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2014.08.21

日本人の平均寿命がいずれも過去最高を更新〜男性の平均寿命も初の80歳超え

皆さんこんにちは、井之上 喬です。
夏休みはユックリ過ごされましたでしょうか。私は毎年恒例となった、愛媛県「弓削島」で束の間のスローライフを楽しみました。

8月7日の立秋を過ぎて残暑から納涼、そして向秋へと、だんだんと涼しげな季語に移っていくのですが、各地を襲う集中豪雨とこの暑さはいつまで続くのでしょうか。

長寿要因は「3大死因」克服と食生活・住環境の改善

2013年の日本人の平均寿命は男性が80.21歳で、女性が連続世界一で86.61歳。いずれも過去最高を更新し、男性が初めて80歳を超えたことが厚生労働省の調査で分かりました(7月31日)。

ちなみに男性の平均寿命の1位は香港(80.87歳)、2位はアイスランド(80.80歳)、日本は3位のスイス(80.50歳)に次いで世界4位になったとのこと。5位は僅差でシンガポール(80.20歳)。

女性は2位が香港(86.57歳)で3位はスペイン(85.13歳)、4位フランス(85.00)、5位スイス(84.70歳)の順になりました。

平均寿命が女性だけでなく男性も80歳を超えたのは、世界でも香港やスイスなど一部の国や地域に限られているようです。このような長寿の要因として厚労省は「3大死因」とされる、がん・心疾患・脳血管疾患の治療や診断技術の向上に加え、食生活や住環境の良さなどがあるとしています。

世界保健機関(WHO)は2014年版「世界保健統計」の中で、世界の平均寿命は70歳で、女性は73歳、男性は68歳としています。男女合わせた平均寿命が最も低かったのは西アフリカのシエラレオネで46歳。レソトが50歳、アンゴラ、中央アフリカ、チャドがそれぞれ51歳とサハラ砂漠以南のアフリカ諸国で平均寿命の低さが目立っています。

平均寿命について誤解されている方も多いようです。平均寿命は、その年に生まれた0歳児が平均で何年生きるかを予測したもので、つまり、平均寿命とは0歳の平均余命のことなのです。

この人口統計は終戦後の1947年(昭和22年)からはじまっており、その時点では男性が50.06歳で、女性は53.96歳でした。この数字からすると戦中派の私は、随分と長生きしたことになります。

それともう一つ、平均寿命の平均値についてです。これは2013年生まれの約103万人(総務省統計局推計)の半数(50万人)が80歳以上生きられるということではありません。65歳まで生きられるのは男性88%、女性93.9%。90歳まででは男性23.1%、女性47.2%と試算され、こうした試算から平均値が設定されているとのこと。

健康のため「何もしてない」が46%

長寿化により医療費などの増大は避けられず、厚労省は「病気なく生きられる『健康寿命』を延ばすことが喫緊の課題だ」とコメントしています。

国民の健康管理に関する実態について厚労省は20?80代の5千人を対象にインターネット調査を実施。その結果が閣議(8/1)に報告され厚生労働白書に盛り込まれたとしています。

健康第一といわれているけれど、実際は健康のため「何もしてない」が46%で、国民の健康管理に関してはなんともお寒い結果になったようです。

普段から健康に気をつけるよう意識しているかどうか質問したところ、「積極的にやっていることがある」が17.2%、「生活習慣に気をつけている」が36.7%で「何かしている」派は約54%。

また、「何かしている」派の具体的な行動(複数回答)は、「食事・栄養に気を配る」(69.2%)、「睡眠、休養をとる」(55.6%)が多かったようです。

一方、「病気にならないよう気をつけているが何もやっていない」が32.5%、「特に意識せず、何もやっていない」が13.5%で、「何もしない」派が約46%にのぼったようです。

厚労省では医療や介護費を減らすため、日常に支障なく生活できる「健康寿命」を2020年までに1歳以上延ばす目標をかかげていますが、まず足元の意識改革が課題となりそうです。

「平均寿命をどう読む?」(弘前大学研究会、2011年)の著者、中路重之弘前大教授(予防医学)は著書のなかで、「平均寿命の男女差は大きい。その理由の一つに、生活習慣病につながる肥満や飲酒、喫煙などの男女差が挙げられる」とし、生活習慣を改善することで日本人の平均寿命はさらに延びる可能性があり、男性の世界一もあり得ない話ではないようです。

また、「医療の進歩で治療実績も上がっているが一人一人が健康に対する正しい知識や考え方である『健康教養』を身に付け、病気を予防するために実践することが何より大切だ。」とアドバイスしています。

長寿男女世界一を目標に、国民の健康管理に関する意識向上を図っていくことも私たちパブリックリレーションズ(PR)実務家に課せられた役割ではないでしょうか。

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