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2019.10.15

令和由来の地、大宰府で開幕の「三国志展」に注目
~古代日本の「西の都」でリアル三国志とゲーム、アニメなどとのコラボ

皆さんこんにちは井之上 喬です。

台風19号は東日本を中心に空前の猛威を振るいました。被災者や犠牲者の方々に哀悼の意を捧げたいと思います。

さて令和最初の秋、スポーツに芸術に読書にと、どのように満喫していますか?

10月に入って、全国各地でさまざまな展覧会が開催されています。ちょっと面白そうなものを拾ってみても「チェコ・デザイン 100年の旅」(世田谷美術館)、「マンモス展」(日本科学未来館)、「ドラえもん50周年展」(藤子・F・不二雄ミュージアム)、「ゴッホ展」(上野の森美術館)、「ストラスブール美術館展」(宮城県美術館)、「建国300年ヨーロッパの宝石箱リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」(Bunkamuraザ・ミュージアム)、「ハプスブルク展」(国立西洋美術館)、そして「みんなのミュシャ」(京都文化博物館)など枚挙にいとまがありませんね。

皆さんも近くの博物館美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか。新たな気づきがあるかもしれません。

西都で新たな発見、体験も

そのなかでちょっと興味深いのは、10月1日から太宰府天満宮(福岡県太宰府市)に隣接する九州国立博物館で始まった特別展「三国志」(日中文化交流協定締結40周年記念。主催:九州国立博物館・福岡県、中国文物交流中心、NHK福岡放送局、西日本新聞社、朝日新聞社など)です。

残念ながら、私は東京国立博物館で開かれた東京展(7月9日―9月16日)を訪れることはできませんでしたが、約33万7600人が来場し大きな反響があったようです。

全作品の撮影がOKということもあり、スマホやカメラでお気に入りの武将や展示品、会場の様子を撮影してSNSで投稿する人が多かったことも話題を呼びました。

公式ホームページによると、「リアル三国志」を合言葉に、漢から三国の時代の文物を最新の成果によってひも解いています。 そして特にフォーカスを当てているのが、漢王朝の権威が翳りをみせる2世紀末。各地の有力武将が次々に歴史の表舞台へと躍り出て、その中から台頭した魏(ぎ)、蜀(しょく)、呉(ご)の三国が天下を分かち、新しい時代を作り上げていきました。

近年、三国志をめぐる研究は、曹操高陵(そうそうこうりょう)の発掘などで空前のブームになっています。再び地上に姿を現した実物ならではの迫力と、それらが持つ説得力は、歴史書や物語をしのぐ楽しみをもたらしてくれると主催者は強調し、2019年は三国志の”新時代”の始まりだと宣言します。

例えば、魏王朝の基礎を作った英雄・曹操が葬られた「曹操高陵」(中国河南省)の出土品は、墓室を実物大で立体表示し、その中に展示されています。蜀の軍師・諸葛孔明が奇策を用いて敵の矢を奪ったという「三国志演義」の場面も、約1000本の矢を使って再現し、迫力ある展示になっているようです。

小説やアニメなどを通じ三国志が好きな日本人は多いと思いますが、歴史好きにはたまらない特別展ではないでしょうか。

大宰府で新たな三国志との出会いも

多彩なコラボレーションも用意されています。画像合成技術を活かしたユニークな取り組みとして、「もしも、あなたが三国志の武将だったら?」というITを巧みに生かした夢を叶える企画はその一つです。「三国志」の紹介サイト内にある「武将メーカー」で、自分の顔写真をアップロードすると、コーエーテクモゲームスの「三國志」、「真・三國無双」シリーズの武将ビジュアルと合成され、新たな名前やエピソードなどを持った架空の武将が誕生します。九州会場にも会場限定バージョンが用意され、特別展「三国志」の“リアル三国志”とあわせて、“もしも三国志”が楽しめるようです。

さらに、漫画家の横山光輝氏による漫画「三国志」の展示、1982―1984年にNHKで放送された「人形劇 三国志」の人形美術家である川本喜八郎氏制作の9体の人形たちのコーナーなど、日本で親しまれてきたさまざまな三国志の形を集めたことも注目されます。

考古学による三国志研究の最前線を知りたい方には、九州国立博物館主任研究員の川村佳男氏による講演会『ここまで分かった“リアル三国志” -新発見の考古資料から読み解く-』が10月20日(日)に開かれます(当日先着順、無料)。

主催者によると、これまで主に歴史書に記された内容に基づいて研究が進められてきた三国志は、21世紀に入って、曹操の墓や呉の皇族クラスと思われる人物の大型墓が発掘され、考古学的な発見が多くもたらされることで、質、量ともに大きく変化したといいます。

三国志の時代に生きた人々が使った実物資料の発掘によって、当時の姿が次々と明らかになってきています。この特別展は、それらを通じて三国志研究の最前線に私たちを誘ってくれるようです。

ちなみに、現在の年号である「令和」の引用元となった万葉集の梅花(うめのはな)の歌三十二首の序文は、天平2年(西暦730年)の正月に、大宰府長官で歌人でもあった大伴旅人 (おおとものたびと)が開いた「梅花の宴」の情景を描いたものだそうです。

その梅花の宴が開催された大伴旅人の邸宅は、九州国立博物館から約2㌔西にある大宰府政庁跡近くの、坂本八幡神社であったとも言われています。

九州国立博物館の近くには、ほかにも多くの貴重な歴史的遺跡が残されています。九州国立博物館での三国志展は、2020年1月5日までです。古代日本の「西の都」、令和ゆかりの地大宰府を訪れ、1800年前の壮大な歴史絵巻に思いをはせるのもよいのではないでしょうか。

私も、九州大学でのパブリック・リレーションズ(PR)の講義や準備で福岡を訪問する機会が増えていますが、年内にもいにしえの都大宰府に足を延ばしてみようと思います。

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