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2016.09.01

瀬戸内の島の過疎問題〜変容する弓削島

皆さんこんにちは、井之上喬です。
猛暑続きだった8月も終わり今日から9月。皆さんいかがお過ごしですか?

今年も毎夏訪れる亡き母の生まれた弓削島で休暇を過ごしました。
弓削島のある弓削町の現在の町名は上島(かみしま)町。2004年に、周辺の岩城、生名、魚島の3つの村と統合し名前を上島町と変更。2つの斜張橋(つり橋)で3つの島(弓削、佐島、生名)を結び、7つの有人島と18の無人島からなる町は、「しまなみ海道」からも外れ、世俗から離れた固有の風土を有する場所です。ちなみに生名島はやり投げの村上幸史選手の故郷。

私にとって弓削島は幼少時から馴染の深い島ということもありますが、海と空、松の木々と白い砂浜、それに瀬戸内のゆったりした人情など、自然の恵みを一杯に受けた佇まいは、都会人にとってはまるで天国の島です。

過疎化対策

弓削島を含めた上島町の人口は現在約6,900名、10年前は約8100名、20年前は9300名とそれぞれ10年で1000名以上の人口が減っていることになり他の地域と同様に深刻な問題を抱えています。

島には小学校、中学校、高等学校、に加え弓削商船高等専門学校がありますが、近年弓削高校に入学する学生数は人口減が影響を受け廃校ボーダーラインの20名を割る年もあるようです。県の規定では2年連続して学年で20名を割ると廃校になるようですが、そうならないように他県の中学生に呼びかけるなど様々な努力がなされているようです。

人口減を止めるには、出生率を上げるか外から移住者を求めるか2つの方法しかありませんが、出生率は全国平均の1.46(厚労省2015年人口動態統計)を少し上回る程度で深刻な状況のようです。

自然減は毎年100名前後に対し、社会増減はこれまで数十人のマイナスであったものが、直近の2014年度に初めて46名のプラスとなっています。この現象は町の外からの移住者が増加した結果としています。他県から安住の地を求めて退職した年配者が主要のようですが、この頃は若い層が子育てやIT時代の新しい生き方を模索するために島を訪れるといいます。

これらに加え、近年は岩城島をはじめとし造船や漁業関連の研修生など約280名がアジアから家族を伴って居住しています。

人口減を止め如何に増やすか弓削島に役場を置く上島町は、2013年には上島観光協会を設立し観光客誘致に力を入れたりレモン産地の利点を生かした「レモンポーク」(岩城島)や「弓削塩」作りなどにみる地場産業育成などの様々な取り組みを行っているようです。

空き家を如何に有効活用するか

観光客誘致やとりわけ外からの定住者受け入れなどを実現させるためには、生活の基盤となる住まいの確保の問題があります。

全国的に800万戸を超える空き家をどのように活用するかは、これからの日本の活力を増強する上で重要な課題となります。

空き家活用による経済の好循環は、情報を把握している行政とのパートナーシップなしでは実現できません。

上島町役場に勤める小林宣貴さんによると、弓削の空き家はおよそ数百戸で、そのうち利用可能な住宅は約100戸あるとしています。

こうした空き家を行政が仲立ちすることで、お風呂や台所など一部を改装しても安価な家賃で十分に快適な生活ができるようです。

地元の知り合いの一人は隣の因島で月額1万円の家を借り、お風呂を改修し4LDKの家に住み快適な生活をしています。

行政がこうした知恵を使うことで、介護施設の拡充や介護士・保育士などの生活の向上、民泊やセカンドハウス需要の喚起など過疎地域が抱える様々な課題解決が現実味を帯びてくるように思います。

島がこうしたインフラ整備を通して飛躍的に人間の往来を頻繁にし、活力ある地域に変貌させることが期待されます。

こうしたプロジェクトにもリレーションシップ・マネジメントとしてのパブリック・リレーションズ(PR)力が求められます。

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