趣味

2007.07.20

魂に触れるハワイアン

海の日は毎年恒例のナレオパーティ。新高輪プリンスホテル「飛天」の間の螺旋スロープを下りればそこは別世界。今年、第11回目を迎えるこのハワイアン・パーティに約700人のお客さまをお迎えし、華やかにその幕が開けられました。

癒しの空間、ナレオパーティ

私のバンド「ナレオウェイブ」の出演は序盤の2番手。今回は“Twilight in Hawaii”、“Wave”、“My Little Glass Shack in Kealakekuai, Hawaii”、“Sweet Someone”を演奏しました。
3曲目では、私の教え子である政経学部4年生の森田江美さんも所属する早稲田大学ハワイ民族舞踊研究会によるフラダンスとのコラボが実現。27人のフラガールが、しなやかで躍動感あふれる踊りを披露しました。1年ほど前からプロの先生による指導を得た成果もあり、その急成長ぶりに感嘆。

昨年上映された映画『フラガール』の影響で、ハワイアン・ミュージックやフラダンスが再びブームを呼んでいます。今回のパーティに参加してくれた私の教え子や新社会人の方々も癒しの音楽ハワイアンをとても気に入ってくれた様子。

癒しのハワイアンといって私の頭に浮かぶのはケアリイ・レイシェル(Keali’i Reichel)。沖縄のグループBEGINの「涙そうそう」のカバー曲で、日本でも最近注目されるようになった世界的なアーティストです。

魂の歌 ケアリイ・レイシェル

マウイ島出身のケアリイは、17歳からチャント(詠唱)を独学で学び、19才で自身のフラ団体(halau)を結成。ハワイの伝統と文化をしっかり押さえた彼の歌声は、ハワイの自然のように美しく澄みわたり、様々なメッセージを私たちの心に刻みます。

1995年リリースの彼のデビューアルバム、“Kawaipunahele”は当時全米ヒットチャートのトップにいたマドンナを抜いて第1位を獲得し、ハワイアンとして空前の大ヒットを記録。2006年には来日し東京国際フォーラムで東京フィルハーモニー交響楽団とのコラボレーションを実現しています。

ケアリイとの出会いはいまから4?5年前。 ナレオの先輩から頂いたオムニバスCDに収録されていました。あいにく参加アーティストのカードを紛失してしまい、彼が誰であるのか、また曲名すら判りませんでした。ただその伸びのある声と穏やかで美しい旋律が気に入り、車のBGMとして楽しんでいました。

こうして数年が経過。昨年ホノルルに立ち寄った際、地元のタクシードライバーにこのアーティストのイメージを伝えると、「それはケアリイ・レイシェルに違いない」とのこと。私は即座に地元のレコードショップで彼のCDを10枚ほど購入したのです。

帰国後、購入したCDを5?6枚探したところでギブアップ。10枚ものCDが私の車のトランクで半年眠ることとなりました。今春、自宅のCDを整理していると、オムニバスCDのカードがひょっこり出てきました。そのカードから、その曲がケアリイの“Meke A Ka Pu’uuwai”であると判明。早速CDを探索すると2005年リリースの“Keali’i Reichel Collection One KAMAHIWA”に同曲が納められていました。まるで顔を知らないペンフレンドと初めて会ったような感動的な出会いでした。

全体をグリーンのトーンで精緻に仕上げられたこのアルバムは、過去の彼のアルバムから選曲したCD2枚組のベスト・コンピレーション。彼の母に捧げられた歌で始まるこのアルバムでは、トラディショナル・ハワイアンからポップスのカバー曲までケアリイの幅広いサウンドを堪能できます。

私の一番のお気に入りは、あの何年もかかって捜した“Mele A Ka Pu’uwai”。敬愛する師への贈り物として書かれたこの歌には、師への深い愛情と師の導きに対する感謝の気持ちが込められています。
1枚目の4曲目にあるノリのいい“Ipo Lei Momi”には、話題のウクレレ・アーティスト、ジェイク・シマブクロが参加。次の5曲目には沖縄ソング「涙そうそう」のカバー曲“Ka Nohona Pili Kai”が収められています。どの曲も魂に語りかけるように奏でられ、乾いたアコースティック・ギターの音とケアリイの声に、心がスーッと洗われていくようです。

癒しの空間、ナレオパーティの会場には、拙著『パブリック・リレーションズ』の出版責任者であった日本評論社の守屋さんも駆けつけてくれました。今回、同社より小林正巳著『ウクレレ快読本』(2007年、日本評論社)が出版されました。同書は、ウクレレの奏法だけでなくウクレレの歴史や奏者の横顔などを詳細に紹介。練習用CD付きのこの本は、ジェイク・シマブクロも推薦。

今年は早稲田大学創立125周年の年。大きな節目の年に行われたナレオパーティも無事に幕を閉じました。去年はバンドのメンバーの八木潔さんが急逝しました。今年は彼の娘さん、春日さんが私たちと彼との思い出の曲“Wave”(ボサノバ)をステージでシェアしてくれました。この曲では生前の彼の電気ウクレレ・ソロはスチールギター担当の北原忠一さんが弾きました。娘さんの唄は私たちの想いとともに天国の八木さんの魂に届いたでしょうか….。

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