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2016.08.25

金メダル余聞〜リオ五輪閉幕、日本はメダル最多41個

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

南米大陸で史上初めて開催されたリオ五輪は、21日夜(日本時間22日朝)、マラカナン競技場で閉会式が行われました。来月7日からは障害者スポーツの祭典となるパラリンピックが同地で開幕され、18日まで22競技で熱戦を繰り広げることになります。

リオ五輪では、205カ国・地域から1万1千人を超す選手(日本からは331人)が参加し、17日間にわたり28競技306種目で熱戦が繰り広げられました。2020年に東京五輪を控える日本は今大会では、「金」12個、「銀」8個、「銅」21個を獲得。前回ロンドン大会の38個を上回り、メダル総数は史上最多の41個となりました。

昨日(8/24)、リオ五輪の選手団がオリンピック大会旗と共に帰国。史上最多の41個のメダルを獲ったこともあって、晴れやかな表情が印象的でした。

リオ五輪の「重い」金メダル ?

桐生祥秀選手はインタビューに、「メダルは思っていたより重かった」と応え、「めちゃめちゃ重たい」。これは、リオ五輪で体操男子団体と個人総合で金メダルに輝いた内村航平選手のコメントです。

他のメダリストも同様で、価値の重みだけでなく、物理的な意味で「リオ五輪の金メダルは重い」と口を揃えています。直径8.5センチメートル、重さ500グラムと近代夏季オリンピックとしては最大・最重量サイズとなったようです。

国際オリンピック委員会(IOC)は、金、銀、銅メダルに細かなルールを定めているようです。少なくとも直径6センチ、厚さは3ミリ以上。また、メダルには対象となる競技と種目も明記しなければならないとのこと。こうしたルールを満たしたうえで、各大会の組織委員会がメダルのデザインを決定するようです。
金メダルは純金製と思っている方も多いのではないでしょうか。金のオンライン取引大手、英国のブリオンボールトによるとリオ五輪の金メダルの素材構成比率は銀が91.4%、銅が7.4%で金はわずか1.2%で6グラム程度しか含まれてないといいます。

国際的な金の調査機関であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は、リオ五輪で使う金メダルに関するリポートをまとめ、配合する金属の相場などから物質的価値を試算すると、1個の金メダルはおよそ600ドル(6万円強)になると算出。
また、リオ五輪の金メダルに使った金の採取にあたっては、環境汚染の原因となる水銀を一切使わなかったというのもアピールポイントのようです。

東京五輪で廃スマホから金メダル量産計画

2020年の東京五輪・パラリンピックのメダルを廃棄されたスマートフォン(スマホ)や携帯電話などから作ろうとする試みが始まっているという報道記事が目に留まりました(08/19 日経産業新聞 )。

持続可能な未来をめざす「東京2020運営計画への連携プラン提案」検討会合が都内で開かれたのが6月10日。参加したのは東京五輪・パラリンピック組織委員会や環境省、東京都の関係者に加えてNTTドコモ、田中貴金属工業やリサイクル会社の幹部も顔を連ねたとのこと。

12年のロンドン大会のメダルで使われた金属は金が9.6キログラムで銀は1210キログラム、銅が700キログラム。一方、14年に日本国内で小型廃家電の回収で得た金属の量は金が143キログラムで銀は1566キログラム、銅が1112トン。計算上は必要な金属を確保できるという見通しが出ています。

国立研究開発法人物質・材料研究機構は昨年夏から、小型廃家電によるメダル製造の実現可能性を調査し、家電の回収から金属精錬までの現状を分析。

「日本の場合、ゼロから回収網などを作るわけではない。日本全体で合意が得られれば既存の仕組みでメダルは作れる」と都市鉱山大国にふさわしいコメントを発しています。

しかし、その実現は容易ではないようで、計算上は現在の回収量でメダルは作れるとはいえ、小型廃家電から得た金属の多くはすでに電子部品の材料として再利用されています。

特に銀は需給が逼迫しており、メダルに回せる分を確保できるかどうかは微妙なようです。小型廃家電リサイクルへの関心を高め、回収量を増やすことが何によりも必要としています。

日本では環境問題への意識が高い消費者が多く、例えば、牛乳パックやペットボトルのキャップなど直接の利点が消費者になくてもリサイクルが進んでいる商品は沢山あります。

私たちパブリック・リレーションズ(PR)の専門家として、リサイクルや環境問題への意識をこれまで以上に高めていく取組みを通し、東京五輪のメダル作りにも寄与していきたいものです。

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