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2016.03.31

好調なノンアルコールビール市場〜若者のビール離れとアルコール飲料の多様化

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

ノンアルコールテイスト飲料市場が活気づいているといわれます。新商品が続々と発売され、市場も着実に拡大しているとのこと。ノンアル台頭の背景には、消費者の「飲み方」の変化があるようです。

今回のブログでは、私も飲む機会の増えているノンアルコールビールを始め、ノンアルコールテイスト飲料についてお話したいと思います。90年も前になりますが、奇しくも3月31日は「アルコール専売法」(1937年)の公布日に当たります。

味のバリエーションに魅力

ノンアル市場が大きく伸びたきっかけは、アサヒビール「ドライゼロ」などが発売された2012年からといわれます。その後も着実に成長を続け、ビール飲料の出荷量が11年連続で減少しているのと対照的な結果となっています。

ノンアルが好まれている要因として、アサヒビールの調査では購入者の8割が味を重視しているといい、アルコールゼロであることよりも高い値となったようです。

サントリーホールディングスが月1回以上ビールテイスト飲料を飲んでいる500人の女性に聞いたところ、ノンアルコールビール飲料の魅力として、多くの女性が「ビールの味が楽しめる」点を挙げたといいます。

ビールテイスト飲料は本格的なビールに近い味が楽しめるというだけではなく、例えば「ドライゼロ」ではカルピスで割ってみたり「ドライゼロブラック」と混ぜてハーフ&ハーフで楽しむといった飲み方も好評なようです。

ノンアルコールビールは当初、ドライバーや妊婦などビールを飲みたいけれど飲めない人をターゲットにしてきたという経緯があります。今ではスポーツの最中や友人が集まる休日のランチ、バーベキューなどで飲まれることも多くなってきているとしています。

最近、欧米のバーでは「モクテル」というジャンルが確立されつつあるといいます。モック(偽の)とカクテルを組み合わせた言葉で、アルコールが入っていなくてもカクテル気分が味わえるようです。こうした味のバリエーションが広がっています。

アルコール飲料に大きな転機

調査会社マクロミルによると、20代前半の社会人男性が自宅で飲む飲料としてビールを選んだ割合は42%、20代後半以降の男性では6割がビール類を選んだとのこと。

女性は20代前半の過半がチューハイやサワー、カクテルを選ぶが、30代を超えるとビールを選ぶ割合がチューハイなどを上回るといいます。

ビールは依然として、アルコールの中で中心的な存在として変わらないようですが、若者のビール離れは否めないようです。

こうした傾向を踏まえ、ビールメーカー各社は新製品の発表や若者に人気のアーティストを広告キャンペーンに起用するなど、移り気な消費者の定番ビールの座を巡り、各社のシェア獲得競争は需要期の夏に向けて一段と熱を帯びそうです。

また中年層以上も健康志向で朝型の生活に切り替えた結果、深酔いするような飲み方が減っているとか。人口減少の中で働く女性や外国人の増加などの要因も絡みノンアルを含めたアルコール飲料界は、大きな転機を迎えているといえそうです。

ノンアルコールといえば、私の会社(井之上パブリックリレーションズ)恒例の新宿御苑における「お花見」はアルコールの持ち込みが禁止されていています。ちょうど今日は全員で御苑にランチボックスを持ち込みお花見を楽しみました。

お花見には最高の陽気で苑内には染井吉野や山桜など沢山の桜が咲き誇っていて、まさに春爛漫を味わうことができました。

アルコールが入っていないせいか、御苑ではお酒に酔って騒ぐ人もなく、春風を感じながら桜を愛でることができます。アルコール抜きのお花見もなかなか捨て難いものがありますね。

こうしたこともアルコール飲料市場の変化に少なからず影響を与えているのかも知れません。

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