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2018.06.01

就活、大企業志向強まり「狭き門」〜中小企業への希望者は求人数のわずか1割

皆さんこんにちは、井之上喬です。

2019年春卒業予定の大学生らの就職活動は、面接などの選考が6月1日に解禁され本格化します。

人手不足を背景にした「売り手市場」が続く中、学生の大企業志向が強まっているようです。

大企業の求人倍率は0.37倍

リクルートワークス研究所によると、従業員5000人以上の企業を目指す19年卒予定の大学生・大学院生は昨年卒と比べ約12%増の13万8800人。ただ、採用枠は約5%増の5万1400人で、就職希望者1人当たりの求人数を示す求人倍率は0.37倍にとどまっているといいます。

逆に従業員300人未満の企業では、希望者数が求人数を大きく下回る状況が続き、19年卒の求人数46万2900人に対し、希望者数はわずか約1割の4万6700人。中小企業が敬遠される背景には「大手と比べ待遇面が劣っているイメージ」などがあるといいます。

一方、今年は売り手市場を理由に就職を楽観している学生が多いようです。「1学年上の先輩と比べ就職戦線が楽になる」と考える19年卒の学生は50.4%(昨年11月時点)と、18年卒に同様に聞いた際の約2倍にのぼるほどだといいます(ディスコの調査)。

明治大学就職キャリア支援センターの担当者は「売り手市場と聞き、『楽に決まりそう』『大手から内定をもらえそう』と考える学生が少なくない。出足の早い学生と遅い学生など二極化も進んでいる」とコメントしています。

19年入社組は「仕事より私生活」

2019年春入社予定の学生向け調査でこんな職業観が明らかになりました(ディスコ調べ5/28発表)。働き方の理想として「仕事よりも私生活優先」に「近い」「やや近い」と回答した割合は78%と3年連続で上昇し、仕事より私生活を優先させたいと思う学生は年々増えているようです。

就職後のキャリアプランとして、「転職も考えたい」という考え方に「近い」「やや近い」と回答したのは前年調査より4.7ポイント増の31.0%に達したといいます。「その理由として入社後、想像していた仕事とのギャップや違和感から早々に転職する新入社員もいて、転職への抵抗感は薄れている」といったことが挙げられているとのこと。

一方、就職後のイメージを聞くと「やりたい仕事がある」に「近い」「やや近い」と回答したのは64.6%、「なりたい社会人像がある」は45.9%。「社会人生活に不安より期待」は45.6%と、売り手市場を受けて全体として前向きな学生が多い結果となったようです。

このディスコによる調査は17年12月から18年3月に、19年春卒業見込みの大学4年生と大学院2年生を対象にネットで実施。職業観は5671人から、職業観の一部と将来のライフプランは2426人から有効回答を得たといいます。この調査に関する詳細は下記を参照ください。

http://www.disc.co.jp/uploads/2018/05/Lifestyle_report_201805.pdf

野村総合研究所によれば、10〜20年後、国内労働人口の49%に当たる職業が人工知能(AI)やロボットで代替される可能性が高いと試算されているといいます。

就活においては企業規模の大小だけでなく、まず自身の職業観を明確にし、また将来、ロボットには代替えできないような職業の選択を考えておく必要もあるのではないかと思います。

また学生時代は、自分の適性、やりたいことは何なのか、最終的にどのような人生を送りたいのか、自らに向き合って目標を探索し、設定することも大切だと思うのです。設定された目標が合わなくなった際には熟慮し修正を加えることで自分に合った、より豊かな人生を送ることができるようになるはずです。

一大変革が進行し、20世紀型とはまったく異なる新しい社会・ビジネス環境、すなわち「ハイパー化するグローバリゼーション」の中でリレーションシップ・マネジメント(関係性の構築)をコアとするパブリック・リレーションズ(PR)の役割は、ますます重要さを増しています。

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