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2022.01.15

発行部数減少の新聞に期待する新たな価値は
~デジタル化でのさらなる進化を

皆さんこんにちは井之上喬です。

新年おめでとうございます。

七草がゆも明け、日常の仕事に復帰されてきた方も多いかと思いますが、コロナ禍、目まぐるしく変化する世界にあって、何とか明るい、希望に満ちた一年でありたいものです。

新型コロナ感染拡大から早くも2年が経ちました。私たちを取り巻く外部環境は大きく変化し価値観も激変しています。

世界はまさに、これまでに人類が経験したことのない混沌とした時代を迎えています。

このような時代にこそ、「倫理観」に支えられた「双方向性コミュニケーション」と「自己修正」をベースとしたリレーションズ活動、マルチステークホルダーとのリレーションシップマネージメント活動である、パブリック・リレーションズ(PR)の果たす役割りが重要になっていると強く感じています。

これからもパブリック・リレーションズ(PR)目線での発信を通し、さまざまな社会課題の解決に取り組んでまいります。

続く紙離れ

在宅勤務をされている皆さんも多いかと思いますが、毎朝の情報収集も大きく変化しているのではないでしょうか。少し前は通勤電車に乗る前に駅の売店で新聞を購入し、混みあった電車の中で折りたたんだ新聞を読む多くのサラリーマンの姿が一般的でしたね。

最近はこの姿はほとんど見かけなくなりました。代わりに、通勤電車の車内は片手でスマホを持ち、朝刊の最新情報や好みの情報を入手するのが当たり前になっています。

2021年末に一般社団法人日本新聞協会が発表した新聞発行部数調査から、パブリック・リレーションズ(PR)を推進する上で切っても切れない存在である最近のメディア事情を探ってみたいと思います。

新聞協会発表によると、加盟の日刊113紙の総発行部数は、2021年10月現在で前年比5.9%減の3302万7135部となっており、部数では206万4809部の減少となっています。

2020年の同時期の数字は2019年に対し7.2%減で減少幅が過去最大でした。それに比べると減少幅は多少改善されたとも言えますが、情報のデジタル化が進む中で新聞(紙)離れは今後も進むのは確実でしょう。

ちなみに総発行部数のピークは1997年の5377万部でした。現水準と近いのは、高度経済成長期の1966年で、3000万部台に達していました。

なお、2021年10月の調査対象113紙の内訳は一般紙が97、スポーツ紙16、発行形態別では朝夕刊セット紙が29、朝刊単独紙が73そして夕刊単独紙が11となっています。

一般紙の合計は5.5%減の3065万7153部、スポーツ紙は10.1%減の236万9982部。発行形態別にみると、朝夕刊セット部数の合計は10.6%減の648万4982部、朝刊単独部数は4.2%減の2591万4024部、夕刊単独部数は19.0%減の62万8129部となっています。

詳細は新聞協会の発表をご覧ください。

デジタル化の中での新聞の存在価値は

デジタル化の進展によりソーシャルメディア(SNS)が隆盛になり、誰もが情報発信者になれる時代が到来しました。しかし、SNSはタイムリーな情報がある一方で、フェイクニュースに象徴されるように信頼性に問題のある情報も多く、玉石混交であるのが実態です。

新聞発行数の減少幅が減ったことについては、新型コロナ禍で人々がより確かな情報を欲し、それが新聞離れの一定の歯止めになったのではないかと考える業界関係者もいるようです。とはいえ、今後についてはまったく見通せない状況です。少なくとも、減少がプラスへと転じることはだれが見ても非常に厳しいことは明らかでしょう。

それでも、デジタル化でメディアの多様化が進むなか、新聞報道に「正確さ」を期待し続けている人々が多いのも事実ではないでしょうか。

長年パブリック・リレーションズ(PR)にかかわっている立場として、報道機関としての新聞への期待は以前にもましてさらに大きくなっています。

デジタル化が進む中で、新聞は大きく変化してくると思いますし自ら変化、進化する必要があるのではないでしょうか。

例えばニュースの伝達や収集手段の多様化です。オンライン化を上手く活用し、読者の時間軸に合わせたタイムリーな情報発信を強化し、従来の一方的な発信ではなく読者の声を反映させた双方向性の情報発信を試みる。最新技術を活かしたビジュアルや豊富なデータの活用などで、新聞の価値はさらに向上すると思います。

デジタルへの取り組みに成功している例として米ニューヨーク・タイムスが挙げられるでしょう。記者とプログラマーが共同で作業し、オンラインならではの視覚的な表現の向上に取り組んだり、データ解析の技術を記者が習得して隠れたデータの傾向やニュースの種を掘り起こしたりしています。読者との関係も、意見を頻繁に聞きながら、求められるニュースを探り、提供するなど、地道な工夫を重ねています。言語は英語ですから読者も世界に広がり、昨年11月の時点で購読者は840万人、うち760万人がデジタル版の契約者といいます。昨年の第3四半期だけでも45.5万人の購読契約を記録しました。2025年には1000万読者の目標を掲げていますが、その達成も前倒しになるかもしれませんね。

新聞のインクの匂いが何となく好きな新聞ファンの一人として、そしてメディアリレーションズを通じ多くの新聞記者の皆さんと接してきたパブリック・リレーションズ(PR)を仕事にしている一人として、デジタル化時代のより正確で深堀りした新聞報道に期待します。

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