トレンド

2015.04.16

大型GWに印刷博物館の「ヴァチカン教皇庁図書館展」はいかが〜人類の遺産を後世に伝えるCSV活動にも注目

皆さんこんにちは井之上 喬です。

もうすぐゴールデンウイーク(GW)。今年は4月30日、5月1日、そして7日、8日に休暇を取るとしたら何と12連休も可能なカレンダーですね。

なかなかそう上手くはいかないでしょうが、貴重なお休みを有効に使いたいものです。

テーマは「書物がひらくルネサンス」

GW直前の4月25日(土)から東京で興味深い展覧会が開催されます。印刷博物館での「ヴァチカン教皇庁図書館展? 書物がひらくルネサンス」で7月12日(日)まで開催されます。

印刷博物館で、ヴァチカン教皇庁図書館をテーマにした企画展が開催されるのは、2002年の「ヴァチカン教皇庁図書館展―書物の誕生」以来で今回が2回目だそうです。

前回の展示では、グーテンベルクが発明し15世紀に登場した活版印刷によって、書物が写本から印刷本へと変遷していった過程を展示していましたが、今回はルネサンスをテーマに、ルネサンスという大きな文化運動の流れの中で、印刷書物がどのような役割を果たしたかを展示するようです。

ホームページに見ると、ヴァチカン教皇庁図書館所蔵の中世写本、初期刊本、地図、書簡類計21点を中心に、印刷博物館および国内諸機関所蔵の書物を加えた計69点を展示し、ルネサンス精神の比類なき生き証人としての書物の魅力に迫るとしています。

デジタル版より”紙派”の私としては、印刷書物がどのような形で人間の歴史に貢献してきたのか足を運んで体験してみたいと思っています。

それにしてもポスターがゴージャスですから、皆さんも是非ご覧になってはいかがでしょうか。

この印刷博物館は、2000年に凸版印刷が設立100周年記念事業の一環で開設したもので、印刷文化に関わる資料の蒐集や研究活動、活版印刷などの印刷を実体験するなどの実践・啓発活動を行っているユニークな博物館です。

何とヴァチカン3000冊の手書き文献をデジタル化

ヴァチカン教皇庁図書館の関連で、ユニークな取り組みを行っているのがNTTデータのヴァチカン図書館デジタルアーカイビング事業です。

この事業はヴァチカン図書館に所蔵されている、貴重な手書き文献を後世に残し永続的な文化の継承を実現する目的で行われているもので、NTTデータは、この人類への貢献ともいえるヴァチカン図書館の取り組みに賛同し、2014年4月からデジタルアーカイブ事業に参画、約3,000冊の手書き文献を4年間でデジタル化するために自社技術で貢献しています。

活動内容としては、文献のデジタル画像化作業や電子化された文献画像データの長期保存システム、画像公開用の閲覧ビューワーを含むデジタルアーカイブシステムの構築だそうです。

その結果、2014年10月20日より、デジタル画像化したデータを高機能閲覧ビューワーで閲覧することが可能となり、ヴァチカン図書館のウェブサイトから直接アクセスできるようになっています。

このビューワーは、高精細・高操作性を備えるとともに、PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末などからの閲覧にも対応しています。

これにより世界中の人々が、時間や場所を問わず、高精細にデジタル画像化された手書き文献を閲覧することが可能となり、ヴァチカン図書館の貴重な人類資産の学術、美術、教育分野などにおける活用促進が期待できる、とNTTデータのホームページで紹介しています。

この取り組みは、このブログでも何回か触れていますが、まさにハーバード大学ビジネススクール教授マイケル・E・ポーター氏が、CSR(企業の社会的責任)に代わる新しい概念とし提唱しているCSV(Creating Shared Value:企業の共通価値の創造)そのものですね。
CSV活動を通じ世界の文化遺産を後世へ継承する。多くの日本企業が、このような世界規模での社会貢献活動が展開できるよう期待したいところです。これこそパブリック・リレーションズ(PR)の醍醐味だと思います。

書籍

注目のキーワード
                 
カテゴリ
最新記事
アーカイブ
Links

ページ上部へ