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2013.04.15

国内の宿泊旅行費用が過去5年で最高に〜外国旅行の支出では中国が世界一

皆さんこんにちは井之上 喬です。

30年前(1983年)の4月15日に、東京ディズニーランドは千葉県浦安市に開園しました。以来、延べ入園者は5億6,700万人を超え、その人気とともに日本を代表するレジャー施設としての地位を築いてきました。
このブログ読者の中にも今度のゴールデンウィーク(GW)に東京ディズニーランドへ出かける予定の方もいらっしゃるかと思います。今回はGWを前に、「旅行」をテーマに採り上げました。

日本交通公社は毎年、国内の観光旅行が好きで旅行頻度も高く、情報に詳しいオピニオンリーダー的な対象からサンプル抽出を行い、旅行意向を調査しています。

コミュニケーション重視の旅行形態へ

2013年の旅行意向が日経MJ(4/3)の紙面で紹介されました。その調査(サンプル:1,104名)によると、旅行は「増える」と回答した人は40.4%で、東日本大震災からの回復の見られた昨年の調査結果(35.9%)に比べて5%近く増加。

宿泊観光旅行の1回当たりの費用についても、32.0%が増えると回答しており、昨年の26.6%から増加し、過去5年間で最も高い水準となっています。

今後の旅行で重視したい点についての上位3項目は「気分転換・リフレッシュ」(84.1%)、「おいしいものを食べること」(81.4%)、「休養、リラックスすること」(76.1%)の順となりました。

また、昨年と比べ「同行者と一緒に楽しむこと」、「趣味の活動を楽しむこと」「旅行先の人々とのふれあい」などのポイントが上がり、コミュニケーションを楽しむ旅行が重視される傾向にあるようです。

こうしたコミュニケーション重視の旅行形態が増加する中で、オピニオンリーダー層での交流サイト(SNS)の役割が大きくなってきているようです。彼らの約3分の2が何らかのSNSを日常的に利用していて、このうち51.0%が旅行に出るきっかけになったと回答しています。

SNSのうち最も利用の高かったのはフェイスブックで、次いでミクシイ。同じ趣味のユーザが集まるコミュニティ機能が、旅行を決めるきっかけに影響を与えているようです。

国外旅行の支出ランキングでは中国が世界一

国内から海外旅行市場に目を向けてみましょう。
国連世界観光機関(UNWTO、本部マドリード)は4月4日、中国人(香港を除く)観光客による海外旅行先での昨年の支出額がドイツ、米国を抜いて世界一になったと発表しています。

中国の年間支出額は、史上最高額の1,020億ドル(約9兆8000億円)となり、前年比41%の大幅増。中国人観光客は2000年の時点で1,000万人だったのが、昨年は8,300万人まで増え、世界市場の10%を占める勢いです。2位のドイツは838億ドル(約8兆円)でした。日本は281億ドル(約2兆7,000億円)で、8位という結果でした。

UNWTOは中国の急伸について、「国外旅行の規制緩和と、可処分所得の伸び」が要因とコメントしています。

中国人の海外旅行の主な目的地をみると、香港・台湾を除くと東南アジア、日本、韓国の順となっています。しかし最近は、尖閣諸島をめぐる日中政府の対立の影響もあって日本よりも韓国を選択する中国人観光客が増加しているようです。

韓国観光公社は、「航空便により入国する外国人を基準とした場合、今年1?2月に訪韓した中国人は前年同期比約41%増の延べ37万5100人に達した。入国者全体に占める中国人の比率は、昨年2月の18.8%から今年2月の29.5%に上昇した」と発表しています。

現在、日本では訪日外国人旅行者数を将来的に3,000万人とすることを目標とした「訪日外国人3000万人プログラム」の実現に向け、観光庁が中心になった海外プロモーションが展開されています。

観光庁は、2016年までに1,800万人、2020年までに2,500万人とする中間的な目標達成を目指しているようです。対象国は中国をはじめとする東アジア諸国(中国、韓国、台湾、香港)及び米国を当面最重点市場(5大市場)と位置づけているようですが、私は、これらに加え、対日感情もよく急成長するタイ、ベトナム、インドネシアなどのASEAN諸国が有望であると考えています。

海外プロモーションを効果的に実現させていくためには、パブリックリレーションズ(PR)の役割が、ますます重要となってきています。

一方、旅行とは無関係に見えますが、前記の「2013年の旅行意向」を紹介した日経MJ(4/3)の同じ紙面でオリックス銀行が全国の20?60代の既婚男女各250人を対象とした「へそくりの実態調査」結果が掲載されていました。

この調査によると44.6%が配偶者に内緒のお金があると回答しています。男女別では男性が45.6%、女性は43.6%とほぼ同数で、へそくり額の平均は男性が135万円、女性は141万円でした。

へそくりの使い道について、男性は「家族でのレジャー・旅行のため」が39.5%で1番(複数回答)。女性は「子供のため」(39.4%)が1番で、「家族でのレジャー・旅行のため」(30.3%)は2番目にランク。

へそくりを持たない私にとって、予想以上の額が既婚男女のへそくりになっている事実だけでなく、それが旅行やレジャーの財源に活用されていることを知って、新鮮な驚きを感じました。

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