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2016.10.06

井之上ブログ600号記念超高齢社会のソリューションとなる「IWAOモデル」〜課題解決先進国としての取組みを

皆さんこんにちは井之上 喬です。

日本社会にパブリック・リレーションズ(PR)を根付かせたいとの一念で、2005年4月にスタートしたこのブログも読者の皆さまの熱意に後押しされて今回、600号を迎えることができました。

週一度のペースで発行してきた井之上ブログ。いつもご愛読いただき誠にありがとうございます。これからも平和で希望ある社会づくりを目指すパブリック・リレーションズの一環として、引き続きブログの発行に注力して参ります。これからもご支援くださいますようお願いいたします。

これまでのマイルストーンとなる記念号では、どのようなことについて記してきたか、そのテーマを紹介しますと、次のようになります。

100回記念(2007年2月17日)ではパブリック・リレーションズ(PR)の先進国、米国で1952年に発刊され、半世紀以上を経た今日も世界中で愛読されて第10版を重ねる『Effective Public Relations』の紹介。

200回記念(2009年1月17日)では日本文化とパブリック・リレーションズの接点として「絆(きずな)」の紹介。

300号記念(2011年1月24日)では、政府や国民、政治家と有権者とのリレーションシップ構築の象徴ともいうべき「マニフェスト」について。

400号記念(2012年10月1日)では、このブログがスタートしてからの7年半の間に起きたさまざまなことに触れました。内外の経済、政治の移り変わり、そして東日本大震災福島原発事故

500号記念(2014年10月16日)として今私が日本の将来にとって最も重要と考える教育、それも「幼児教育」をテーマに採り上げました。

さて日本は、後期高齢者の爆発的な増加に伴い世界でも類のないほどの高齢化社会を迎えようとしています。今回の600号記念ブログでは、こうした背景を踏まえ、進行する超高齢社会のソリューションとなる「IWAOモデル」を紹介します。

岩尾教授との出会い

「IWAOモデル」を推進する方は医師で藤田保健衛生大学教授、名古屋大学院特任教授の岩尾聡士教授です。

岩尾教授とは昨年8月、名古屋市主催の「地方創生に係る意見交換会」にそれぞれ講師で呼ばれた際にお目にかかったのが最初でした。

その時、これまで知ることのなかった、医療と介護を取り巻く様々な問題が危機的な状況にあることを知り愕然となりました。

以来、グローバルビジネス学会のセミナーや研究発表会でIWAOモデルの紹介や研究成果を発表いただいたり、危機感が募る医療・介護分野において、如何にIWAOモデルを広く日本に普及すればいいのか話し合ったものです。

岩尾さんのもう一つの顔はボクサー。28歳からボクシングを始め、国体や全日本社会人選手権(3位)などに出場し、バルセロナ・オリンピックを目指したほどの実力者。

医療と介護問題を抜本的に改革するには思い切った規制緩和と強力な推進力が必要となりますが、岩尾さんのボクシングで培われたバイタリティで日本が抱える未曾有の難局を乗り越えられるものと確信しています。

元外科医である夫人の岩尾康子さんは、医療法人陽明会理事長をつとめ、実践現場を支えています。現在では600程度の患者を有する陽明会はIWAOモデルの実行機関として車の両輪役を果たし、モデルの普及にも努めています。

「IWAOモデル」とは?

団塊世代が後期高齢者(原則75歳以上)となる「2025年問題」が現実味を帯びる中で、看護師、介護士不足や破綻状況にある高齢者医療制度などの要因もあり、病院、介護施設での高齢者ケアは限界をきたしています。

今後、都市部を中心に2025年には全国で43万人もの要介護高齢者が病院を追われ、介護施設へも入居できない医療難民や介護難民が急増するといった最悪な事態が予測されています(2015年6月:日本創成会議調べ)。

こうした最悪な事態を回避するため、地域社会と産・官・学・医が連携を深め医療と介護、人材教育を統合し、「街全体で高齢者をケアする」仕組みづくりとなるのが「IWAOモデル」です。

先日(9/20)、「IWAOモデル」を日本社会へ紹介することを目的に、同モデルの推進をサポートするアイカ工業(東証・名証1部)と共同で記者懇談会を日本外国特派員協会(FCCJ)で催しました(写真)。

この記者懇談会において岩尾教授は、「日本は世界に類を見ない超高齢社会を迎えようとしている。こうした中で、医療・介護の効率化と質的向上を目的に地域レベルで介護と医療をシームレスに統合する『IWAOモデル』は、有効なソリューションとなる」と述べていました。

以前、私のブログ「ジャパン・モデル」(2011年6月6日)で、「世界が抱える課題に対して日本は、課題解決先進国としてそのソリューションを提供しうる多くの経験を重ねてきている」とし、「このことが、筆者が考えるジャパン・モデル構築のベースとなっている」ことを記しました。

日本がこれまで経済、政治、社会分野で経験した、あるいは今後経験するさまざまな出来事は、他の国々が好むと好まざるとにかかわらず、これから経験するであろう事象ともなります。

同ブログで高齢化問題を採りあげ、「日本の人口は現在1億2千7百万人で現在全人口に対し65歳以上の人口比率は23%(世界平均は7.6%)を超え、2020年には29.2%(同9.3%)になると予測される。日本ほど急速な高齢化社会を迎えている国は世界にない。」と書きました。

この600回目の記念号を執筆するなかで、今後「IWAOモデル」をジャパン・モデルのキーファクターの一つとしてパブリック・リレーションズ(PR)により、広く世界に提示していくことは、PR専門家である私の責務でもあると改めて考える機会となりました。

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