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2013.04.08

成長を持続する企業の人材戦略とは〜女性の登用がますます重要に

皆さんこんにちは井之上 喬です。
新年度がスタート、ビジネス街では研修に向かうのでしょうか、新入社員らしき集団を目にすることが多い1週間でした。

ニュースでは企業の入社式や式典でのトップの新入社員へのメッセージが紹介されていますが、今年の特徴としてはアベノミクスによる景気回復期待が高まる一方で、国際競争力を高めるためにグローバルで活躍できる人材に育ってほしい、と世界的な視野を意識した訓示が多かったようです。

いくつか拾ってみますと楽天の三木谷社長は、社内公用語化した英語で「積極的に学び、会社をさらに強くしてほしい」と呼びかけたほか、日立製作所の中西社長は「グローバル市場に挑戦する決意で、あらゆる機会で自分のスキルに磨きを」、スズキの鈴木会長兼社長は「国際的に通用する人間になるため、何か一つ外国語を覚えよう」、住友化学の十倉社長は「異なる考え方や文化を持つ人々と理解しあう姿勢を持ち続け交流を深めてほしい」など、グローバル人材が変化の時代に必要となることへの企業トップの意識の表れが読み取れました。

人材育成とともに企業トップにとって、いかにして働きやすい会社にするか、信頼される会社になるかは大きな経営課題になっています。これらに関連した最近のデータを見てみましょう。

ここでは週刊東洋経済3月30日号の「CSR企業ランキング」と日経WOMAN 5月号の「女性が活躍する会社 Best 100」をご紹介します。

人材活用ではトップはソニー、東芝、3位富士通

週刊東洋経済の「CSR(企業の社会的責任)企業ランキング」は、上場1073社、未上場55社を対象にCSR分野の人材活用、環境、企業統治、社会性、財務の総合ポイントで評価しています。

ランキングのトップはトヨタ自動車で2年ぶり2回目の首位を獲得しました。2位にはなんと0.1ポイントの僅差で前年トップの富士フイルムホールディングス、3位には前年の9位からランクアップのNTTドコモ。
4位にソニー(前年3位)、5位に日産自動車(同29位)、6位富士通(同4位)、7位東芝(同12位)、8位デンソー(同6位)、9位NEC(同21位)、10位富士ゼロックス(同7位)と続いています。

トップのトヨタは環境分野で高いポイントを得ており、工場での風力・太陽光発電システムの導入などが評価されたようですが、プリウスやアクアなどの環境に配慮したハイブリッドカーの販売も好調で、本業を通じてのCSR活動展開で成功している良い例ですね。

一方、このランキングのCSR分野の中で人材活用を取り上げてみると、トップがソニーと東芝で100ポイント、3位が富士通、東レ、第一生命保険が97.3ポイントで並んでいます。

人材活用分野の評価項目には、女性社員比率、外国人管理職人数、女性管理職比率、女性役員の有無、ダイバーシティ推進の基本理念などが含まれています。

総合トップのトヨタも、人材活用分野で前年の24位から18位にランクアップしていますが記者は「女性登用では後れを取る。女性管理職0.8%、女性部長職0.4%と低い水準。世界有数のグローバル企業としては、今後の大きな課題だろう」と苦言を呈しています。

ただ女性登用で日本の抱える問題は、女性の社会での活躍を支える保育所など子育て環境が整備されていないことも要因のひとつではないかと考えます。

女性活躍度第4位のノバルティス新社長は女性

日経WOMANの「女性が活躍する会社 Best 100」は、東証(1部・2部)、大証、名証の上場企業と従業員数100名以上の新興市場上場企業、外資系を含めた有力未上場企業4329社を対象に調査を行い489社からの回答結果を集計しています。

評価指標は管理職登用度、ワークライフバランス度、女性活用度、男女均等度となっており、ランキングは第1位が3年連続で日本IBM、2位が資生堂、3位が第一生命保険、4位がノバルティスファーマ、5位が住友生命保険と続き、金融関係が10位以内に6社登場しています。

また、全回答企業の女性管理職比率はこれまでの6.9%から8.4%に高まっており、企業経営の中で女性の登用が重要であるとの認識が高まっていることの表れだと思います。

特にトップの日本IBMは、理事を含む女性役員数は29名に達していますが、さらに女性活用を推進する目的で全員が営業職の女性で構成する「ジャパン・ウィメンズ・カウンシル」を設置するなどのユニークな取り組みも評価されています。

ここで注目されるのは4位にランクされたノバルティスファーマ。同社は、4月1日付けで日本でのグループ持ち株会社であるノバルティスホールディングジャパン株式会社の代表取締役社長に石川 裕子(いしかわ ひろこ)さんが就任しました。

恐らく大手製薬会社では初めての女性社長誕生ではないでしょうか。

石川さんは1997年のノバルティス ファーマの設立時に取締役人事・広報本部長に就任、2005年からは同社の常務取締役人事・コミュニケーション本部長を務めていました。

ノバルティスホールディングジャパンの社長就任後もノバルティス ファーマの取締役副社長 人事およびコミュニケーションの担当役員を兼任するようです。

ノバルティス本社の経営方針は積極的にダイバーシティを進め、女性だけでなく、さまざまな国籍の従業員の登用を全世界で行っているようです。日本法人はまだその途上にあると言われていますが、世界第二の製薬市場である日本での女性社長誕生はその努力の結果といえます。

石川さんには早稲田大学や京都大学での私の講義でもたびたび特別講師としてお話しをいただいていますが、若い頃世界最大のPR会社であるバーソン・マーステラでのキャリアを持ち、その講演内容や人を引き付ける人柄に毎回受講生は感銘を受けています。

パブリックリレーションズ(PR)はグローバルビジネスのインフラストラクチャー。
これからはPR感覚を持った新しい時代の経営者が増えていくことを楽しみにしています。

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