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2022.08.06
平和と生命の大切さを考える8月に
~パブリック・リレーションズ(PR)こそ混迷の時代の羅針盤に
皆さんこんにちは、井之上喬です。
暑中お見舞い申し上げます
皆さん、お元気にそれぞれの夏を過ごされておられるでしょうか。
今年も、記録的な猛暑と共に全国的に記録的な集中豪雨も相次いでいます。河川の氾濫やがけ崩れなど、東北地方を中心に大変な状況の場所もあり、被災者の方々には心よりお見舞い申し上げます。
毎年のことですが、8月は私にとって、平和そして生命の尊さに思いを馳せる大切な月です。
8月6日は核廃絶の墓標
8月6日は世界で初めて広島市に原爆が投下された日、9日は長崎原爆の日です。そして15日は第二次世界大戦の終戦、日本の敗戦の日を迎えます。
77年という月日が流れ、当時を体験された方々の高齢化がますます進み、数も少なくなってきています。戦争の悲惨な実態を後世に継承することが、ますます難しくなってきているのも事実です。
特に今年2022年は、人類に平和と生命の大切さが問われる年ではないでしょうか。
ロシアがウクライナに侵攻した2月24日にはじまるウクライナ戦争は、距離こそ遠いですが、情報はSNSで世界を瞬く間に駆け巡り、その悲惨さと混迷が個人の情報端末に伝わることで戦争をより身近に感じさせます。解決の糸口は見えないまま、間もなく半年となろうとしています。
戦争は、個々人がコントロール不可能な状況を作り出し、すべてを破壊します。
平和の武器「パブリック・リレーションズ」
言うまでもなく、温暖化に象徴される地球環境問題は人類の長年の課題です。加えて、2020年からの新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大、そしてウクライナ戦争、さらに米中の貿易摩擦に端を発する米中関係は、ペロシ米下院議長の台湾訪問をきっかけに一気に緊張感を高め、決してどの国も傍観することは許されない、世界的な問題になっています。
さらに欧州では英国の首相交代なども進行中で、世界は、政治・経済面を中心に深く結びついていることを感じずにいられない時代になっています。その一方で、解決に向けての方策も容易には見つからず、混迷の度合いは深まっているように思えます。
しかし、このような未曽有の混迷の時こそ、多様なステークホルダーと良好な関係を構築するための活動=マルチステークホルダーとのリレーションシップマネージメントであるパブリック・リレーションズ(PR)が、課題解決に導く羅針盤となり得る、そのことを強く訴えたいと思います。
ウクライナ戦争の報道を見てもお分かりの通り、一方的なプロパガンダが横行し、真実がどこにあるのかを見極めるのが非常に難しい状況になっています。ですが、リンク先をご覧いただければわかる通り、「プロパガンダ」は17世紀、伝道や福音宣教といった崇高な目的を持つ言葉として使われていました。まだ一方的な情報伝達しかない時代でしたが、それだけに伝える者は、高い倫理観を備えることを常に意識していたことでしょう。
ハイパーグローバリゼーションが広がり、SNSなどを通じて真実もフェイクニュースも瞬時に世界を駆け巡る現代、個々人がまず倫理観を持つ必要があることは、容易に理解していただけると思います。
さらに、国際的な紛争が起こる中では、自らの主張を通すことのみに注力するのではなく、様々な立場、考えを持つステークホルダーとの関係を構築する活動を推進して、最終的に関係者がよって立つことのできる結論を導き出すことが一層求められます。その指針は、相手の言い分を聞きながら、譲れる部分は譲るという『双方向性コミュニケーション』と『自己修正』を粘り強く進めることです。これは、パブリック・リレーションズを平和の武器として活用することであり、今ほど強く求められているときはありません。
つまり、パブリック・リレーションズ(PR)とは個人や組織体が最短距離で目標や目的に達するための、『倫理観』に支えられた『双方向性コミュニケーション』と『自己修正』をベースとしたリレーションズ活動であり、どのようなスケールでも応用が可能であるということです。
今のような時こそ、私が提唱、実践を重ねてきたパブリック・リレーションズ(PR)の考え方を実践するプロフェッショナルが、民族や文化、言語、宗教、国境を超えて世界中に必要であり、さまざまな課題解決の大きなヒントになるのではないでしょうか。
まず日本からこのパブリック・リレーションズ(PR)の人材育成を広げようと、私は多様な取り組みを、幼児から社会人まで幅広い世代を対象に展開しています。
このような活動を継続できるのも、平和と自由な民主主義の基盤があってこそだと思うのです。
皆さんも改めて平和の大切さ、そしてこの混迷の時代の羅針盤ともいえるパブリック・リレーションズ(PR)について考える8月にしてみてはいかがでしょうか。
*この号で、井之上ブログは発刊750号を迎えました。これも一重に皆様のあたたかい励ましがあってのことと心より感謝いたします。今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。