時事問題

2011.02.07

美味しいコメ食べてますか? 〜農業は新たな輸出産業になれるか

こんにちは井之上 喬です。
節分も過ぎ暦の上ではすでに春ですが、まだまだ寒い日が続きそうです。
体調には気を付けて頑張りましょう。

日本では西高東低の強い冬型が長く続き、太平洋側ではカラカラ天気が続く一方で、日本海側は大雪で電車や車が閉じ込められるなどの影響が出ています。また、霧島連山の新燃岳では50数年ぶりの噴火で周辺住民が避難、海外でも豪州では大型サイクロン「ヤシ」の来襲や米国東海岸での大雪など、世界規模で天候不順や自然災害が多発しています。

被害にあわれた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

新聞報道によれば、こうした世界的な異常気象や中国をはじめとする新興国での消費拡大などの要因により、世界の食料価格指数は過去最高を記録したとのことです。

食糧問題が急浮上

このデータは国連食糧農業機関(FAO)がまとめているもので、穀物、食肉、砂糖、乳製品、油糧種子の国際取引価格からFAOが、2002年から2004年水準を100ポイントにし毎月算定しています。
これまでの最高値は食糧危機が叫ばれた2008年6月だったそうですが、2011年1月には230.7ポイントとなり過去最高値を更新。

最近は7カ月連続で前月を上回り、この半年では実に37%以上の上昇。国際的にも大きな問題になっています。
食糧問題といえば2月初めに農林水産省は商業用のコメの輸出数量の推移をまとめて発表しました。

それによると2010年の輸出数量は1898トンで前年比45%の増加、輸出金額は前年比27%増の約6億9000万円とのこと。
国別では香港が654トン(前年比45%増)、シンガポールが334トン(同36%増)続いて台湾が271トン(同19%減)、豪州125トン(同247%)そして中国が96トン(同220%増)。

中でも中国向けの数字はまだ低いが、2009年の3倍以上になっており、今後さらに拡大が期待されています。政府も輸出支援のために中国輸出向けの精米工場整備に対し補助をするなど、コメ輸出拡大の支援策をさらに拡充する方針のようです。

そういえば日本のコメの販売拡大に呼応するように、秋葉原などでは電気炊飯器の販売も好調だと聞いたことがあります。割高だが安心して食べられ、かつ美味しい日本のコメが中国でも認められてきたということでしょうか。

しかし2010年度の主食用コメの生産量は約824万トン。輸出量は過去最高になったとはいえまだまだわずか。日本国内のコメ市場は少子高齢化や食生活の変化などから市場規模は縮小傾向にあり、輸出に活路を見出したいコメ生産者が増えているようです。

日本の農業を新しい「産業」に

世界的な食糧不足に陥れば、日本は自前で食糧を生産しなければならなくなります。食糧安保が叫ばれるのもこうした背景があってのこと。

日本は食糧自給率が40%(この数字はカロリーベース。生産高ベースで見ればもっと高く他国に見劣りはしないといわれているがここでは論議しない)と低く、自給率や生産性の向上が叫ばれています。

しかし日本の農業は高齢化が進み、農業従事者の平均年齢は66歳を超え、後継者問題や年間6万?8万人で推移する新規就農者数が改善することなくこのまま続けば、美しい農村が原野にかわるのも時間の問題。

食糧をめぐる問題としては、最近急浮上しているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)やEUFTA(日欧自由貿易協定)への参加の是非が国会でも大きな争点になっています。

日本がTPPなどに参加すればあらゆる分野での輸入規制が撤廃されます。これに対して農業関係団体などは、海外から安い農産物が大量に輸入され日本農業への深刻な影響が懸念されるとして日本の参加に強く反対。

コメを代表とする農業が、手厚い国の保護のもとでガラパゴス化してしまうのか、ITや自動車産業のように、国を代表する「産業」として新たな世界展開に一歩踏み出すのか、日本はいままさに大きな岐路に立っているといえます。

日本には、数多くの品種改良された米をはじめ、リンゴやナシ、ミカンなどの果物や水耕栽培による無農薬野菜など、世界の食卓が欲しがる食材がたくさんあります。価格で競わず付加価値をつけ、ブランド化することで輸出のチャンスが無限にあるはずです。

農業の産業化を実現させるためには、農家が蓄積してきた作物づくりのノウハウと、産業界のもつITを駆使した生産技術を融合させることが鍵となるでしょう。

日本の優れた英知や技術を、これまでは考えられなかった分野で生かし新たなビジネスを創出する、こうした動きを国が支援することはできないものでしょうか。

日本はPTTをむしろ好機と捉え、農業分野に若者を中心とした新規就農を促し、ベンチャー企業を多く呼び込む政策とその実現が求められています。農家が消滅する前に新しい発想でスピード感を持って取り組むことが急がれているのです。

すべてのビジネスにいえることだと思いますが、何か新たなことに取り組もうとするときに、重要なポイントとして物事の流れや先を読むインテリジェンス、きめ細やかなマーケティング力、それを実行に移すための戦略、そして私の持論でもある、双方向環境の中で必要な時には自らの修正を恐れず、倫理観を意識した取り組みが必要であると思います。
つまりリレーションシップ・マネジメントである、パブリック・リレーションズ(PR)がうまく取り込められていなければなりません。

先日テレビ番組で酒造りのためのコメの収穫時期について、最新のGSPシステムを駆使して最適な時期を決定する事例を知りました。

GDPで中国に後塵を拝し世界第3位になった今こそ、既成概念にとらわれることなく新たな発想で、これからの時代の繁栄のために、力強い一歩を踏み出すことが強く求められているのです。

 

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