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2012.06.18

2020五輪誘致〜実現性で米国メディアが東京を最高評価

皆さんこんにちは、井之上 喬です。
今年2月のブログで、「4年に1度のうるう年は経済面でも、夏のオリンピック開催、米大統領選挙などがある年と重なり、好景気になる年とも言われています」と書きました。

しかし、どうでしょうか。内閣府公表の月例経済報告の表現を借りれば「景気は、依然と して厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつある」とのこと。政局は消費増税関連法案をめぐってますます混迷を深めています。

米国では5月の米雇用統計が市場予想を大幅に下回ったのを受け、米株式相場は大幅に続落し、世界的な景気減速に拍車をかけています。現在のところ、「うるう年伝説」を裏切る情勢のなかで30回目となる記念すべき夏季ロンドンオリンピックの7/27開催が、日々刻々と近づいています。

先日、「五輪、東京を最高評価=20年誘致実現性で米メディア」(2012/6/13日本経済新聞・朝刊)といった見出しの記事が目にとまりました。今回のブログでは東京が五輪開催に立候補している2020年大会についてお話します。

高い評価は「宿泊」「マーケティング」「財政」

皆さんもご存知の通り、国際オリンピック委員会(IOC)はカナダのケベックシティーで催された5月23日(現地時間)の理事会で2020年オリンピックの正式な立候補都市に東京、イスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)の3都市を選定しました。

残念ながらドーハ(カタール)とバクー(アゼルバイジャン)は落選。開催都市は来年9月7日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれるIOC総会で決定します。プレゼンテーションの準備期間は1年3ヵ月あります。
私の目にとまった記事は、オリンピック関連ニュースを専門に扱う米国メディア「アラウンド・ザ・リングズ」が発表したものでした。

その発表によると、東京とイスタンブール、マドリードの3都市について「治安」や「組織運営能力」など11項目につき独自の指数で算出した結果、東京は合計69ポイントでトップに、次いでマドリード(67ポイント)、イスタンブール(64ポイント)という順番になりました。

記事(日本経済新聞)によると東京は、「宿泊」「マーケティング」「財政」などで高い評価を得たようです。特に政府の全面支援の確約や、都が競技施設の整備などの費用として約4千億円の開催準備基金を積み立てていることが評価されたとみられています。

この点についてマドリードは、スペインの財政危機のあおりを受け、財政面の評価は低く、現在の経済状況がもろに反映された結果となりました。

五輪開催に伴う経済波及効果は3兆円

一方、東京は「市民の支持」の評価が低く不安材料となりました。IOCの世論調査では東京の国内支持率が47%で、他の2都市はいずれも70%台となっていたようです。

米国メディアが09年に実施した16年夏季五輪の開催地を決める調査でも、確か東京は「市民の支持」という点では評価が低かったのではないでしょうか。

東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会から五輪開催に伴う経済波及効果の試算が6月8日に発表されています。

この試算は、来年2013年から開催年に当たる2020年までを対象としており、大会関係施設への投資や観戦客の消費などを合わせた経済波及効果は、東京都で1兆6700億円、そのほかの地域で1兆2900億円と全国で約3兆円。これに伴う雇用の誘発は、約15万人と試算。

これだけの経済波及効果をもつイベントは、オリンピックを除いてほかにはありません。東京開催を勝ち取るためには、最大のウィークポイントともいうべき「市民の支持」を高めることが必須条件となります。

いかに「市民の支持」を高めていくか。パブリック・リレーションズ(PR)が最も機能する分野。しかし、残念ながら「東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会」にPR専門家は誰も参画していません。先ずはこのあたりから考えなおすべきではないでしょうか。

東京オリンピックが開催された1964年は、私が大学に入学した年に当たります。日本は勿論、アジア地域で初めて開催されたオリンピックでした。その後、1968年には国民総生産(GNP)が資本主義国家の中で第2位へと成長。この経済成長は世界的に稀な例であり、終戦直後の復興から続く一連の経済成長は「東洋の奇跡」と言われたものでした。

東京オリンピック開催の1964年には、キング牧師のノーベル平和賞受賞やベトナム戦争の始まり、中国で初の核実験、そしてソ連ではフルシチョフ首相の解任などさまざまな国際的出来事がありました。

さて、2020年の日本や国際社会はどのようになっているのでしょうか。願わくば平和で、希望に満ちた社会であって欲しいものです。

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