トレンド

2025.06.23

出生数が70万人を切った!予想を上回る少子化の加速は国家存亡の危機
〜パブリックリレーションズ(PR)で日本再生への挑戦を

皆さんこんにちは井之上喬です。

東京はじめ関東地方では、梅雨の真っただ中にもかかわらず連日猛暑が続いています。熱中症はじめ、体調管理には十分に気をつけてください。

2024年の出生者数は68万6000人、予想より15年早く少子化が進行

当ブログの2024年12月25日号でも触れましたが、日本の少子化に歯止めがかかりません。

厚生労働省の最新の調査で、2024年に生まれた日本人の子どもの数は68万6000人余りと、1899年に統計を取り始めて以来初めて70万人を下回ったことがわかりました。減少は9年連続で、前年より4万1000人余りの減です。すべての都道府県で出生数は低下し、1人の女性が産む子どもの数の指標となる合計特殊出生率は1.15と、これまでで最も低くなりました。

国立社会保障・人口問題研究所が2年前に発表した人口の将来予測では、日本人の出生数が68万人台になるのは2039年と推計(リンク先資料p60)していましたから、想定より何と15年も早く、少子化が進行していることになります。

第1次ベビーブーム期の1949年、日本の出生数は269万人強でした。その時と比べると、4分の1近くにまで減っていることになります。

一方、2024年1年間に死亡した人は160万5298人と、前年より2万9282人増え、過去最多を更新しました。生まれた数から亡くなった人の数を差し引いた、人口の「自然減」は91万9237人でこれも過去最大になったとのこと。

出生数の減少にはさまざまな理由が複合的に作用しているようですが、主要因の一つと指摘されているのは「結婚の減少」です。

厚生労働省はこの状況に対し「若い世代の減少や、晩婚化・晩産化が要因にあると考えている。急激な少子化に歯止めが掛からない危機的な状況にあり、今後も少子化対策に取り組んでいきたい」としていますが、私はこの状況はそんな生易しいものではなく、日本国の「国家存亡の危機」だと思っています。

「国家存亡の危機」と言えば、以前このブログでも述べたように、日露戦争の際に当時の大蔵大臣、高橋是清が、戦いを国家存亡の危機と捉え、決定的に不足していた戦費を欧米から調達するために海外の諸機関と交渉したことを思い出します。当時日本は小国と見られていましたが、信頼を得て調達に成功し、発行した戦時国債はその後80年もの年月をかけて返済しています。現在の人口減は、これに劣らぬ危機であり、長期的な視野で確実に対処せねばならない課題だと私は考えています。

80~100年後を見据え、これまでにない財政出動も考えた、抜本的な対策が人口減少問題には必須です。従来の思考枠を超えた、長期的な時間軸を持つことが求められています。国家経営の視点を持つことなしに課題解決の実現は難しいのではないでしょうか。

「失われた30年の検証」、メディアでも取り上げられる

少子化だけでなくさまざまな社会課題が山積している日本ですが、私はパブリックリレーションズ(PR)の専門家として、「失われた30年」の検証をしっかり行い、パブリックリレーションズ(PR)の手法を活用して日本の閉塞的な状況を打破し、再生へと挑戦したいと強く思っています。

その思いを雑誌「一個人」の7月号でインタビュー記事にして頂きました。是非、ご覧いただきたいと思います。

また、6月2日の読売新聞のコラム「広角多角」でも、私が会長を務める日本パブリックリレーションズ学会の「失われた30年検証研究会」でまとめた提言書「日本再生へのチャレンジ」についてコメントをいただいています。
コラムのタイトルは「国の行方変える『常識』の壊し方」。筆者の伊藤俊行・編集委員は、「失われた30年検証研究会も『常識』に一石を投じた。…提言書では『失われた30年』と言うと傍観者の視点となるから、『失った30年』と考えて負の連鎖を断ち切れと唱えた。改革に消極的な態度は終戦前後まで遡ることが出来るという意味では『失われた80年』だという厳しい見方もしていて、刺激的だ」と評しています。

あらためて、パブリックリレーションズ(PR)とは何か振り返りましょう。それは、個人や組織体が最短距離で目標や目的に達するため、「倫理観」に支えられた「双方向性コミュニケーション」と自らの誤りを正す「自己修正」をベースとした、マルチステークホルダーとの良好な関係作り=マルチステークホルダーとのリレーションシップ・マネージメントである、と私は考えています。

「失われた30年」で検証した内容は多岐にわたります。ステークホルダーは都度変わり、双方向コミュニケーションや自己修正の手法も多様かつ柔軟であることが求められます。でも共通する倫理観は同じです。この国、社会をよりよいものとするためにはどうすればよいか、です。

多様な価値観が混在する今の社会でこそ、このパブリックリレーションズ(PR)の考え方をベースに、閉塞感を打破し、新しい世代が平和に生き生きと暮らせる国家づくりへの挑戦が求められている、と確信しています。

まさに潮目が来たのです!

 

インタビュー記事の掲載

『一個人 2025年7月号』にインタビューの記事が掲載されました。

書籍

注目のキーワード
                 
カテゴリ
最新記事
アーカイブ
Links

ページ上部へ