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2026.01.17

「パブリックリレーションズを通し、平和で希望のある社会づくりをめざします」
〜混迷の時代に不可欠なさまざまな階層でのメディアリテラシー

皆さん、井之上喬です。新しい年を迎え半月が過ぎましたが、2026年が始まりました。本年もよろしくお願い申し上げます。

2026年の干支は、丙午(ひのえうま)です。丙も午も火の要素を持ち、それが重なるためいつもに増して情熱的で活力に満ちた一年となると解釈されますが、エネルギーを持て余す暴れ馬のように予測・制御がつかず、混沌としたものになるとの予感もあります。
前回の丙午の60年前は、「いざなぎ景気」が始まった時期でした。日本は戦後最長の好景気に入り、当時の実質経済成長率はなんと10%を超えていましたね。

果たして今回の丙午はどのような展開の一年になるのでしょうか。

そんな思いを巡らしていた新年早々の1月3日、米国トランプ政権がベネズエラの首都カラカスを奇襲し、大統領を拘束したとのニュースが飛び込んできました。トランプ氏はさらに、グリーンランド領有にも強い意志を示すなど、安らぎの茶の間は、物騒な話題にかき回されました。

ウクライナ戦争も、和平交渉がまとまらず長期化しています。せめてもの朗報は、ガザの紛争解決のために茂木外相がイスラエル・パレスチナを訪問し、日本政府が仲裁外交を始めたことです。

対立と分断が世界規模で進むなか、平和の武器であるパブリックリレーションズ(PR)の真価が問われています。

 

加速する新聞離れ

2025年末に、気になる調査発表がありました。

2025年10月時点の日本新聞協会の調査では、加盟日刊紙の総発行部数は2486万8122部で、前年比マイナス6.6%、174万8456部減と減少傾向が続いています。発行形態別でみると、朝刊単独が2,114万5,804部(前年比5.2%減)、朝夕刊セットは337万5,969部(同13.8%減)、夕刊単独は34万6,349部(同14.0%減)となっています。

この数字はなんと、ピーク時の2000年ごろの約5370万部の半分以下になります。1世帯あたりの部数は0.42部で、言い換えると約2.4世帯に1部となっています。 

紙離れが言われて久しく、新聞衰退の原因も様々に分析・議論されていますが、何といってもデジタル化の進展やそれにともなうメディアの多様化が急速に進展したこと、さらに若者を中心に新聞離れが著しく、減少ペースを加速させていることが大きいでしょう。

一方、新聞と並ぶ伝統的なメディアの代表であるテレビについても、若年層を中心に視聴時間と情報摂取に占める割合が減少し、いわゆる「テレビ離れ」が進行しているのは皆さんご存じの通りですね。

この背景にはスマートフォンやインターネット動画の普及によるメディア選択肢の増加、ライフスタイルの変化があります。その結果、テレビ局の広告収入は減少し、高視聴率番組も少なくなった結果、独自性のある挑戦的な企画も影を潜めました。どこにチャンネルを合わせても同じタレント、映像が現れ、これがさらにテレビ離れを加速して業界全体の規模が縮小しているのではと肌で感じます。

このように、伝統的メディアの代表格である新聞の発行部数減、テレビ離れは残念ながら止まりません。
しかし新聞に関しては、日本は世界の中で依然として発行部数が多い国です。真偽の識別が難しいAI時代にこそ、情報の事実確認に重きを置く新聞は、テレビとともに市民の信頼度を維持していくものと考えます。

 

パブリックリレーションズそのものでもあるメディアリテラシー

デジタル化の進展により、SNSが普及して誰でも情報発信が手軽に出来るようになりました。さらにAIが急速に進化し私たちの日常生活に入り込んでいます。AIは大変便利ですが、悪用すればフェイクニュースの生成や拡散も簡単に行え、巧妙な偽情報が氾濫して情報の真偽を見極めるのが難しい時代に突入しました。

このような厳しい環境の中で何が必要でしょうか。それは、情報を吟味し、真偽を見極める「メディアリテラシー」だと考えています。情報は何を元にしているのか、元のデータは正しく集められ検証は可能か、結論は論理的で筋が通っているか、自分はそれに対しどう考え、どう変わるのか。それぞれ難しく、一朝一夕でできるものではありません。

それでも、企業や組織体など情報の発信者、その情報の仲介役である私たちパブリックリレーションズ(PR)に関わる立場、情報発信の担い手である報道関係者、そして情報の受け手である私たち一般市民が、それぞれの立場で「メディアリテラシー」を持つことが求められていると思います。

学校教育の現場で小さな子供に、これまでなかった「疑いの目で記事を読む」ことを教えることに抵抗を感じる人もいるでしょう。ですが、メディアリテラシーが目指すのは「健全な批判精神」です。自分で考え、問いかけながら確かめ、自他ともに変わるという、社会の一員としての必須の要素が教育現場で求められています。これは、下に述べる、パブリックリレーションズ(PR)の実践にほかなりません。

井之上パブリックリレーションズは1970年の創立以来、企業理念である「『倫理観』をベースにした『双方向性コミュニケーション』と『自己修正機能』を基盤にして、さまざまなステークホルダーとの良好な関係構築活動を通じ、さまざまな社会課題の解決を目指すパブリックリレーションズ(PR)コンサルテーション」を、国内外の企業や各種団体とともにグローバルに実践しています。

そのパブリックリレーションズ活動の中で、中核的な強み(コアコンピタンス)と言えるのが、利害をはじめ多様な関わりがあるステークホルダー(ターゲット)に到達するコミュニケーション・チャネルとしての機能を持つメディアリレーションズです。

よりよい社会を目指すために、健全に成長し続けるメディアの存在は不可欠です。
会社を創業して55年が経ちましたが、メディアを取り巻く環境が今ほど厳しいと感じる時はありません。このような混迷の時代にあって、健全な情報流通のサプライチェーンを維持、発展していくためにパブリックリレーションズが果たす役割は大きいと感じています。

井之上パブリックリレーションズのミッションである、「パブリックリレーションズを通し、平和で希望のある社会づくりをめざします」の実現に向けて、気を引き締めて今年も諸活動に邁進したいと思います。

皆さんにとって2026年が素晴らしい1年になりますように。

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