パブリック・リレーションズ

2011.06.13

東日本復興に向けた新しいビジネス・モデルの創出を 〜AKB48総選挙と宝島社から学ぶ“ジャパン・モデル”のヒントは?

こんにちは井之上喬です。
東日本大震災から3 カ月が経ちました。

まだまだ被災地はがれきの山で、復興には相当な時間と資金が必要な状況のようです。日本国民全体で長い道のりを共に歩む覚悟が必要だと思います。
6月11日の朝日新聞朝刊は、「6割 生活再建めどなし」とする見出しのトップ記事を掲載。岩手、宮城そして福島の被災42市町村長に対するアンケート調査で、被災者の6割余りが生活再建のメドが立っていないと窮状を訴えています。

復興のためには、被災者の雇用の確保と創出が最優先課題だとしています。まさにその通りだと思います。
しかし、被災前の場所で元の仕事ができればよいのでしょうが、地震や津波だけでなく原発事故の影響も重なり、全く新しい環境で全く新しい仕事を余儀なくされる方々も多いことでしょう。

大震災によるサプライチェーンの分断により、日本の部品がなければ自動車や最新の家電品が作れないといった日本の強さも浮き彫りにされました。その一方でリスク分散の観点から調達先を複数に切り替えたり生産拠点の海外をも含めた分散を要求されるケースもでてきています。
単純に考えれば、雇用機会の減少、競争力の低下、日本市場の縮小と負のスパイラルに陥りかねません。何としてでも日本には、震災をきっかけにした新しいビジネス・モデルの創出が急がれます。

AKB48総選挙、宝島社から学ぶ

前回6月6日のブログでも書きましたが、日本は課題解決先進国です。多くの困難を乗り越え“ジャパン・モデル”をさまざまな分野で世界に提示していきたいと思います。

その1つに新しいユニークなビジネス・モデルがあります。
6月10日のスポーツ紙などの1面には「総選挙でトップ交代!」の見出しが躍っていました。
おや?と思い記事に目を通すと大人気のアイドルグループAKB48の第3回選抜総選挙と称する人気投票で前回2位の前田敦子さんが、前回トップだった大島優子さんに雪辱し1位になった記事の見出しでした。

記事の中には「永田町より一足早くトップ交代」と、政局の混迷を皮肉るコメントが書かれていました。
このAKB48の総選挙は、ファンが好きなメンバーに投票し多い順に次に出るシングルCDを歌うメンバーが決められ、トップをとると舞台の最前列の真ん中で歌うことができる仕組みのようです。

投票権は5月に販売されたシングルCDの購入者が1枚につき1票、インターネットで投票することになっており、対象となったCDは170万枚を超える出荷枚数になり、選挙戦はヒートアップした(SANKEI EXPRESSを参照)とのこと。

なかにはお目当ての候補者に多くの票を入れるため、1人で1万2500枚のCDを買う熱狂的なファンもいたと言われるほどのフィーバー振りで、この現象は海外でも報道されたようです。

この仕掛け人はおニャン子クラブの秋元康氏。インターネットからのダウンロードなどで、売り上げ減が続く音楽業界に新しいビジネス・モデルを提供、世界のエンターテインメント業界からも注目されているシステムです。

他にも構造不況業種ともいわれる出版界では、宝島社が1989年の「CUTiE(キューティ)」を皮切りに世代やファッション・スタイル別の雑誌を創刊するビジネス・モデルを展開。

女性に人気のブランドアイテムを付録に、幅広い読者からの支持を受けている「sweet(スウィート)」は100万部以上を発行しています。
この戦略の流れの中で、宝島社は40代女性をターゲットにするファッション雑誌「GLOW(グロー)」を2010年10月に創刊しましたが、創刊キャンペーンとしてインターネットで応募し当選した40代の女性400人を対象にオリジナルの天然ルビーを無償配布。

また、創刊号には英国のローラアシュレイ・ブランドのボックス・バックが付録として付いて680円、発売風景や購入者の反応はテレビでも放送されるなど話題を呼びました。

ソフト・パワーの片鱗を知る

AKB48と宝島社の例は成熟期から安定期を迎えた業界に、新たな成長戦略を打ち出したビジネス・モデルとして注目されています。
これらの事例は新規産業でのビジネス・モデル創出に限ることなく成熟産業の中でもアイデア1つで大きなマーケットを作り出す可能性を示した成功例ではないでしょうか。

また前号でも紹介した、日本が世界に誇れるソフト・パワーのDNAを感知させてくれます。
目標を達成するためには何をすればよいのか。私が以前からお話しているように、パブリック・リレーションズ(PR)は、目標達成のための最適な手法であると考えています。

目標に向けた戦略を構築し、それを実践するための戦術を考え駆使します。そしてその結果を客観的に判断し次のアクションへ繋ぐことができる自己修正機能を活かすことで目標達成の最短距離をたどることができます。

日本のさまざまな地域や産業、そして分野で新しいビジネス・モデルが勃興し、それらをPRが支え牽引するような最強の組み合わせが機能することを期待しその最前線で活動したいと強く思っています。

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