおいて背後の関連性を紐解き、包括的かつ中長期的視点で議論していく」と訴えています。

この深刻な分断の根本には、「協力体制の欠如」があることを指摘するシュワブ会長は、官民連携の重要性が一層増しているとして、「深くシステマティックな構造的欠陥を明らかにし、マルチステークホルダーで議論する必要がある」と訴え、年次総会の方向性を総括しました。

この言葉の背景にあるのは、まさに私が日ごろ主張している「個人や組織体が最短距離で目標や目的に達する、『倫理観』に支えられた『双方向性コミュニケーション』と『自己修正』をベースとしたマルチステークホルダーとの良好な関係構築活動、つまりマルチステークホルダー・リレーションシップマネジメントであるパブリック・リレーションズ(PR)」の考え方そのものです。今まさに、パブリック・リレーションズが必要とされている、そのことに他ならないのだと思います。

終末時計が90秒と、これまでで最悪の世界情勢のなか、さまざまな世界規模での課題を一つひとつ解決していくためにも、戦略的なパブリック・リレーションズの継続が不可欠である。そのことを2023年の年頭に改めて確信しました。

書籍

注目のキーワード
                 
カテゴリ
最新記事
アーカイブ
Links

ページ上部へ