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2012.03.26

100周年を迎えたワシントンの桜 〜桜が内外で拡げる絆の輪

こんにちは井之上 喬です。

春分の日(3月20日)を過ぎたものの冬の寒さが続く関東地方。気象庁は、関東地方の「春一番」について今年は2000年以来12年ぶりに観測されない年になったと発表しています。

関東地方の「春一番」の条件として、立春から春分の間の日に日本海に低気圧があって強い南寄りの風(8m/s〜)が吹いて気温が上昇することが挙げられていますが、今年はこれらの条件をクリアすることができなかったようです。

また、桜の開花も遅れる見通しで、東京都心(靖国神社)の開花は3月30日-31日と予想されています。前回のブログでは、3月恒例となっている“春闘”を採り上げましたが、今回もこの時期の恒例の一つである“桜”の話題をいくつかお話します。

100周年を迎えたワシントンの「桜」

今年は、日本から米国の首都ワシントンに桜が贈られてから丁度100周年となります。

ポトマック川沿いの池「タイダルベースン」付近に3770本植えられている桜は、1912年3月27日に日米友好のシンボルとして旧東京市長であった尾崎行雄がワシントンに贈った桜を植樹したのが始まりといわれています。

尾崎行雄は、日本の議会政治の黎明期から戦後に至るまで活躍した政治家で「憲政の神様」と呼ばれた人。第1次大隈内閣(1898年6月30日から同年11月8日)では文部大臣を務め、その後1903年(明治36年)から1912年まで東京市長を歴任しています。

朝日新聞(3月19日夕刊)は、「今年の桜祭りは例年より期間を延ばして5週間を予定。雅楽師の東儀秀樹さん、アイドルグループのAKB48らを招いたイベントがある。東京電力福島第一原発の事故で被害にあった福島県川俣町の山木屋地区から、若者の太鼓クラブが参加する」と報じています。

また、ワシントンは例年にない暖かさで、満開時期は平年の4月4日から大幅に早まり、主な行事が行われるのは3月25日の開会式以降に集中するため、折角の桜が散ってしまうのではないかと関係者は気をもんでいるそうです。

開花が遅れそうな日本とは対照的に、アメリカ東海岸は今年、記録的な暖冬でワシントンの桜は現時点で早くも満開。先ず日本の桜が満開を迎え、ワシントンの桜が続くという例年の流れが今年は逆。何か日米外交でいつも後手に回っている日本政府の対応を象徴しているようですね。

ワシントンの桜は今や日米友好のシンボル。日米両政府の関係性が以前に比べて希薄化するなかで、100年前の日米友好の証であるワシントンの桜がどのように有効に活用されるのか、パブリック・リレーションズ(PR)の専門家として興味をそそるところです。

桜並木を復興のシンボルに

東日本大震災の被災地で復興のシンボルとしてさまざまな形態で桜の植樹が拡がっています。岩手、宮城両県の被災地で進められているのが「桜植樹プロジェクト」。これは津波の最高到達地点に桜並木をつくろうという計画です。

昨年の東日本大震災で多くの桜が壊滅的な打撃を受けたなかで、宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区の10本の桜は津波に耐え、震災直後の昨年4月、見事に花を咲かせ被災地の多くの人々を元気づけました。

この10本の桜を街の復興のシンボルにと地元の人たちが「なとり観光復興プロジェクト」を立ち上げました。強い遺伝子をもつ10本の桜から苗木を育て、名取川沿いに仙台空港までの10キロを3000本の桜で飾ろうというプロジェクトです。

ほかにも、岩手県陸前高田市では1万7000千本の植樹計画が、宮城県気仙沼市や石巻市など5市町でも同様の計画が進行中だといいます。

もうひとつの桜の話題は、ルミネ有楽町店で3月22日-3月25日の間、実施されたSakura Project。これは全国47都道府県から「桜」を集め、それらを約8mの一本の「桜の木」にして、開花の条件の異なる桜を満開に咲かせようとする試み。

昨年3月には人気TV番組「情熱大陸」でも紹介され、プラントハンターとして活躍する西畠清順さん(1980年生まれ)が指揮をとり、3月22日には見事にすべての桜を一本の木として満開に咲かせました。まさに「花咲爺(お兄さん)」の再来ともいうべき出来事でした。

日本の象徴的な花、「桜」。内外で絆の輪を拡げています。明日の3月27日は、日本から米国の首都ワシントンに桜が贈られてから丁度100年に当たります。マスメディアがこの件についてどのように報道するのか、今から楽しみです。

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