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2017.01.12

恒例の年頭「CES 2017」報告〜変化に対応し成長続ける展示会に注目

皆さんこんにちは井之上 喬です。

1月9日は成人の日、今年も前年を2万人上回る123万人が20歳を迎えたとのこと。
おめでとうございます。

しっかりと自分の考えをもって、果敢にチャレンジしてほしいと思っています。

注目は音声認識、AI、自動車

このブログでは毎年の恒例になっていますが、米国時間の1月5日から8日までの4日間ラスベガスで開催された世界最大の家電関連見本市「CES 2017」の報告をいたします。

私が経営する井之上パブリックリレーションズは、2004年からCESの日本市場向けPRコンサルと開催期間中に日本のメディアの方々を招へいし現地取材の支援を継続しています。

CESは今年の開催が節目の50回でしたが、弊社はそのうちの10回以上、一緒に仕事をさせていただいています。弊社がPRコンサルを始めた当時は、民生機器の真っただ中にあるテレビの大型化、薄型化を毎年競う展示会でしたが最近は様変わりし、自動車業界など消費者を取り巻くさまざまなモノを新製品、最新技術を取り上げています。

それではCES出張から帰国したばかりの井之上パブリックリレーションズの報告を中心に、私たちを取り巻く最新技術の動向を見てみましょう。

50周年を迎えたCES。記者会見や展示会場内で記者の注目が集まったのは、音声認識、AI(人工知能)、自動車だったようです。

音声認識はAmazon AlexaやMicrosoft Cortanaが自動車やスマートホーム、家電などあらゆるところで採用、今後の新しいインターフェースとして大きな存在感を示しました。またAIについても音声認識と同様に、大きな存在感を示し、今後のキーテクノロジーとして欠かせないものである印象を強く受けた、とのこと。

個別の製品としては今年も自動車が大きな注目を集めています。各社の発表により自動運転が「未来への期待」から「具体的な実現」への道を歩み始めていることが決定付けられた感があると、弊社の担当者は自動運転の近い将来の実用化を感じ取ったようです。

注目の基調講演に関しては、2014年にAudiが登壇して以降毎年、自動車メーカーの登壇が続いていますが、2017年は日本の自動車メーカーとしては初めて、日産自動車のカルロス・ゴーン社長が登壇。また初日のOpening Keynoteには世界最大のクルーズ客船の運航会社であるカーニバル・コーポレーションが登壇し、メーカーでもソフトウェア企業でもない「利用者」企業による基調講演は、とても印象的だったと思います。

基調講演に日産ゴーン氏も登場

CES 2017 基調講演の顔触れは以下の通りでした。

NVIDIA 共同創設者 社長兼CEO ジェンスン・ファン氏、Carnival Corporation 社長兼CEO アーノルド・W・ドナルド氏、 Expedia 会長兼シニアエグゼクティブ バリー・ディラー氏、Huawei コンシューマ・ビジネス・グループCEO リチャード・ユー氏、日産自動車 会長兼CEO カルロス・ゴーン氏、Qualcomm Incorporated CEO スティーブ・モレンコフ氏、Under Armour 創業者兼CEO ケビン・プランク氏。なるほどと思うと同時に基調講演は時代の鏡ともいえるでしょうから彼らの動向に今後注目したいですね。

出展傾向に関しては、出展者数3,800社以上のうち実に20%は3年前には出展していなかった新しい出展者とのことです。また、新興企業が集うエリアとして本年で6年目を迎えたEureka Parkには600社の新興企業が出展、連日多くの人で賑わい会場は熱気に満ちており、混雑が絶えることはなったようです。

CESについては多くのメディアが報道していますので、トヨタ自動車のコンセプトカー「愛i」などの映像をご覧になった方々も多いかと思います。そんな中で私が注目したのは主催団体のしたたかさ、サステナブル経営の視点です。

CESの名称の由来自体は「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」ですが、従来のテレビやAVなどの文字通り民生機器から、最近はIoT(モノのインターネット)に象徴されるようにインターネットサービス、そしてネットにつながる自動車の出展が増えていました。このようなトレンドに合わせ、第xx回目から略称であったCESを正式名称にしています。

また、主催団体の名称も全米家電協会(CEA)から全米民生技術協会(CTA:Consumer Technology Association)に2015年から変更しています。

CTAのCEOであるゲーリー・シャピロ氏は、自動運転の実現をどう感じているかとの質問に——新しいテクノロジーによる変化を恐れる人はいますが、1世紀前は、どういった輸送機関が欲しいか?と聞かれれば、もっと速く、餌(馬車)をほしがらないもの、と言っていたのですから世の中がどう変化するのかは分からない、といった趣意のコメントをしています。

まさに大きな変化を危機ではなくチャンスと捉え、自ら柔軟に変化して対応する経営姿勢は大いに参考になるのではないでしょうか。

今回はちょっと違った視点でCESを見てみました。
外部環境の変化を読み取るパブリック・リレーションズ(PR)にはこうした動向を把握し目的や戦略を修正したり、新たに構築することが求められるのです。

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