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2015.12.18

今年生まれた赤ちゃんの名前ランキング〜親の想いや時代を反映

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

師走の定番ともいうべきベートーヴェンの交響曲第9番(第九)が日本で初めて演奏されたのは、およそ100年前の1918年(大正7年)。

第1次世界大戦で敗れ捕虜となったドイツ兵らによって初めて演奏されたといわれています。その舞台となったのが、徳島県鳴門市に置かれた「板東俘虜(ばんどうふりょ)収容所」でした。

故国から遠く離れた「板東俘虜(ばんどうふりょ)収容所」にいて、彼達はどのような想いで演奏し、歌ったのでしょうか。テレビやラジオ、街中で第九を聴く度に彼達への想いが私の中で膨らむことでしょう。

さて、今回のブログでは、「今年生まれた赤ちゃんの名前ランキング」を紹介します。生まれる子供への想いだけでなく、名前ランキングは時代や社会の変化を映し出す鏡ともいわれています。今年はどんな傾向が見られたのでしょうか。

最多は男の子が「大翔」で女の子は「葵」

恒例の「今年生まれた赤ちゃんの名前ランキング」(明治安田生命保険調べ)がこのほど発表されました。

男の子の最多は「大翔」(ひろと=主な読み方)、女の子は「葵」(あおい)が、それぞれ1位になったとのこと。

「大翔」は2007年から11年まで5連覇の後、ランク落ちしていて4年ぶりの首位返り咲き。夢や希望に向かって羽ばたく雄大なイメージの強い「翔」に、人気が集まっているようです。

周知の通り北海道日本ハムの大谷翔平選手や中田翔選手のほかにも、人気グループ「嵐」の桜井翔さん、俳優の哀川翔さん、歌手の綾小路翔さん(氣志團)ら「翔」が付く名前の有名人はかなり多く、彼らの活躍が影響を与えているといいます。

また、今年の干支は「未(ひつじ)」(羊)。つまり、羊へんの漢字でもある「翔」の字が縁起が良いという理由もあるようです。

女の子の「葵」は、今年、「徳川家康公 薨去四百年」という節目の年にあたることから、徳川家の「葵」の御紋の効果が、「葵」人気にプラスしたのかも知れません。

男の子の2位は悠真(ゆうま)、3位が蓮(れん)と陽太(ようた)。女の子は2位が陽菜(ひな)、3位は結衣(ゆい)でした。

「歩」は、256位から33位へと大幅にランクアップ

また、ラグビーの五郎丸歩選手の「歩」は、男の子の昨年の256位から33位と飛躍的にランクアップしたようです。

こうした名前ランキングを見ると、まさに時代や社会の変化を映し出す鏡ともいえますね。

私の生まれたのは、終戦間際で富国強兵が叫ばれていた時代です。時代を反映して、勝利(かつとし)や剛(つよし)、攻(おさむ)といった名前の友人・知人がおり、名前が時代や社会の変化を映し出す鏡といわれていることを実感します。

一方で、同じ表記でも読みが多様多種で混乱を招いているようです。例えば、今年の人気ランキングトップになった「大翔」の読みは「ひろと」「やまと」「はると」「おうが」「だいと」「たいが」「つばさ」など。

皆さんは、「大翔」をどのように読みましたでしょうか?

読みでは人気の名前に収束し、表記では個性を競うように多様化が進む――。最近の名前の流行にはこうしたメカニズムが働いているようです。

この「今年生まれた赤ちゃんの名前ランキング」の中からパブリック・リレーションズ(PR)に関係する漢字を探してみました。

例えば、リレーションシップ・マネジメントであれば、「絆」や「信」、「結」、「和」などが連想されます。

男・女の人気漢字ベスト25を見ると、男の子については「和」と「結」が同じ23位に、女の子については「結」が6位にランクされていました。

このように、「今年生まれた赤ちゃんの名前ランキング」は、さまざまな視点から読み取ることができ、個人的にも興味あるデータでした。

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