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2015.04.02

新入社員はロボットのワトソン君!〜身近になる人工知能型コンピューター

皆さんこんにちは井之上 喬です。

新年度がスタート。皆さんの会社にもフレッシュな新入社員が配属されたのではないでしょうか。

新入社員の皆さん、何事にも好奇心を持ち常にチャレンジ精神を持ち、グローバルな視点で新しいビジネスを開拓してください!

近未来のオフィスの朝、「山田社長、おはようございます。今日からお世話になりますワトソンでございます。どうぞよろしくお願いいたします」。このような日常的な日本のオフィス、でも挨拶したのがロボット:人工知能としたらどんな感じがしますか?

日本経済新聞電子版の3月20日付に「ついに人工知能が銀行員に「内定」IBMワトソン君」の見出しの記事がありました。

ビッグデータ分析でコールセンターの概念を覆す人工知能活用法

それによると「人の言葉を理解する米IBMの認知型コンピューター「ワトソン」。米国生まれで母国語は英語だが猛勉強によって日本語を習得し、三井住友銀行から「内定」を得た。クイズ番組に興じていたワトソン君が、年内にも銀行マンとして日本で働き始める」と言うもの。

記事を見ると「ワトソンは利用者が入力した文章を自然言語処理の技術で解釈し、ビッグデータ分析などの技術によって質問の答えを導き出す。三井住友銀行のオペレーターが顧客から受けた質問をキーボードで入力すると、ワトソンは5つの回答候補を瞬時に出す。回答は確からしい順に、その確率を付けて表示する。オペレーターは候補と確率を参考に、顧客に応答する」と言うもの。

同行は、2014年9月から年末までに行われた入社試験にあたる技術検証の結果、実用化の手応えをつかんだようです。応対スピードをストップウオッチで測定したところ、人間と五分五分だったというから驚きです。

また、経験の浅い人でもベテラン並みのサービスができるなど、顧客対応の標準化と底上げができることも期待されているようです。オペレーターにも「膨大な資料を調べなくても答えが得られる」などと評判だということです。

メガバンクでは、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行もワトソンの導入を進めているようです。ワトソンを本格導入するには数億円以上かかるようですが、顧客対応などのサービス品質を引き上げたり人手に頼っていた複雑な業務を効率化したりできるため、投資以上の効果があると試算されています。

銀行員のコールセンター以外にも、新たな仕事の依頼が舞い込んでいるようで、日本郵政の西室泰三社長は、2月18日の記者会見でかんぽ生命保険の保険金の支払業務に「日本の保険会社として初めてワトソンを導入する」と発表しました。

また、ワトソンの国内展開で日本IBMと提携したソフトバンクは、予備校と組んで学生の成績などから苦手分野を見つけ出すサービスなどの検討をしているようです。人工知能の進化には目を見張るものがあります。

人工知能=ロボットも人とコミュニケーションできる?

人工知能の進化により、ロボットの仕事が増え人間の仕事が減るとの調査結果がボストン・コンサルティング・グループなど様々な調査機関から出されています。ロボットは今や人間にとって脅威の存在なのでしょうか。

別の見方もできませんか?日本のような少子高齢化が進む国では新たな働き手としてロボット:人工知能を活かす方法もあるのではないでしょうか。労働力不足をロボットで補完し、さらに人工知能でこれまでの匠の技を継承していく。

結果、国内に工場が戻ってきたり、新たな雇用の場が創出され、新産業の誕生の可能性も高まってくるのではないでしょうか。人とロボットがコミュニケーションできる時代はまだまだ先の話しでしょうが、労働力不足と言う社会的な課題を解決する1つの解になるかもしれません。

12月2日からは2年ごとに開催される「国際ロボット展」が東京ビッグサイトで開催されます。従来の工作機械としてのロボットに加え、介護や福祉などのサービスロボットに関する情報にも注目したいと思います。

人工知能といえば1980年代、MIT(マサチュセッツ工科大学)の人工知能研究所所長のシーモア・パパート教授とパブリック・リレーションズ(PR)の仕事の関係で何年か深く関わっていました。

あれから30年、人工知能がこのような形で社会と関わりを持つようになってきたことに、人間の英知の素晴らしさに驚嘆するとともに、科学技術の重要性を考えずにはいられません。

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