アカデミック活動

2012.10.22

京都大学でパブリック・リレーションズ授業始まる〜グローバルリーダーの養成を目的に

こんにちは井之上喬です。
皆さんいかがお過ごしですか?
今学期から京都大学経営管理大学院(ビジネススクール)で、私の授業「パブリック・リレーションズ論」が開講しました。

京大でのこの授業の役割は、急速に変化する社会とグローバル化に適応できるグローバル・リーダーをそのインフラとなるパブリック・リレーションズ(PR)を通して養成することです。

これまでパブリック・リレーションズの授業は2004年から早稲田大学で教えていますが、早稲田以外の大学で教鞭を執るのはこれが初めて。

とりわけ紅葉が始まる京都での講義は、個人的にも日本の伝統文化や古都の落ち着いた雰囲気を味わうことができ、また気分の転換にもなり、毎回京都に行くのが楽しみです。

小林潔司教授との出会い

この授業を行うことになったきっかけは、昨年秋に2度にわたる関西での講演。10年来の知人で同経営管理大学院のアドミニストレーション・スタッフの嫁勢久恵さんから京大の大西有三副学長と小林教授を紹介されたことに始まります。

当時小林教授は経営管理大学院の院長(現在、同大学院経営研究センター長)でしたが、自らは工学系の方で、日本で唯一の文理融合型によるビジネススクールを設置し推進されています。

京都大学での講演後の夕食会の席上で小林教授は、「来年から京大でパブリック・リレーションズを教えてくれませんか」と言われたのでした。

若い学者時代から小林さんは、世界銀行や、WHOをはじめとする国際研究機関における経済職、欧米の主要12大学での経済学部の併任・客員教授等を歴任するなど、さまざまな海外の職場で数多くの異文化体験をされています。

日本人に欠け、必要とされているものが何なのかよくわかっておられ、私の講演の内容に共鳴してくださっていたようで、初対面であったにもかかわらず意気投合。

小林先生の物事を成就させるときのスピードと推進力、そしてノバルティスファーマ社の協賛なども仰ぎながら「パブリック・リレーションズ論」の講義が京都で実現するに至ったのでした。

それ以来小林教授とは、日本が直面しているさまざまな問題解決のために如何にパブリック・リレーションズが必要であるかを語り合ったのでした。そんなわけで、今年4月にスタートしたグローバルビジネス学会( http://s-gb.net ) の設立に、それほど長い時間は必要としませんでした。

パブリック・リレーションズはグローバル人材養成のインフラ

IT技術の進展と昨年3月11日の東日本大震災は、日本に急速なグローバル化への対応を促しています。
とりわけアジア諸国への展開を急ぐ日本の組織体には、多様な現地の文化や宗教、民族性、商習慣などとどう向き合っていけばいいのかが問われています。

ここでは相手との間で価値を共有するための「倫理観」、多様性を認め健全な相互関係を構築するための「双方向性コミュニケーション環境」、そして必要な時に自らを修正する「自己修正能力」、これらがあらゆる事柄の基盤として求められます。

つまりインフラストラクチャーとしてのパブリック・リレーションズが必要とされています。

また日本企業にとって、途上国や新興国との価格競争に巻き込まれないためには付加価値をどのように高めるべきかはクリティカルな問題。また日本企業の特徴ともいえる現場主義や現地の市場環境への適応をどのように行うのかといった点においても、日本型ビジネスモデルの構築が急がれています。

日本企業のブランド力を維持しながら、企業の現地化を進めていくためには、現地国で直面するさまざまな課題に対処できるパブリック・リレーションズ能力を身につける必要があると同時に、これを構築・維持できるコミュニケーション力や文化的、歴史的素養をもつ人材を育成することが必要とされているのです。

*11月19日(月)13:30?17:45、京都大学稲盛ホールでシンポジウム、「グローバルビジネス人材育成を考える」が開催(主催:京都大学経営管理大学院、共催:グローバルビジネス学会)。筆者もパネルディスカッションのコーディネーターを務める。大学におけるグローバル人材教育はどうあるべきかがテーマ(入場無料: http://s-gb.net/contents/20121119.pdf )。
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井之上喬著「パブリックリレーションズ」(2006年3月、日本評論社刊)は、おかげさまで5月30日付で第6刷が発刊されました。ご愛読ありがとうございます。
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