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2014.03.20

日本の超高層ビルの変遷〜大阪「あべのハルカス」が高さ日本一へ

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

今年の桜(ソメイヨシノ)の開花は、東京では3月末と予想されています。春の足音が日々高まるようですね。

今月7日、高さ300メートルで日本一となる超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)が全面開業しました。この大阪の新たなランドマークは、近畿日本鉄道が総額1300億円を投じて建設したもので百貨店やホテル、美術館、展望台、オフィスなどさまざまな機能が詰まった複合ビル。

最上階60階の高さは地上288メートル。1周175メートルの回廊は一面ガラス張りで、壁伝いに歩けば「空中散歩」が味わえるとのこと。天候に恵まれると、大阪城はもとより六甲山や生駒山、明石海峡大橋などまで一望できるといいます。

2012年から京都大学経営管理大学院で「パブリック・リレーションズ論」を講義しており、関西方面へ訪問する機会も増えており、「あべのハルカス」開業は私にとって身近に感じる話題でもあります。折をみて「空中散歩」を楽しみたいものだと思っています。

「あべのハルカス」の初年度の来場者数は全館で約4740万人を見込んでいます。開業1週間の来場者数は1日平均15万人ペースと好調で目標を約2万人上回り、初年度目標は達成できるとみているようです。

都内で屈指の人気スポットとなっている六本木ヒルズの2012 年度における来街者数は約4,100 万人(平日10 万人、休日13 万人)と公表されています。オープンから10周年を迎えた2013年度も前年度と同等の来街者数であったようです。

「あべのハルカス」が初年度目標として掲げた来場者数約4740万人を達成することになれば、高さだけでなく、人気の点でも日本一の2冠を手中にすることになります。

今回は、横浜ランドマークタワー完成から約20年ぶりとなる高さ日本一を更新した「あべのハルカス」の全面開業を記念して、1960年台から現在に至る高さ日本一ビルの変遷を紹介します。

東京オリンピックに合わせ開業した日本初の超高層ホテル

ご存知だったでしょうか?日本初の超高層ビルは、東京オリンピック開催に合わせて1964年に東京(千代田区)にオープンしたホテルニューオータニ (17階・高さ73m )。それまでの28年間、日本で最も高い建造物だった国会議事堂(中央塔65m)を抜いて 日本一となりました。

超高層の夜明けはこのビルからはじまったといわれるのが68年に完成した「霞が関ビル」(東京都港区:36階・163m)。翌年5月には、映画『超高層のあけぼの』が公開されました。監督は関川秀雄さんで池部良さんや木村功さん、そして新珠三千代さんら今は故人となられた当時の人気スター多数が出演しています。私もこの映画のことは憶えています。

70年に世界貿易センタービル(東京都港区:40階・179m)が日本一となったあたりから超高層ビルの建設が本格化し、高さ日本一も頻繁に更新されるようになります。

71年の京王プラザホテル(東京都新宿区:47階・210m)、74年新宿住友ビル(東京都新宿区:52階・225m)、同年新宿三井ビル(東京都新宿区:55階・240m)、78年サンシャイン60(東京都豊島区:60階・43m)、1991年東京都庁第一本庁舎(東京都新宿区:48階・296m)と続きます。

93年には、「みなとみらい21」のシンボル的存在となった横浜ランドマークタワー(神奈川県横浜市西区:70階・296m)が完成し、20年にわたって日本一の座を守り続けましたが、今年3月、僅か4mの差で惜しくも日本一の座を「あべのハルカス」に明け渡すことになりました。

日本一は世界166番

世界の超高層ビルのベスト5を紹介すると次のようになります。第1位はサウジアラビアのジェッダに2019年完成予定のキングダムタワーで167階、高さは1007mにもなります。

第2位はブルジュハリファ(アラブ首長国連邦のドバイ:163階・828m)で既に2011年に完成しています。

第3位は2016年完成予定の平安金融センター(中国の深セン:115階・660m)、第4位は2017の完成予定の武漢グリーンセンター(中国の 武漢:125階・636m)、そして第5位は2012年に完成した上海タワー(中国の上海 :128階・632m)となります。

新たに日本一となった「あべのハルカス」は、世界ランクでは166位で、「横浜ランドマークタワー」は193位。それでも1931年に完成した米国ニューヨークのエンパイア?ステート?ビルディング(102階・381m)は、いまだに50位と健闘しています。

超高層ビルとは異なりますが、エジプト第4王朝のファラオ、クフ王の墳墓として紀元前2540年頃に建造されたと考えられている大ピラミッドは、完成時の高さ146.6mあり、14世紀以降にヨーロッパの教会建築がその高さを超えるまで世界で最も高い建造物であったといいます。

大ピラミッドと同じ程度の高さをもつ大阪の「なんばパークスタワー」(2011年完成/28階・150m)が世界ランク3601位であり、これから類推すると大ピラミッドは世界ランク3600番台となるのでしょうか。

世界の都市のいたるところに高層ビルが立ち並ぶ中で、4500年以上も前の建造物が、それも3600番台にランクされるというのは凄いことだとは思いませんか。

バベルの塔は、旧約聖書の「創世記」に登場する巨大な塔として知られています。有力な説では、バベルの塔は7階建て、高さは90mで最上階には神殿があったといわれています。

また、完成した階数は地上298階・地下5階、高さは1250メートルもあったなどさまざまな説があるようです。

古くはエジプト王朝の頃から今日に至るまで、高層建造物の変遷の中に改めて人類の限りないロマンを感じます。日本のような地震国では建築の高さに限界があるかと思いますが、世界ではどこまで高層化していくのか楽しみなことです。

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