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2013.11.07

プロ野球楽天の日本一で感じたこと〜3回目の冬を前に東北の被災地に元気を

皆さんこんにちは井之上 喬です。

今年のプロ野球日本シリーズは、皆さんご存知のようにパリーグの楽天が球団創設9年目でセリーグの巨人を4勝3敗で下し、日本一に輝きました。星野仙一監督は、選手時代そして中日、阪神の監督として日本シリーズに進出しましたが今回が初めての日本一、それも彼が宿敵とする巨人を倒しての日本一ですから、感慨深さは計り知れないものがあるのではないでしょうか。

球団社長は元証券マン

星野監督が楽天の監督に就任した2011年に東日本大震災が発生し、球団の本拠地がある宮城県などが大きな被害を受けましたが、監督をはじめ選手が一体となり、「被災地東北のために」を合言葉にさまざまな被災者サポート活動を継続しているのはよく知られています。

日本一を決めた翌日(11月4日)の各メディアは、楽天の日本一で「元気をもらった」と被災地東北のようすがレポートされ、まだまだ大震災の爪痕が深く残る復興途上の東北に久しぶりに脚光が当てられていました。

大震災からもうすぐ2年8カ月、3度目の冬を迎える被災地の皆さんにとっては久しぶりの明るい話題だったのではないでしょうか。

11月5日の日本経済新聞にはその楽天球団社長の立花陽三氏(42歳)が紹介されていました。見出しは「証券マンから転身、楽天を日本一に導いた球団社長」。

元証券マンから2012年8月に楽天の球団社長に就任。チームの長期的強化を担当する戦略室を設置し、その部署を中心に独自のデータシステムで弱点などを分析するなどし、1年余りで球団を日本一に導いた手腕は大いに評価されるべきでしょう。

また、ドラフトでは注目の神奈川・桐光学園高の松井裕樹投手を5球団競合の中、クジで引き当てるなど、来期以降の球団づくりに明るい話題を提供しています。

この立花氏を球団社長に招聘したのが楽天の会長兼社長の三木谷浩史氏(48歳)です。球団経営と企業経営はどこか似たところがあるのかもしれませんね。

ストーリーテリングできる経営者に歳は関係ない!

三木谷氏は皆さんもご存知の通りで2012年には新経済連盟の代表理事に就任するなど、今や日本を代表する経営者の一人です。

10月に開催された日本経済新聞社主催の「世界経営者会議」でもゼネラル・エレクトリックのジェフリー・イメルト会長兼CEO、エアバスのファブリス・ブレジエ社長兼CEO、旭化成の藤原 健嗣社長、富士フイルムホールディングスの古森 重?会長兼CEOなどとともに講師として登壇。

三木谷氏は「楽天市場を開設した当初は売上が月々約30万円でそのうち20万円を買っていたのが私です」など楽天創業当初の1997年当時のエピソードを交え語っていました。

そのなかで、インターネットの進化によるイノベーションをフルに活用した新たなビジネスモデルを創出しそれを海外に輸出したい、そのためにも英語を公用語化する必要があったなど、常に変革を続ける経営者の強い意欲をにじませていました。

今年の世界経営者会議で私が注目したもう一人の経営者は堀場製作所の堀場雅夫最高顧問です。
「おもしろ おかしく」を社是として、全社一丸となって、ベンチャービジネスのモデルともいえる堀場製作所を作りあげた稀有な企業家。

何年か前、堀場さんと初めて京都でお会いした際、そのたぐいまれなる創造性に対する強い探究心には驚かされたものですが、大正13年生まれで来年90歳を迎える堀場さんのユーモアを交えた講演は立って行われ、聴衆の心をひきつけていました。

パブリック・リレーションズ(PR)の視点から経営者に求める大きな要素の一つに、ストーリーテリング(story telling)があります。

会社がどこに向かっているのか、どんな会社を目指すのかなど、経営者自らがさまざまなステークホルダーに向けてきちっとメッセージを発信することが必要とされているのです。

今回の世界経営者会議の堀場氏、三木谷氏の講演を聴いて、持っている人には年齢は関係ないことをつくづく実感させられました。

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