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2013.02.11

減少傾向が止まらない海外への留学 〜パブリック・リレーションズはグローバル人材育成の基盤

皆さんこんにちは井之上 喬です。
今日は建国記念の日で国民の休日です。三連休を楽しんでいらっしゃいますか?

昨日2月10日は旧暦の元旦で中国では春節。チャイニーズ・ニューイヤーで「今週前半は休暇」と言ったアジア系の企業も多いのではないでしょうか。あらためて新年が世界中の皆さんにとって良い年となりますように。

さて2月9日の日本経済新聞朝刊社会面に「海外留学 6年連続減」という見出しの記事が掲載されていました。

経済協力開発機構(OECD)や関係各国が公表した日本人留学生数を文部科学省がまとめたもので、それによると、2010年に海外留学した日本人は5万8060人となり、前年を3.1%下回り、6年連続で減少したとのこと。不況などで留学費用の捻出が難しくなっているほか、若者の間に「内向き志向」が広がっていることも背景にあるのでは、と分析しています。

2010年の留学者数をピークの2004年の8万2945人と比べると3割少ない水準で、文科省は「不況や就職活動の早期化などで留学を避ける学生が多い」とみているそうです。

留学先でみると、最も多いのは米国の2万1290人で、前年に比べて14.3%の減少。2位が中国の1万6808人で9.1%増加、続いて英国が3851人(同0.5%減)、オーストラリアが2413人(同10.7%減)となっています。欧米留学は減少傾向ですが、中国、台湾、韓国など東アジアは増加傾向にあるようです。

また、日本学生支援機構(文科省の外郭団体)の調べによると、2012年5月時点で日本の大学などに在籍する外国人留学生は13万7756人となり、前年を0.2%下回ったとのこと。

2011年3月11日に発生した東日本大震災や円高などの影響で、日本留学を敬遠する動きが広がったと分析しています。

出身国・地域別では中国が8万6324人で前年比1.4%減、韓国が1万6651人で同5.6%減となる一方でベトナムやネパールからの留学は増加しており、従来は中国、韓国、台湾が主だった日本への留学生の出身地に変化が起きつつあるようです。

大胆な海外留学支援策の実行を

ちなみに留学生の受け入れ数が多い大学は早稲田大学が3771人でトップ、続いて日本経済大(旧福岡経済大学)が3135人、東京大が2873人と続いています。そう言えば、毎週講義で訪れる早稲田のキャンパスでは海外からの留学生の姿が目につきます。

このブログで私は、グローバル人材育成の重要性を繰り返し述べていますが、まずは教育現場でのグローバル化が喫緊の課題であると考えます。

小学校での英語教育もやっとスタートしましたが週1回にとどまっているようです。グローバルでのコミュニケーションを考えると、英語は、世界の最大公約数が使用している言語。

グローバル社会においては、英語は目的達成のためのコミュニケーションのツール。必須のものです。

小中学校での英語教育の充実、そしてできれば高校から海外留学の機会を実現できるような国の支援策が必要だと思います。

文科省は2013年度に、海外留学の費用補助に36億円を投じ1万200人の大学生、大学院生の海外留学を支援する方針です。
これは前年度に比べ16%増、対象者が1万人を超えるのは初めてだそうです。

グローバル時代の重要なインフラはパブリック・リレーションズ

企業の成長戦略のキーワードの1つにダイバーシティ(多様化)があります。端的に言えばグローバル化の流れの中で多様性を持った組織が不可欠だということです。さまざまな人種、性別、宗教、考え方などを認めた集団が新たな時代を切り開くのだと思います。

今から142年前の1871年(明治4年)、岩倉具視を正使とした「岩倉使節団」が日本から米国、ヨーロッパ諸国に向け派遣されました。

そのメンバーは特命全権大使の岩倉のほか、副使の木戸孝允、大久保利通、伊藤博文、通訳として参加した新島襄など総勢107名で構成されていました。

その中には43名の留学生も含まれ、西洋文明や思想に直接触れた経験は彼らに大きな影響を与え、帰国後の留学生は政治、経済、教育、文化など様々な分野で活躍しいわゆる文明開化に大きく貢献しました。

岩倉使節団の留学生には中江兆民、金子堅太郎、団琢磨に加え満6歳であった津田梅子も含まれていました。海外経験者が新しい日本の建設の礎になったと言えます。

あれから百四十余年。日本を取り巻く国際環境は激変しました。いまや町工場や山奥の農家にまでグローバル化は進展しています。

パブリック・リレーションズ(PR)はグローバル人材育成のインフラです。多様でさまざまなステークホルダーとの関係構築が求められるグローバル社会にあって、日本の組織体が身につけていなくてはならない手法といえます。

多様な現地の文化や宗教、民族性、商習慣などとどう向き合っていけばいいのか、日本の組織体へのパブリック・リレーションズのシステム化が問われています。

相手との間で価値を共有するための「倫理観」、多様性を認め健全な相互関係を構築するための「双方向性コミュニケーション環境」、そして必要な時に自らを修正する「自己修正能力」、パブリック・リレーションズのこれら3原則がすべての組織体活動の基盤として求められています。

さまざまな課題に対処できるPR能力を身につける必要があると同時に、これを構築・維持できるコミュニケーション力や文化的、歴史的素養をもつ人間力ある人材の育成が日本のグローバル化に必要とされているのです。

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