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2011.10.03

「自由の鐘」が60年ぶりに日比谷公園に復活 〜パブリック・リレーションズとの歴史の重なりを思う

皆さんお元気ですか、井之上 喬です。
皆さんは、1776年にアメリカ合衆国13州の独立宣言の際に、アメリカのみならず全世界の人々の自由を願い、打ち鳴らされた「自由の鐘」(Liberty Bell)のことをご存知ですか?

この鐘は現在でも米国ペンシルベニア州の都市フィラデルフィアの独立記念館前のパビリオンに展示されています。
今日は、約60年前に日本に建設され、そして復活した「自由の鐘」のお話です。

マッカーサー将軍が提案

今回ほぼ60年ぶりに復活した「自由の鐘」は日比谷公園にあります。フィラデルフィアと同様に青銅製で高さ約1メートル、直径約1.2メートル、重さ約1トンある実物大で、レプリカではなく実用として仏パッカード社がNo.56号として製造した由緒あるもの。

終戦直後、連合国軍総司令官だったマッカーサーの提案を受けた米国の市民有志が、自由の恩恵を受ける社団法人日本新聞協会に鐘を寄贈しました。
新聞協会は日比谷公園内に塔を造り、鐘とともに東京都に寄贈して、1952年10月24日に安井誠一郎都知事(当時)により除幕式が行われました。
この「自由の鐘」の日本における誕生については、塔の正面に嵌められた碑文に次ぎのように刻まれています(和訳を参照ください)。


自由な国の自由な国民に捧げる(和訳)

フィラデルフィアの独立記念館にある名高い自由の鐘の複製は、ダグラス・マッカーサー将軍の提案により、アメリカ人の有志によって日本の人々に贈られたものである。
この贈り物はアメリカ合衆国財務長官のジョン・ウェズレー・スナイダーによって授与の手配がされた。
鐘の寸法、音色は1776年にアメリカ合衆国の独立で鳴り響いた実物の鐘と同じものである。自由の鐘はアメリカ人だけでなく、人類全体の自由の象徴となっている。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

この象徴の前に立つ時、アメリカ合衆国の憲法制定者と同じように、自由の信念を自由を手にした国民と共に分かち合い、共に人々に捧げる機会を得ることだろう。


しかしその後、中心部の振り子が失われたこともあり、鐘の音色を響かせることが久しく絶え、鐘を吊るす塔(高さ約7.6メートル)全体も老朽化で傷んでいました。
こうした状況を偶然目撃した安藤広重浮世絵美術館(東京都板橋区)のオーナー高田明氏は、昨年末、復活に賛同する仲間とともに「自由の鐘」修復募金委員会を結成し、修復資金づくりのために千円募金活動を開始しました。
今年4月には修復に必要な寄付も集まり、この10月1日、打ち初め式典が催されたのでした。
長年つきあいのある経済ジャーナリスト(元朝日新聞編集委員)阿部和義さんが、「自由の鐘の会」会長となっている関係もあり、今回私の会社のスタッフがプレス対応を手伝いました。
打ち初め式では、3・11や9・11の犠牲者への思いを馳せつつ、相手の心に訴えるような重厚な鐘の音が日比谷公園に響き渡りました。
YOMIURI ONLINEが打ち初め式のリハーサル時(9/30)の映像と鐘の音を収録し、ネットで配信しています。「鐘の音」を下記URLから聴くことができます。
http://www.yomiuri.co.jp/stream/press/movie.htm?id=26051&feed=26051

自由あってのパブリック・リレーションズ

20世紀初頭に米国に登場・発展したパブリック・リレーションズ(PR)は、日本の民主化政策の一環として戦後GHQ(連合国総司令部)により導入されたものです。
日本でのパブリック・リレーションズの誕生、ここでもマッカーサー将軍が登場します。私の中では「自由の鐘」とパブリック・リレーションズの歴史が重なってきます。
1952年、「自由の鐘」の除幕式が行われた頃の日本のパブリック・リレーションズ業界はその発展史のなかで、極めてアップダウンの激しい特異な時期の最中にありました。
51年に日経連は戦後初の「経営視察団」を米国に派遣し、ヒューマン・リレーションズやパブリック・リレーションズを調査。この年は、PR関係書の出版も盛んで、PRの普及に拍車のかかった時期でした。

しかし翌年の1952年になるとサンフランシスコ講和条約が締結・発効し、GHQが日本から去り、占領政策の再検討の機運と財政の窮乏のために広報活動は急速な下降線を描くのでした。

私が提唱する、倫理観や双方向性と自己修正機能を内包するパブリック・リレーションズは、民主主義と自由競争原理の働く社会で真価を発揮するもので、その発展には言論の自由をはじめ人身の自由、信教の自由など、どれも欠かせない要素となっています。
いわば自由は、パブリック・リレーションズの生命。こうした想いで復活した「自由の鐘」の音を聴くとき、パブリック・リレーションズの明るい未来を感じるのは私ばかりではないでしょう。

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