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2013.08.29

日本の最高気温も最低気温も「41度」〜CO2問題解決は待ったなし

こんにちは、井之上 喬です。

8月も最終週となりましたが、まだまだ猛暑が続くようです。今回のブログでは、この夏の記録的な猛暑についてお話します。

今年8月には暑さの記録が次々に塗り替えられました。特に夏の甲子園が開幕した8日以降、その傾向が顕著になったようです。

高知の四万十市で8月12日午後1時42分に日本最高の41.0度を記録しました。2007年8月に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で記録した40.9度を6年ぶりに更新。

この四万十市の新記録によって、日本は最高気温も最低気温も数字は「ジャスト41度」になったとのこと。ちなみに最低気温の氷点下41度は、1902年1月25日に旭川で観測。

猛暑日の地点数も新記録

この夏に従来の最高気温を更新したのが観測史上5位にランクされた甲府(40.7度)と8位の勝沼(40.5度)でした。

また、最高気温の新記録が出ただけでなく、この夏は「暑い地点が多い」というのも特徴だそうです。観測点927の中で気温35度以上の猛暑日を数えると、8月7日から20日まで1日も途切れることのない地点が100を超えたとのこと。

これまでで最も暑い8月となっている2010年でさえ、猛暑日が100地点を超えて続いたのは9日間が最長。このデータと比較しても、今年の8月がいかに暑かったか実感できます。

この猛暑は太平洋高気圧が居座り、上から覆いかぶさるようにチベット高気圧が張り出して背丈1万メートルにも及ぶ「2階建て」構造に加え、上空の偏西風の蛇行などの影響で内部を吹き降りる空気の流れが強められ、地表付近で圧縮・加熱されて気温を押し上げることが原因とされています。

気象庁は先週、9?11月の3カ月予報を発表。それによると9月の平均気温は、北日本(北海道、東北)と東日本(関東甲信、北陸、東海)で平年より高く、西日本(近畿、中四国、九州)と沖縄・奄美でも高くなる傾向にあるとしています。

今夏は「4年連続暑い夏」といわれていますが、過去3年は秋のお彼岸ごろにパタッと真夏日(日中の最高気温が30℃以上の日)の地点が減っているそうです。

「暑さ寒さも彼岸まで」。今年は9月23日が秋分の日(お彼岸の中日)ですから、もうしばらくは、残暑とお付き合い…ということになればいいのですが。

待ったなしのCO2対策

8月19日の中国新聞社説では「止まらぬ猛暑 一歩先を見据え対策を」という見出しで次のような記事を載せています。

「日本の夏は亜熱帯化しつつあると指摘されている。(中略)東京都や大阪市など日本の大都市の平均気温はこの100年で2?3度上がったとされる。」とし、同時期の地球全体の上昇温度0.7度と比較し、その急ピッチぶりが尋常ではないことを指摘。

また、「環境に多大な負荷をかけてきたのは、快適で豊かな生活を求める私たち自身にほかならない。」とし、官民挙げて技術と知恵を絞ることの必要性を訴えています。

さまざまな産業で消費する石化エネルギー。航空機や、車、冷暖房など利便性をひたすら追い求めてきた人類が、事の重大性を認識しながらも、CO2対策を先延ばしてきたことは否むべくもありません。

猛暑問題だけではなく、この1週間をみても、全国的な広がりを見せる集中豪雨。温暖化による異常気象は日本だけでなく世界中を覆い、人類には問題解決のための英知の結集が喫緊の課題として求められています。

こうした中で繰り返される福島第一原発事故処理の不手際。原発からの汚染水漏れはその処方すら定まらず、地震大国日本が直面する放射能廃棄物の半永久的な保管問題なども考えると、人類、とりわけ日本にとって、制御不能なエネルギーであることは疑う余地はありません。

「生物体は恒常性維持のために、外部環境の変化に自らを調整・適応しなければならない」とするW・キャノンの言葉がいまこそ心に沁みこんできます。

また経済大国の日本にとってエネルギー問題はクリティカルです。いま国家が総力をあげて取り組むべきテーマは、将来の水素社会を見据えたCO2ゼロの再生エネルギーへの真剣な取り組みではないでしょうか。できることは何でも実行し、地産地消型のエネルギー確保を国を挙げて行うことだと思うのです。

このようにCO2問題は日本だけの問題でなく地球的規模で取り組むべきクライシス・コミュニケーションに属するテーマだと思います。危機状況が拡大する中で、私たちパブリック・リレーションズ(PR)の実務家に寄せられる期待と課せられた責任には大きなものがあります。

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