時事問題
2008.01.04
岐路に立つ世界
新年あけましておめでとうございます。
旧年中はお世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします。
皆さんはお正月をどのように過ごされましたか?私は自宅でTVをみたり、友人に久しぶりに会ったり、ゆっくりした正月を過ごしました。
壊れ行く地球
この数年、日本を始め世界中を襲う集中豪雨、ハリケーン、干ばつ、高温化、氷河崩落など異常気象が起きています。原因は二酸化炭素(CO2)など、温室効果ガスによるものとされ、その削減に向けて数々の国際会議で真剣に討議されています。特に、ブラジル、ロシア、インド、中国などBRICSでの開発の勢いは森林伐採、CO2排出に更なる勢いをつけています。
いま誰もが地球が危険な状態あることを知っています。地球が支えうる限界をすでに超えたとする学者もこの危機的状態に強い警鐘を鳴らしています。
朝日新聞の新年3日の社説には、「地球の温暖化は今、核兵器と同じように人類の脅威となっている….」と断じていますが、核は人間がコントロール可能。でも環境は恐らく一度壊れたら人間の手で回復できるのかどうか誰も予測できません。
異常気象で、東京に集中豪雨が襲い地盤が緩みきっているとき、関東大地震規模の震災が起きたことを想像するだけでぞーっとします。
人間は不思議です。痛さを感じ、初めて怖さを知るようです。地球温暖化問題が政治課題として国際社会で取り上げられたのは20年前の1988年、カナダのトロントで開かれた国際会議。当時は、将来環境破壊が起こることを誰もが頭では理解していましたが、有効な対策はとられませんでした。現実的なものとなったいま、これまで問題解決に消極的であった米国、カナダ、オーストラリア、そして日本までもが目の色を変え本気で対処しようとしています。
問題解決法はあるのでしょうか?多くの原因は石油化学依存から来ています。電気や動力の多くが石油エネルギーでまかなわれています。一刻も早く脱石油を目指さなければなりません。
そのための代替エネルギーの開発も急がれます。原油価格が1バレル100ドル時代にあって環境は熟しています。日本の省エネ技術のレベルは世界で最高水準。風力、太陽光、バイオガス、燃料電池、水素燃料、潮力発電などなど、地域や国、そして民間企業や自治体、大学を始めとする各種研究機関などが力をあわせて問題解決に当たれば、その成果を世界がエンジョイすることは夢ではありません。
ある意味で、逆境の中で日本の技術と知恵が発揮でき、世界を新しい科学技術でリードできるかもしれません。
PRパーソンにできること
さてこうした事態に、PRパーソンはどのような行動をとるべきなのでしょうか?
企業の広報担当者やPR実務家は、自らの企業やクライアントに対し少しでもこれらの問題を解決しうる環境技術の有無についてチェックし、リスト化します。次いでそれらの技術・ノウハウが他社の技術と比べ、どのレベルにあるのか内外の知恵を駆使し分析します。
そしてその技術が本業の延長線上にあるのかどうかを知り、本業であれば社内での注意を喚起しドライブをかけます。眠っている技術であれば製品化への再検討を促し、現在顧客によって利用されているものであればそれらの技術・製品に光を当て内外にきめ細かくPRすることも重要です。
自社は全く関係がなければ、他社のこれらの新技術(新製品)を積極的に導入・利用し、企業の環境問題に対する真剣な取り組を内外に示すことも大切なことだと思います。
いま地球が壊れている。待ったなしの状態です。私達は環境問題を解決し、子孫のためにも地球を蘇らせ、再び青く美しい地球として後世に引き継いでいかなければなりません。
混沌とした時代、PR実務家の役割は今後ますます拡がることでしょう。
私達専門家には、自分たちの帰属する職場やクライアントに対して、世の中をより良い方向に持っていくための役割がきっとあるはずです。たとえ小さなことでも、その考え方が周りを刺激し大きなうねりを作り出すことができます。
もちろん、日々の業務を着実に遂行することは大切なことですが、そうした思いを常に意識し持ち続けることによって少しずつ車輪が動き出していくことに気づくはずです。
今年も皆さんと一緒にパブリック・リレーションズを考えていきたいと思います。