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2014.04.17

IoT、IoEそしてIoMe時代の私たち〜夢の「量子コンピュータ」実現に日本人研究者の理論!

みなさんこんにちは、井之上 喬です。

東京の桜はソメイヨシノに代わり、八重桜が盛りを迎えています。桜前線も北上を続け、今は東北地方でソメイヨシノが見ごろのようですね。
年に1回のこのシーズン、大いに満喫したいものです。

近年パソコンの普及に加え、タブレットPCやスマートフォン(スマホ)が急速に拡大、私たちは日々、そのような情報端末からインターネットを経由しさまざまな情報を得ることが可能になっています。

コンピュータは私たちにとって身近な存在になっていると同時に、その技術革新には目を見張るものがあります。

そしてコンピュータ誕生以来の永遠のテーマなのかもしれませんが、コンピュータが人間の頭脳を超える日が来るのか?そしてそれはいつのことか?

注目の将棋電王戦はコンピュータソフトが圧勝?

5人のプロ将棋棋士がコンピュータ将棋ソフトと団体戦で戦う「第3回将棋電王戦」(主催ドワンゴ)は、プロ棋士側の1勝4敗という結果で1カ月にわたる激戦の幕を4月12日に閉じました。

テレビをはじめさまざまなメディアでこの様子が情報発信されていましたから、ロボットアームのコンピュータソフトとプロ将棋棋士の対局を目にされた方も多かったのではないでしょうか。

第1局から第5局までの対局の様子を生放送したニコニコ生放送総視聴者数は実に213万4,258人を記録、プロ棋士側が1勝3敗1引き分けに終わった昨年の「第2回将棋電王戦」の時の200万3,753人を上回る結果となったと発表されました。

特に第5局の屋敷伸之九段 対 Ponanza(ポナンザ)の対局の総視聴者は71万3,147人を記録し、ニコニコにおける将棋番組史上最高の視聴者数だったということで如何に多くの人が、人間対コンピュータの頭脳戦に注目していたかがわかります。

将棋やチェス、囲碁の世界ではコンピュータソフトと人間の対局が行われ、どちらが勝った、負けたに注目が向けられがちですが、新たな高みへの別の追求の方法もあるのではないでしょうか。

最近では、人間の創造力とコンピュータの計算力を合わせた異次元の能力開発に目が向けられつつあるようです。

日本発の「量子コンピュータ」

4月14日から3日間、横浜で開催された半導体の国際的なカンファレンス「COOL Chips」では、基調講演で語られた「量子コンピュータ」と「ニューロチップ」に注目が集まりました。

なかでも量子コンピュータは、量子力学を応用したコンピュータで、究極のコンピュータの1つとされています。4月15日の日経産業新聞の「量子コンピューター 夢のマシン突然実現」の記事中にある解説では「原子や素粒子といったミクロの世界で働く、人の日常の感覚では理解できない物理法則である『量子力学』の原理を応用したコンピュータ。1つのビットが0と1を同時に持てる量子力学の特性を生かし、圧倒的に高速に計算できる」とその凄さを表現しています。

1990年代から世界中で開発が進められてきたようですが、技術的な課題があまりにも多く従来は「早くても実現は21世紀後半」と言われていたようです。

ところが2011年にカナダのD-Wave Systems社が、世界で初めて商用の量子コンピュータの開発を発表、2013年には米航空宇宙局(NASA)、グーグルが導入したことで一気に注目の度合いが上がりました。

その突然の出現のきっかけになったのが、東京工業大学理学部部長の西森秀稔教授が生み出した理論だそうです。

詳しい内容については私があれこれ解説するより日経産業新聞、日経コンピュータ(4月17日号)をご参照ください。しかし、「スーパーコンピューターでも解けない『組み合わせ最適化問題』が解ける可能性がある」夢のコンピュータは、世界中の交通渋滞を解消するなど私たちの社会生活にも大きなインパクトを与えると期待されています。

今年のキーワードでメディアを賑わしているなかにIoT(モノのインターネット:Internet of Things)、そしてIoE(Internet of Everything)があります。

これらに加えて、毎年1月ラスベガスで開催される世界最大の家電見本市International CESを主催するCEAチーフエコノミストのショーン・デュブラバック氏が先ごろ来日した折に「IoMe(Internet of Me)」という概念がヘルスケア分野を中心にアメリカで話題になっていることを口にしていました。

技術革新のスピードに限界がないことを強く感じるとともに、インターネットやコンピュータなしでは私たちの生活はいまや考えられない時代になっていることを感じます。

人の頭脳をコンピュータが超える的な発想ではなく、量子コンピュータなどを駆使しビッグデータをうまく分析、活用することで、さまざまな人類の課題が解決される時代が到来するのも夢物語ではないかもしれません。

そんな時代の到来のきっかけが一人の日本人の研究者の発想から生まれようとしています。なんと素晴らしいことでしょう。

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