時事問題

2017.03.11

東日本大震災、福島第一原発事故から6年〜課題先進国Japanの役割を再認識する

皆さんこんにちは、井之上喬です。

今日は3月11日、東日本大震災そして東京電力福島第一原子力発電所事故の発生から6年になりました。

震災当日、ちょうど私は東京のオフィスの会議室で外国からの訪問客を迎えていました。突然の激しい揺れで、とっさに驚いた客人をテーブルの下にもぐるように叫んだことを今でも鮮明に覚えています。

警察庁のまとめでは、3月10日現在で東日本大震災による死亡が確認された方は12都道県で1万5893人、行方不明者は6県合わせて2553人。今でも行方不明になった家族を探し続ける人々の姿が報道されるたびに心が痛みます。

まだ道半ばの復興

復興庁によると2月13日時点で避難生活を余儀なくされている方々はまだ12万3168人もいらっしゃるとのことです。

また、大震災発生から2016年9月末までに避難生活による体調の悪化などで亡くなった「震災関連死」と認定された人は10都県で少なくとも3523人になっていると発表しています。

そして津波などで自宅などを失い、自力で再建できない人のための災害公営住宅の建設は今年1月末現在で78%が完成したものの、22%は未完成とのこと。

かさ上げ工事などによる住宅用地の整備では、岩手、宮城、福島3県合わせて計画の60%にとどまっているとのことで、6年経ったものの復興はまだまだ道半ばといった感じがします。

東京電力福島第一原子力発電所事故があった福島県では、4月初めにかけて帰還困難区域を除く多くの地域で、避難指示が一斉に解除されますが、報道を見ると放射線への不安、生活基盤の整備の遅れなどから、帰還を希望しない住民も多数いるとのこと。

いまだ汚染水漏れ対策や廃炉問題など遅々として進まない多くの課題を抱えており、これからも想像を絶する時間がかかりそうな気がします。

日本の体験を世界に伝える

2011年3月11日に起こった歴史上類を見ない大災害の経験と現在を、私たち日本人は世界に向けて情報発信し続けなければならないと思います。

また、この東日本大震災は、私たちに世界はグローバルに繋がっていることを示してくれた出来事でもありました。翌年春に設立されたグローバルビジネス学会は、こうした背景の中でスタートしたのです。

今でも続く世界の多くの国々や人々から受けた温かい支援や励ましに応えなければなりません。

この地球では、環境問題、エネルギー問題、人口問題などさまざまな問題が噴出し、これらの課題をどう解決していくかまさに人類の英知が求められています。

そのなかで日本は、超高齢化社会、環境問題と省エネ、原発問題などなど課題先進国としてそのソリューションを提供できる多くの経験を重ねてきています。これが私が考える「The Japan Model」構築のベースとなっています。

今こそ日本からの発信力を強め、この素晴らしい地球を、私たちの子孫に残していく責務があると思うのです。

あの大震災から6年。突然襲った地震や津波は地域の崩壊と多くの人々に深い傷跡を残し、その痛みはいまだ癒えていません。当時の被災者の今日に至る様々な体験談がテレビ、新聞、SNSといったメディアで大きく報道されています。あの時が風化しないようにこれからもパブリック・リレーションズ(PR)を通じ世界に伝え続けていきたいと思います。

つらい体験を乗り越え、大震災の語り部となった方の子供たちへの語りかけが心に残ります。

「『行ってきます』と言って朝、家を出かけたら、『ただいま』と言って家に帰ってくる。どんなことがあってもこうでなくてはだめだよ』」

被災された方々へこの場をお借りして哀悼の意を表したいと思います。
合掌。

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