パブリック・リレーションズ

2011.03.07

日本企業の「ものづくり」の強さを実証 〜企業ランキングとブランド価値の数値化

皆さんこんにちは、井之上 喬です。
端午の節句も終わり日差しに勢いが増す今日この頃、皆さんお元気ですか?

3月に入って特に目についた記事が2つあります。ひとつは3月1日の東京新聞(夕刊)「米消費者誌の自動車番付」で、もうひとつは、2日の日経MJ「日本企業の世界ブランド価値総額」でした。いずれも企業価値の評価に関連するデータです。

「ホンダ」が5年連続1位

米消費者団体専門誌『コンシューマー・リポート』の発表によると2011年「自動車メーカーランキング」では、ホンダが5年連続で1位となりました。昨年はホンダと並んで1位だった富士重工業が2位。トヨタ自動車はリコール問題の影響もあり昨年同様3位という結果が伝えられています。

このランキングの対象メーカーは13社で、各車種を対象に走行テストを行い、安全性、信頼性、リセールバリューなどの評価項目と併せて独自調査し、百点満点方式で決められます。

日本勢が占めるトップ3社のポイントは僅差で、ホンダが74点、富士重73点、トヨタ71点。ちなみに最下位(13位)はクライスラーの43点でした。

あとの順位では4位がボルボで5位は昨年11位だったフォードが躍進。6位は現代自動車(韓国)、7位は同点でマツダと日産自動車が並びました。9位は独のVW、同点の10位はダイムラーとBMWと独車が占めました。

ウィキペディアによると『コンシューマー・レポート』 (Consumer Reports) は、「非営利の消費者組織であるコンスーマーズ・ユニオンが1936年から発行しているアメリカ合衆国の月刊誌。独自の研究所が行う消費財(あらゆる製品やサービス)の比較検討調査の結果をレポートする」月刊誌。

また同誌は、「(中略)定期購読者は雑誌とウェブ版の合計で約700万部とされる。レポートの独立性・公平性を維持するために、各号誌面には一切の広告が掲載されていない。」と紹介されています。こうした不偏性や公正さをもつが故にランキング結果は、北米における新車・中古車販売に多大な影響を及ぼしています。

日本でも暮しの手帖社が、広告を一切排除して消費者目線で厳しく生活グッズをチェックするというと同様のコンセプトで1948年に『暮しの手帖』を創刊しています。このブログを読んで『暮しの手帖』を想起した人も多いのではないかと思います。

工業製品のなかでも特に自動車づくりは、厳しい国際競争に打ち勝っていくために常にイノベーションが求められる産業分野であり、『コンシューマー・レポート』の日本車に対する高い評価を目にして、「日本企業もまだ頑張っている」と思いを強くしたのは私だけではないはずです。

ブランド価値を数値化

また日経MJ の紙面では、2011年版の日本企業のグローバルブランド価値の総額ランキングが紹介されていました。コンサルティング会社のインターブランドジャパン(東京・千代田)の発表によるものです。

ランキングは日本発のブランドで、財務情報を公開しており、海外売上高比率が3割を超えている企業を対象としています。今回3回目の調査で条件を満たした100社のブランドが生み出す利益水準などを勘案して順位がつけられたとのことです。

それによると首位は3年連続で「TOYOTA」(ブランド価値総額:256億6100万ドル)、続いて「HONDA」(185億1000万ドル)、「Canon」(114億4200万ドル)、ここまでがベスト3です。
以下、「SONY」(113億5300万ドル)、「Nintendo」(91億8400万ドル)、「Panasonic」(45億4900万ドル)、「NISSAN」(28億8600万ドル)、「LEXUS」(25億2300万ドル)、「TOSHIBA」(22億4600万ドル)、「SHISEIDO」(22億1500万ドル)いう順番でした。

上位30位以内には日本の「ものづくり」の強さを反映して自動車・電機系企業など製造業が多数を占めていますが、10位に資生堂、29位に味の素が入るなど生活用品・食品メーカーも今回躍進が目立ったとしています。

これまで企業価値を、株価に発行株式総数を乗じて算出する時価総額という指標がありましたが、ブランド価値を金額に数値化するというその試みに強い関心をもちました。

2つの記事は、こうしたことを新しい視点から考えさせてくれました。
しかし、日経MJには紹介されませんでしたが、同じインターブランド社の世界企業を対象としたランキング「Best Global Brands 2010」でみると、前述の日本企業はTOYOTAが11位を筆頭に、HONDA20位、Canon33位、SONY34位、Nintendo38位そしてPanasonicが73位と100位以内にわずか6社しかランクされていません。

一方米国企業は上位7社を、Coca-Cola、IBM、Microsoft、Googleなどが独占し、上位100社に50社もの企業がランクされています。一体この差はどこからきているのでしょうか?

このあたりのことは一度このブログでもじっくり取り上げてみたいと思います。

どんなにいい製品をつくっていても、グローバル市場で戦い抜くことは別次元のこと。その成功のためには、これまで日本企業に馴染みがなかったパブリック・リレーションズ(PR)を戦略的に用い、ブランド価値を高めていくことが鍵となります。

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