パブリック・リレーションズ

2009.05.04

パブリック・リレーションズの映像講義制作スタート〜PRプランナー資格取得に向けた講座

こんにちは井之上喬です。
ゴールデンウイークも残りわずかになりましたが、皆さんいかがお過ごしですか?

一昨年10月のブログで社団法人日本パブリックリレーションズ協会(日本PR協会)が主催する「PRプランナー資格認定制度」の2007年9月からのスタートについてお話しをしました。私も同協会の資格制度委員会のメンバーとしてこのプログラムに参画し、試験委員も務めてきました。

今回は、「PRプランナー資格認定制度」についての現状報告と、これに関連して最近私が注力しているパブリック・リレーションズ(PR)の基礎から実践・応用までを網羅する「映像講義」制作の途中経過を紹介します。

これまで1000名を超える合格者

日本PR協会は、「PRプランナー資格認定制度」発足に当り次のようにコメントしています。「21世紀を迎えた現在、『PR(パブリックリレーションズ)の時代』と言われ、各企業・団体において広報・PR活動の重要性が見直されつつあります。とくに企業の社会的責任(CSR)が厳しく問われる時代にあって、広報・PR活動はパブリシティやメディアとのリレーションだけでなく、経営戦略、コンプライアンス、IR、危機管理、マーケティングコミュニケーション、ブランドマネジメントまで広範囲にわたり、企業経営や団体運営の中枢に直結した業務となってきました。」

「こうした時代や社会のニーズに今後どう応えていくかが、広報・PRの仕事にとっては、差し迫った課題だと言えます」とその実施の背景を述べています。

また、日本での専門家育成を目指すこの資格認定制度は、その目的として(1)広報・PRパーソンの育成とレベル向上、(2)専門職能としての社会的認知の向上、(3)広報・PR業務の社会的地位の確立を掲げて始動しました。

これまで3回にわたってPRプランナー資格認定試験が行なわれ、昨年の12月末時点で1,000名を超えるPRプランナー補とPRプランナーが認定されています。

今年3月には平成21年度前期の第4回1次試験が終了し、5月17日に2次試験が、そして7月25日に最終の第3次試験が東京と大阪会場で組まれています。この日程と並行して平成21年度後期の第5回1次試験の受験予約受付が6月1日から始まります(30日まで)。資格には3種類あり、1次試験合格者にはPRプランナー補、2次試験合格者には准PRプランナー(第5回からの新設)、そして3次試験合格者にはPRプランナーの資格がそれぞれ付与。PRプランナーについてのみ3年以上の広報・PR実践経験が必要となります。

受験では社会人に混ざって、学生の姿も多く見られました。これは実務経験がなくてもPRプランナー補の資格が取得できることにも起因しているようです。

将来PRや広報のプロフェッショナルを目指す人は是非、この資格に挑んで欲しいと思います。受験申し込みなど詳細は日本PR協会のホームページ(http://www.prsj.or.jp/)で紹介されていますので参照してください。

全国で均一の学習を提供する映像講義

パブリック・リレーションズ先進国の米国では、1920年代に社会科学の分野で理論体系化され、64年には専門家として認定する資格制度も整備され、 現在は米国PR協会も含めた複数団体が参加し「ユニバーサル認定プログラム」( http://www.praccreditation.org/about/ )を実施。この資格試験に合格した受験者にはAPR(Accredited in Public Relations)の称号が授与され、PRにおける幅広い知識、経験、そしてプロとしての判断を示せる高度なパブリック・リレーションズを実践できる実務家約5,000名が有資格者として活躍しています。

米国に遅れること40余年。日本でスタートした資格認定制度。しかし、これだけでは彼我の大きな差を埋められないのは自明のことです。私は日頃から「業界全体のレベルの底上げや市場規模の拡大、ひいては日本社会へのPR導入を加速させるためにはどうしたら良いか」という課題に取り組んできました。5年前から私が早稲田大学で「パブリック・リレーションズ概論/特論」の教鞭をとり始めたのも、PRの専門家育成が火急であるとの強い問題意識があったからです。

最近、素晴らしい出会いがありました。建築系資格取得学校では日本最大手の日建学院を運営する建築資料研究社の馬場瑛八郎会長との出会いです。日建学院は、建設関連教育事業部門として1976年に開校。以後、日本で初めて取り入れた修学効果が高いとされる映像講義を基本とし、現在、全国に133校を有し、一級/二級建築士や宅建主任者など建設関連資格合格者累計83万人(2007年時点)を輩出。規模・実績とも業界トップを誇る資格取得学校です。

「中卒の大工さんにも一級建築士を取らせたい」との思いで教育事業を始めた馬場さんは、日建学院の開校とその実績に見られるように先見性に大変優れた経営者です。その馬場さんから「PRプランナーの資格取得のための映像講義をつくりませんか」と提案された時、日米間の差を埋め、日本社会へのPR導入を加速させるのは「これだ!」と直感し講師を引き受けました。

計画はとんとん拍子に進み、先月10日に私が講師となって「PRプランナー補資格取得講座:パブリック・リレーションズ概論」映像講義の第1回目のビデオ収録が行なわれました。この概論は全編20回(各90分)で構成されています。続いて実践・応用編も撮っていく予定です。制作は日建学院グループの日本映像教育社が担当し、私の会社(井之上パブリックリレーションズ/日本パブリックリレーションズ研究所)の若手社員でPRプランナーの資格をもつスタッフのサポートを得ていることも心強いことです。
映像講義の特徴は、大都市のような限られた場所でしか受けられない対面講義のもつハンデキャップを克服し、同一講師により全国津々浦々で均一の内容を繰り返し学習できるところにあります。この新しい映像講義の開講や会場などの詳細は日建学院からの公式な発表がありますので改めて皆さんにお知らせしたいと思います。

日本で初めての試みとなるこの「パブリック・リレーションズの映像講義」は、全国の大学や企業を通してやがて日本社会へPRを導入するための有効なツールになるものと考えています。
社会の健全な発展と繁栄に貢献できる包括的なパブリック・リレーションズ(PR)を、日本社会に広めていくことは私のライフワークであり願いです。その実現に一歩近づいた確かな手ごたえを感じ、私にとってこのゴールデンウイークは充実したものとなりました。

余談ですが、TVコマーシャルで大ヒットしたアルパカ『クラレちゃん』(本名:はなこ)は、癒し効果に魅せられた前述の馬場さんが、1999年に200頭のアルパカをジェットチャーター便で南米ペルーより輸入したもの。栃木県那須高原の牧場「那須ビッグファーム」では約400頭が飼育され、毎日来場者を楽しませています。私も先日、人気者の「はなこ」に会いに牧場を訪れ、癒されてきました。

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