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2015.08.06

メディア報道を通じて知る現実〜デジタル化で加速するメディアの変貌

皆さんこんにちは井之上 喬です。

8月6日は70年前、広島に原子爆弾が投下された日です。原爆によって死亡した人の数は、約14万人と推計されています。9日は長崎原爆投下の日です。二度とこのような悲劇が起こらないことを願いながら黙とうをささげたいと思います。

広島、長崎に原爆が投下されたのはいつ?

8月3日、被爆70年に合わせてNHKが行った世論調査の結果が発表になりました。

それによると、広島と長崎に原爆が投下された日付について聞いたところ、正しく答えられなかった人がそれぞれ全国で何と70%程度に上っていると、個人的には驚くべき数字が出ていました。

多くのメディアがこのニュースを取り上げていましたが、NHKは今年6月下旬に、広島市と長崎市、それに全国の20歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける方法で調査を実施。それぞれ1000人余りから回答を得たとのことです。

まず、広島に原爆が投下された日付について聞いたところ、「昭和20年8月6日」と正しく答えられた人は、広島で69%、長崎で50%、全国で30%だったとのこと。

また、長崎については「昭和20年8月9日」と正しく答えられた人は、広島で54%、長崎で59%、全国で26%だそうです。人類史上初の核兵器が広島、長崎で使用された事実が風化していくことに悲しみさえ覚えます。

あなたはこの現実をどう捉えますか?70年という年月が経過しましたが、あの悲劇は決して忘れ去ることのできないこと。次の世代にもしっかり伝えていく思い義務が私たちにはあると思うのです。

このような現実を認識させてくれるのはまさしくメディア報道に接したからに他なりません。

米国ではニュースの担い手が変わっている現実

8月2日付の朝日新聞グローブは、私にとってちょっと気になる特集記事が掲載されていました。「米ニュースバトル 勝者はどこに?」との見出しで、記事の導入部分では以下のように触れています。

「世界のメディアの動きを先取りする米国で、ニュースをめぐるバトルが起きている。インターネット発の新たなメディアが、動画やソーシャルメディアを使った情報発信で億単位の利用者を獲得し、取材の現場でもテレビや新聞を脅かしている。ニュースの担い手は変わっていくのか。」

記事では、米国ホワイトハウスの記者会見室にVox、BuzzFeedなどの新興のオンラインメディアがトラディショナルなテレビ、通信社、新聞社に加え記者を送り込んでいること。

また広告市場でも、ネット広告が急成長していること、ピュリツァー賞でもデジタル系メディアが躍進していること、新興メディアに追い詰められ変貌を余儀なくされる既存メディアの動向などをワシントン・ポスト社長、ハフィントンポストCEOなどのインタビューを交え紹介しています。

記事中の解説部分の「ニュースメディア関連のキーワード」には、キュレーションメディア、ページビュー(PV)、ミレニアル、ユニークビジター(UV)、アプリ、ソーシャルメディアなど日本でもよく目にするようになったキーワードがいくつか紹介されており、改めて米国でのメディアの大きな変貌の一端を垣間見ることが出来ました。

キーワードはデジタル化です。日本でも7月に日本経済新聞が英国フィナンシャル・タイムズ・グループの買収を発表しましたが、活字離れとデジタル化、そしてグローバル化の進展が大きなきっかけになったことは想像に難くありません。

パブリック・リレーションズ(PR)にとって、ある情報をメディアを通し多くの読者、視聴者に伝えることの重要さは普遍的ですが、最近その流れが大きく変化したと感じることがあります。

フェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアの存在が日本でも急拡大し普及していることです。

情報の流れがこれまでとは異なってきています。
細述すると、ファーストフード・チェーン、飲食チェーンでの異物混入問題などがメディアで大きく取り上げられたのは記憶に新しいところですが、まずソーシャルメディアに情報がアップされそれが拡散し社会問題化し、それを受けて新聞やテレビが取り上げて追及するという情報の流れの変化です。

つまり情報の担い手が大きく変化し、新聞の宅配制度や全国ネットのテレビ網などが存在する日本では、情報への信頼性とともに均一化、画一化が特徴であったわけですが、デジタル化、グローバル化の中で日本がこれまでに経験したことのない転換点を迎えているのは確かです。

グローバル規模でのデジタル化の流れのなか、PRに携わる1人の人間として、科学の利器に押しつぶされることなく、SNSを上手に扱いより付加価値の高いビジネス創出に向け挑戦していきたいと感じるこの頃です。

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