トレンド

2019.09.30

新しい日韓関係をどのように構築するか?
~ソウルでの特別フォーラムに参加して

先日、ソウルを1年10か月振りに訪問しました。

長年の友人ケイ・イム(Kay Imm)さんが会長を務める韓国最大のPR会社、KPRの創立30周年記念の祝賀会と、西江大学で開催されるフォーラムでの基調講演に招かれたのでした。

ケイさんとは、91年に国際PR協会のパースでのセミナーで初めてお会いしてから30年近くのお付き合いです。

以来、彼女の仲立ちでこれまで数多くの大学や産業界、自治体などが主催する講演会や特別講義に招かれたり、2003年には拙著の韓国語訳本が出版されたりするなど、彼女は韓国との深い関わりを築くかけ橋となってくれました。

祝賀会には、李承晩大統領ご子息の李仁秀明知大学教授、申珏秀元駐日大使、李仁浩元ロシア大使など、ケイさんの長年の友人も出席。彼女の交友関係の一端を見ることができました。

KPR30周年記念祝賀会、左奥の筆者から右回りにKay Imm会長、李仁浩・元ロシア大使、一人置いてその右が李仁秀教授、申珏秀元駐日大使

 

 

民間主導による関係構築の重要性

ケイさんは若いころ、米国に留学しニューヨーク州立大学で学びました。米国留学時代に心臓外科医だったご主人と結婚し、揃って米国籍を取得後、30年前にソウルでPR会社を設立しました。

ケイさんが常日頃憂いているのは、歴代大統領が退任後に悉く刑事告訴で投獄される韓国の政治文化と政治の不安定さです。そして、民間が主導して日韓関係を構築することがとても重要だと考えています。

そんな思いを共有する韓国のパブリック・リレーションズ(PR)の実務家やアカデミアが、フォーラムを開催したのでした。

西江大学で開催されたフォーラムは、日韓関係を良好にするための特別セッション。テーマは「日韓関係にパブリック・リレーションズはどのように役立つか」でした。

パブリック・リレーションズの力で現状を打破できるのか?

主催は、韓国PR学会西江大学コミュニケーション学部。KPRと韓国 PR協会などが支援したこのフォーラムは、韓国PRの学会、業界が一体となつたイベントといえます。

フォーラムのハイライト、パネルディスカッションには、
イ・ユナ韓国外国語大教授(韓国 PR学会会長)
シム・イン事務総長(韓国 PR協会)リュ・ソクジン教授(西江大学社会学部学長)
キム・イルチョル東義大教授(韓国IMC学会会長)
など4名の方々がパネリストとして登壇。

このところ深刻さを増す日韓関係を、パブリック・リレーションズでどのように改善できるのか。その役割について日韓それぞれの立場で討論しました。現地の東亜日報もこのフォーラムを報じていました。

私は基調講演で、世界がハイパー・グローバライズする中での国際的なマルチステークホルダー・リレーションシップマネジメントの必要性について話をしました。

 つまり、「政府間の関わり」は重要ではあるものの、数多くのステークホルダ ーのひとつとして捉えること、他の様々なステークホルダーとの関係構築も充実させながら、総合的に目的とする両国の友好関係確立・維持のドライビングフォースを築いていくべきだとする主張です。

パブリック・リレーションズは、民主主義を原則とし、事実をベースに物事がマネージされなければなりません。

日韓関係の障害となっている歴史問題ですが、事実から目をそらすことなく、忌憚のない意見の交換を通して再度協働して構築していく必要性を感じました。

そのためには、日韓のパブリック・リレーションズの専門家が両国に横たわる問題・課題を自由に論じ、実行に移すことができる組織づくりが喫緊の課題ではないかと考えています。

書籍

注目のキーワード
                 
カテゴリ
最新記事
アーカイブ

ページ上部へ