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2013.09.12

祝!「2020東京五輪」開催決定〜真の意味でのオールジャパン実現を

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

周知の通り国際オリンピック委員会(IOC)は、現地時間7日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで第125次総会を開き、2020年夏季五輪・パラリンピックの開催地に東京を選出しました。

東京とイスタンブールとの決選投票後の発表セレモニー(日本時間8日午前5時)でIOCのジャック・ロゲ会長が封筒から取り出した“TOKYO 2020”と書かれたカードを示して「トウキョウ」と発表した瞬間のどよめきと喝采は、総会会場にとどまらず日本全国で巻き起こりました。

歓喜の大歓声とともに、日本が久しぶりに一つの目標を達成し一体になった瞬間でもありました。皆さんは東京開催決定の瞬間をどのように迎えたのでしょうか。

私は8日早朝5時に起床、すぐテレビのスイッチをひねると、各局が総会会場での発表シーンが繰り返しながら関係者のコメントを紹介している光景を見て、ひさしぶりに心底から熱いものがこみあげてくるのを感じました。

前回東京オリンピックが開催された49年前は、丁度、早稲田大学に入学した年に当たります。東京で2回、オリンピックを観られるのは何と幸運なことでしょうか。

東京オリンピック出場を夢見た高校時代

水泳に青春を捧げた私の高校時代。当時は、1964年東京オリンピックに出場する夢を抱いていました。できれば山中毅さんを始め多くのオリンピック選手を擁していた早稲田大学に入り、よき指導者を得てオリンピック出場をと考えていたのでした。

こうした背景もあって東京オリンピックでは、特に競泳に興味を持ちました。競泳自由形で、4つの金メダル獲得と3つの世界記録更新という快挙を納めたドン・ショランダー選手(米国)や平泳ぎのイアン・オブライエン選手(豪州)、女子自由形のドーン・フレーザー選手(豪州)らのパワフルで美しい泳ぎに魅了されたことを憶えています。

いま私は、16ページに及ぶ9月8日発行の読売新聞社の特別号外(但し、8ページ相当は広告)を手にして、東京開催決定を知った瞬間の感激を想い起しています。

この号外には2020年東京五輪開催のニュースだけでなく、「1964年東京五輪 名場面」と称して当時の写真が掲載されています。

最終聖火ランナーだった早稲田大学陸上選手の坂井義則さん、男子マラソンで金メダルを獲ったエチオピアのアベベ選手と円谷選手(銅メダル)。

東京の魔女と呼ばれ回転レシーブを武器に金メダルに輝いた、大松監督率いる女子バレーボール・チーム、柔道無差別級決勝で神永選手を破り金メダルに輝いたオランダのヘーシンク選手等々。
私の脳裏に刻まれた数々の栄光のシーンが甦りました。

100%脱石油五輪の実現を

今回の東京招致のプレゼンテーションでは、コンパクトな開催計画を始め交通網などの都市基盤が整っていることや治安の良さ、安心・安全面とともに強い財政力を強調することで多くのIOC委員からの支持を得ることができました。

東電福島第1原発の汚染水漏れ問題も、安倍首相が安全性を訴えるなどして乗り越えたようですが今後の大きな懸念材料として残っています。また、尖閣問題や竹島問題などで生じている中国や韓国との軋轢や安倍政権のタカ派的なイメージは国際社会で増幅されつつあります。

「平和な国日本」や「安全」といったわが国のイメージが損なわれてきた事実は否めない一方、日本は地球温暖化に起因する異常気象による環境破壊など深刻な状況にも直面しています。
そこで2020年東京五輪に向け思い切った提案があります。

2020東京五輪の会場は、電気や動力源として100%脱石油とし、代わりに「水素」で発電したり、会場の電気や管内を走る自動車やバス、トラックなどすべてを燃料電池車(水素を使うが動力は電気モーター)や水素タンクを搭載した「水素自動車」、「水素バス」、「水素トラック」に仕上げ、フォークリフトに至るまで水素を燃料として走らせます。

新しい会場が湾岸に面していることも考え、風力発電や太陽光発電などもふんだんに取り入れます。
もちろん、期間中のごみは隣接のバイオマス機能を持ったごみ焼却炉で循環させます。日本では2015年から、燃料自動車が商用化され水素社会に向けてドライブがかかっていますが、今後さらに加速することが予想されています。

先日、私の私的勉強会「水素研究会」でお話しいただいた千代田化工は、2020年から水素を使用した発電所を稼働させる計画をすすめています。また、昨年秋には世界初の「ガソリン混合の水素エンジン自動車」が日本のベンチャーから発表されています。このように100%脱石油五輪を実現する要素技術は着々と揃ってきているのです。

水素社会の到来は2040年頃とされていますが、100%脱石油五輪という国家的な目標を掲げて取り組めば、私の提案の実現は決して夢ではありません。

こうした夢の実現を後押しするのも私たちパブリック・リレーションズ(PR)専門家の役割です。「2020東京五輪・パラリンピック」開催に向けて、私たちの業務領域は一段と拡がりを見せています。

国際社会が模索している水素社会のありようを、まず東京がオリンピックという世界中が注目する最高の舞台で示すことができれば、東京での開催が計り知れないほど大きな意味をもつものとなります。

今回の五輪東京招致は「政財界を巻き込んだオールジャパン態勢の勝利」だったといわれています。猪瀬東京都知事の招致にかける執念やチームジャパンのメンバー、安倍首相をはじめとする政府関係者や経済界のサポート、そして多くの国民の願望が勝利に導いたと言えます。

猪瀬知事はあるテレビインタビューの中で、「2020東京オリンピックではライフスタイルを提示したい」と抱負を語っていましたが、オールジャパンで取り組む東京オリンピックの成功は、メダルの数だけではなく世界で初めて、100%脱石油五輪が実現することにあるのではないかと私は考えます。

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