時事問題

2020.04.01

未体験ゾーン、新型コロナウイルス対策にヒトの知恵を結集!
~それぞれで出来ることから取り組みを

皆さんこんにちは井之上喬です。

新年度が始まりました。温暖化の影響か、東京ではサクラが統計史上最も早く開花したのですが、ここ数日の低い気温で花持ちもよいのか、オフィス近くの新宿御苑の桜も最盛期のようです。新型コロナウイルスの影響で御苑は3月27日から閉園になってしまいましたが、人の世の騒ぎをよそに、今年も花は静かに咲いているようです。

私が経営する井之上パブリックリレーションズで毎年恒例の、新宿御苑でのランチタイムのお花見も、残念ながら今年は難しそうです。弊社はクライアント業務を主体にした業態で、テレワーク(在宅勤務)にはなじみにくいと考えていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、先週後半から実施に踏み切りました。今日から新しいメンバーとして加わる新入社員も、すぐにテレワークとなりますが、しばらくは不便を我慢してもらうしかありません。

だんだん深刻化する新型コロナ

先週末は、小池東京都知事と千葉、神奈川、埼玉、山梨の首都圏の各知事が連携して「不要不急の外出を自粛するメッセージ」を発表しました。政府の緊急事態宣言も、いつ出てもおかしくない段階です。新型コロナウイルスの猛威は、増しこそすれ、終息の目途はまったく立っていません。

そのあおりで、東京オリンピック・パラリンピックが1年延期になり、企業のイベントが延期や中止に追い込まれています。それだけでなく、春のウエディングシーズンを前に、結婚式の延期も相次いでいるとのこと。個人のさまざまなメモリアルイベントにも、大きな影響が出ているようです

春は新入学、新就職など、大きな節目の時期で、首都圏を中心にヒトの移動が多い時期です。それでも、新型コロナウイルスの感染拡大を一日でも早く終息させるために、さまざまな対応と知恵を結集しなければなりません。

このような困難な時期を乗り越えるための一つの解として、より積極的に活用したいのが最先端のIT技術です。

人が移動し、直接顔を合わせることが仕事の重要な要素である弊社でも、クライアントとの打ち合わせはもとより、記者会見も今はオンラインで行っています。

フェイス・ツー・フェイスでない方法で、情報がどこまで的確に伝わるかとの不安を、現場に携わる職員は当然のことながら抱えていました。

ですが実際に行ってみると、高精細な画像とクリヤーな音質、大容量のデータやプレゼン資料も難なく伝送、表示できるハイスピードのネット回線など、技術の進化に支えられたオンラインの会見は、リアルタイムでの質疑応答も含めメディアの皆さんにもわかりやすいと好評だったようです。

このようにオンサイトで人が集まることができない場合でも、最先端のIT技術とそれを上手に使いこなす人の知恵を合わせれば、密度の高い、新しいコミュニケーション方法が実現できる。そんな好例を社員たちは着々と追求し、実践、蓄積しています。

折しも、タレント・志村けんさんの訃報のニュースが流れてきました。私と同世代の方でもあり、つい緊張してしまいます。ご本人の冥福をお祈りするとともに、これまで経験したことのない世界規模の難局を、多くの皆さんと連携しながら1日でも早く克服したいものです。

逆境の中でこそイノベーションが生まれる

コロナ禍の中で、PR業界でも著しく人の動きが制約され、記者会見やインタビューなど、さまざまなイベントが延期、中止になっています。そして、パブリック・リレーションズ(PR)に関連する産業、さらにホテル業界、通訳・翻訳、展示会などで極めて深刻な影響が出ています。

私もこれまで、ITバブルの崩壊やリーマンショック、そして東日本大震災をパブリック・リレーションズ(PR)の立場で経験し乗り越えてきましたが、今回の世界規模での新型コロナウイルスの感染拡大は、その深刻度が桁違いです。

あらゆる分野で、ヒト、モノ、カネすべての面に悪影響をもたらす、まさに“未体験ゾーン”での対応が必要とされています。

今回の惨禍で、20世紀初頭に活躍した経済学者のシュンペーターから学ぶことは、「革新的なイノベーションは逆境の中でこそ生まれる」ことではないでしょうか?

この未曽有の社会事変の中でもクリエイティビティを発揮し、IoTやAI、医療などの様々な分野で、飛躍的な技術革新が生まれ出ることが期待されます。

ここで危機管理の視点でこの問題を捉えると、政府が思い切って行うべきことは、「ウイルス検査をドイツ並み(1週間で50万人)に増やし、感染者のうち軽い人は在宅やホテルなど、重い人は病院」で手当を受けることの実現。その一方で「受け入れ病院の確保と医療設備の充実」をスピーディに徹底することが、喫緊の課題だと考えます。

パブリック・リレーションズ(PR)には、常に外部環境の変化を読み取る能力が求められています。これまでなかった見えない敵が、社会や経済、人類の生命にどのような影響を与えているのか。外部環境を正確に把握した上で、鋭敏な感覚と判断力を発揮しつつ、ウイルス根絶という目的を達成するための努力が求められています。

今こそ、マルチステークホルダーとの関係構築活動(リレーションシップ・マネージメント)であるパブリック・リレーションズの役割が問われていると、自覚し行動しています。

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