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2012.06.11
「エンゲージメント・エコノミー時代」は新たなビジネチャンス
皆さんこんにちは、井之上 喬です。
沖縄から始まった梅雨入りは東海地方にも及び、このブログを書いているうちに関東地方も梅雨入りしたようです。体調管理には気をつけたいものです。
さて国内外では年間を通し多くの展示会、見本市が開催され、各分野の最新の製品やサービスが登場しています。
新サービス登場で展示会が隆盛
パブリック・ リレーションズ (PR)の観点からすると、最新の製品をアピールすることができるマーケティングPRの絶好の機会と言えます。
展示会への出展に合わせ記者会見を行ったり、プレス・リリースを配信したり、展示ブースでのインタビューを行ったりと、集中して効果的にメディア・リレーションズ主体のPR活動が展開できるのも展示会、見本市の良さです。
最近、IT関連で注目の展示会が国内外で開催されました。5月末の東京での「ワイヤレスジャパン」、6月5日からの台北での「コンピューテックス台北」、そしてロサンゼルスでの世界最大規模のゲーム見本市「E3」など。
これらの見本市に一見関連性なさそうにみえますが、パソコンやスマートフォンなどの最新の電子機器、それを結ぶインターネットなどの通信、そしてインターネット上でのゲームの配信と大きなネットワークが形成され新しい、巨大市場が日々形成されています。
このような世界規模でのネットワークを介した、個人から企業までにいたる多くの情報のやり取りが知らず知らずのうちに巨大化する結果となっています。
最近「ビッグデータ」と言う言葉を耳にすることが増えてきました。ビッグデータに関するさまざまな解説を見ると、これまでの情報技術(IT)では管理・分析できないほど大量でかつ多様なデータのことをいっています。
IT環境の激変で進むビッグデータ化
例えば企業ではクラウドの登場もあり顧客管理情報、店舗のPOS情報などの営業情報、そして個人では電子メール、FacebookなどのSNS、さらにはGPSからの情報、電力データを収集するスマートメーターからの情報、発電所や鉄道などの社会インフラに関する情報などが、リアルタイムで膨大に蓄積されデータ化されています。
ITの進化により、このビッグデータを高速で解析し、その分析結果をビジネスにしようというビッグデータ事業ではIBM、日立製作所、NEC、富士通など国内外の多くの企業が名乗りを上げています。
ビッグデータのやり取りを支えるためには、当然のことながら最新の通信インフラが不可欠となります。そのための規制緩和は必定。
5月末に来日した世界的な通信インフラ機器大手ノキアシーメンスネットワークスのラジーブ・スーリCEOは記者会見で「エンゲージメント・エコノミー時代」の到来と日本市場の重要さについて語っているのを紹介します。
まず目新しい言葉であるエンゲージメント・エコノミーについては、「高性能デバイスと高速ネットワークにより、日常の全てがネットワーク化し、コンテンツ化する状態」とし、SNS、GPSサービス、アプリケーション同士の通信、M2Mネットワークなどにより、シームレスに結合した通信ネットワークのもとで個人、グループ、マシーンが共存し人々がさまざまな知識や教育をより身近なものとして享受できるようになると説明しています。
また1人の1日当たりのトラフィック量が現在の10倍の1GB(ギガバイト)に達する、ギガバイト革命が2020年ごろには世界規模で到来すると予測。
その中で日本は、スマートフォンの急速な普及などでギガバイト革命が最初に訪れる国になるだろうとし、日本市場での通信インフラ・ビジネスの強化が今後の同社のグローバル・ビジネスに大いに役立つと、力強いコメントを残しています。
ややもするとガラパゴスと揶揄される日本の通信業界ですが、世界に先駆けた面もあることを忘れてはならないと、改めて認識させてくれました。
ビッグデータ、エンゲージメント・エコノミー時代、よくよく考えると日本人の身近で日常的な行動が通信業界の新しい大きなうねりの実験の場になっているのかもしれません。
そのうねりを大きく確実なものにするのがパブリック・リレーションズ(PR)の役割といえます。さまざまなステーク・ホルダーに強力にアピールするのに不可欠な手法だからです。
やっぱり日本はまだまだ素晴らしいことがいっぱいある国、とつい嬉しくなりました。