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2018.06.20

AIの進展は雇用を奪うか〜AI万能論のわなにはまらない

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

18日7時58分に発生したM6.1の大阪地震の余震が引き続き発生しているようです。被災にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。また、梅雨の時期と重なり二次被害の恐れもあり、このあとも十分ご注意ください。

さて、私のブログ(2018年06月01日)でも紹介したことですが、野村総合研究所によれば「10〜20年後、国内労働人口の49%に当たる職業が人工知能やロボットで代替される可能性が高い」と試算されています。

多くの仕事がAI(人工知能)に獲られてしまうのではないかと不安を煽るメディアの論調が目につく中で、「こうした懸念は杞憂に終わるだろう」と異論を唱える記事が日経ビジネス(6/18号)に掲載されました。

Alが雇用を奪わない3つの理由

1つ目の理由として、Alが取って代われるのは、ある職業の一部の作業にすぎない。加えて、AIの導入で生産性が上がり、価格が低下することでその職業への需要が一層喚起されることになるといいます。

最終的には、明確な差を持って、機械が人間を超えるかもしれないが、AIが適用できる範囲はまだ当分、限定的なものにとどまるとしています。

2つ目の理由は、人間の仕事が持つ特質。表計算ソフトが登場してもなお会計士が失業しないのは、会計の仕事には数字のつじつまを合わせること以上のものがあるからだと例示しています。

3つ目は、自動化が進むことで需要が拡大することにあるといいます。AIが職を奪うかどうかより、特定の作業においてAIが人間の代わりを果たし得るかを
考える方が適切だと結んでいます。

同じタイミングで週刊東洋経済(6/13号)にも「AI万能論のわなにはまらない」
が掲載されました。

この記事の中で作家の佐藤優さんは、数学的な言語しか使うことのできないコンピュータが人間のコミュニケーションにおける意味を理解できないことと関係しているといいます。

他者の心を理解しなくてはならない仕事は、AI技術が進んでも残る可能性が高いが、現代人がどの程度、コミュニケーションにおける意味を理解する能力、言い換えると読解力を持っているかということだといいます。ここで深刻な問題が出てくるといった趣旨を述べています。

このコメントは、まさにリレーションシップ・マネジメントを主体とするパブリック・リレーション(PR)の重要性を示唆するものといえます。

AIをテーマにグローバルビジネス学会が全国大会開催

長期的な視点からは、AIが雇用にどれほどの影響を与えるかは誰にも分からないといいます。

こうした背景もあって、私が副会長を務める一般社団法人グローバルビジネス学会が来る7月7日(土)8日(日)の両日、早稲田ブルー・オーシャン戦略研究所の共催を得て、早稲田大学・井深記念ホールなどを会場に「AI(人工知能)時代に向けたグローバルビジネスのあり方」をテーマに第4回全国大会を開催します。

両日のプログラムなどの詳細は、学会HP( http://s-gb.net/news/2900/ )を参照いただければと存じます。主要な登壇者として下記の方々が予定され、AIに関して本年最大級の発表の場ともなっています。

稲見昌彦氏
(東京大学大学院 情報工学系研究科 教授)

井上智洋氏
(駒澤大学経済学部 准教授)

落合陽一 氏
(筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科 准教授・同大学学長補佐兼ピクシーダストテクノロジー株式会社 代表取締役)

鯉渕健氏
(トヨタ自動車株式会社 先進技術開発カンパニー 常務理事)

茶谷公之氏
(楽天株式会社 執行役員 AI 推進部 ジェネラルマネジャー)

名和高司氏
(一橋大学大学院 国際戦略研究科 教授)

鈴木晶子氏
(京都大学大学院 教育学研究科 教授)

根来龍之氏
(早稲田大学大学院 経営管理研究科 教授兼IT戦略研究所 所長)

松原仁氏
(はこだて未来大学副理事長、人口知能学会 理事)

<第4回全国大会実施概要>
【開催日】
2018年7月7日(土)・8日(日)

【会場】
早稲田大学キャンパス(井深記念ホール、11号館5階教室 他)

【主催】
一般社団法人グローバルビジネス学会

【共催】
早稲田ブルー・オーシャン戦略研究所

【お問い合せ】
一般社団法人グローバルビジネス学会
東京都新宿区四谷4-28-4 YKBエンサインビル12F
TEL:03-5269-4745
事務局(担当)佐々木 E-Mail:sasaki.satoru@s-gb.net

今回の全国大会について、情報処理学会発行の『情報処理』(7月号)の巻頭コラム文末で簡単に紹介されています。下記リンクからご覧できます。
https://www.ipsj.or.jp/magazine/9faeag000000pfzm-att/IPSJ-MGN590702.pdf

昨日(6/19)、日本代表イレブンはロシアW杯初戦のコロンビア戦に2-1で勝利し、14年ブラジル大会の雪辱を見事に果たしました。おめでとうございます。

<お知らせ>
【きずな絵本シリーズ第1弾『なかなおり』発刊間近かに】
日本パブリックリレーションズ研究所、井之上喬所長が監修するきずな(絆)絵本シリーズ第1弾『なかなおり』(朝日学生出版社刊)が、7月中旬の予定で出版の運びとなりました。
きずな絵本シリーズは、グローバル社会のさまざまな人達とコミュニケーションすることで、きずなを広げ、目標を達成するパブリック・リレーションズ(Public Relations)のエッセンスとスキルをお子さまにもわかりやすく学んでいただくことを目的に企画したものです。

■推薦文

丹羽宇一郎
日本中国友好協会会長、元伊藤忠商事会長

「なかなおり」は希望のことばです。
世界にはさまざまな考え方を持った多くの人々がいます。 意見がぶつかりあったり、誤解による対立を乗り越えるためにもいまこそ「なかなおり」が必要です。

 

■この絵本に関するお問合せは下記へ

日本パブリックリレーションズ研究所
東京都新宿区四谷4-28-4 YKBエンサインビル12階
事務局:野元・宮田  TEL.03-5269-3040

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