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2020.08.15

戦後75年、東アジア不戦の誓い
~平和と民主主義のもとで機能するパブリック・リレーションズ(PR)の役割

皆さんこんにちは井之上喬です。

新型コロナウイルスの感染拡大が新たなステージに入ったとみられるなか、日本列島は各地で厳しい暑さが続いています。

年齢に関係なく、どうぞ皆さん体調管理に留意して「特別な夏」を健康にお過ごしください。

戦後75年、如何に次世代へ継承していくか?

今日8月15日は終戦記念日です。

6日は広島、9日は長崎に原爆が落とされた日、そして15日には終戦の日を迎えます。

今年は75年の節目の年でもあり、改めて「平和」の大切さを考える夏にしたいものです。

メディアでも戦後75年の特集が組まれていますが、私が気になったのは被爆者の皆さんや戦争体験者の皆さんの高齢化、そして戦争の悲惨さを伝えるさまざまな建造物や資料館の老朽化が、ますます進んでいることです。

こうした施設に携わってきた戦争体験世代が徐々にいなくなり、維持管理の予算の目途も立たなくなった末、閉じられてしまう施設が全国的に増えているといいます。

戦争の悲惨さを体験者から直接聞いたり、資料館などで惨状を目の当たりにしたりする。このことは、私たちそして若い世代が、平和の大切さを実感し、将来へと受け継いでいくためにとても重要だと思うのです。

高齢化や老朽化は時の流れであり、避けることはできません。しかし、戦争の悲惨さは二度と起こしてはならない。この思いを風化させないためには、国民一人ひとりが問題意識を持ち、自治体と協働して継承を続けていくことが必要です。

そのためにパブリック・リレーションズ(PR)の果たす役割は大きいと考えています。

瀬戸内寂聴さんら長老による、東アジア不戦推進「提言」発表

そんな中の8月12日、日本プレスセンターで、一般財団法人 アジア平和貢献センターの「東アジア不戦推進機構」が、「東アジア不戦推進『提言』」発表の記者会見をオンライン形式で行いました。

写真1(説明:オンラインで行われた記者会見)

今回の提言を行ったのは、太平洋戦争時代を直接体験した最後の世代に当たる、日本の長老約20人です。千年に一度、人類全体に等しく訪れる覚えやすい時点、つまり2022 年 2 月 22 日 22 時 22 分 22 秒というタイミングを利用して、東アジア全構成国の首脳が「あらゆる対立を超克して連帯し、少なくともまず東アジアを戦争のない地域にする」と宣言することを求める内容です。

これはつまり、「人類の連帯」、「対立の超克」、「戦争の放棄」を柱とした「共同(又は個別・同時の)宣言」を、東アジアのすべての国の首脳がまず発し、やがては世界全体に及ぼそうとする試みです。

この提言者(長老)には、瀬戸内寂聴(98歳:作家・僧侶)、千玄室(97歳、茶道家)、伊藤雅俊(96歳、イトーヨーカ堂、セブンイレブン創業者)、岡田卓也(94歳、イオングループ名誉会長) 、石原信雄(93歳、元内閣官房副長官)、三浦雄一郎(87歳、登山家)、仲代達矢(87 歳、俳優)さんなど、85歳以上の約20名の皆さんが名を連ねています。

オンライン会見では、機構代表でこのプロジェクトをスタートさせた長老の一人である西原春夫・元早稲田大学総長(92歳)が趣旨説明を行い、続いて有馬朗人・代表代理(89歳、元東京大学総長、元文部大臣)が提言を発表。そして他の長老を代表して、人間国宝で狂言師の野村萬さんが映像で参加し、戦争の悲惨さ、無意味さを、個人の体験をもとに語ってくださいました。

 

写真2(説明:右から有馬代表代理、西原代表、筆者)

92歳の今もエネルギーにあふれ、頭脳も明晰な西原代表は、「このプロジェクトの当面の目標は、2 年後に『東アジアを戦争の無い地域にする』という不戦宣言を、当該国全首脳の共同で発することです。人類の平和を追求してきた先人たちの努力を継承し、コロナ禍という不幸を転じて、『戦争放棄』という人類最高の目標を実現するきっかけにしたい」と語っています。

政治的にそれぞれ複雑な問題を抱える関係国を、一つの共通目標に向かい推進させるには、「超克」の思想が重要だと西原代表は話します。この手法は、現在の対立を超え、より高い境地を求める「弁証法」的なアプローチでもあります。

現在世界中で感染が広がる新型コロナを始め、今後も続発するであろうウイルスの脅威に対抗するために人類が力を合わせることは、より高い新たな共通目標を持つことの重要さを示す例でもありましょう。同様に、戦争放棄もこれまでの次元と異なるアプローチで迫ることが必要だと強調します。

私がこのプロジェクトを始めて知ったのは、昨年8月。

毎夏、全国の覚醒した高校生を3泊4日の合宿で指導する「きらめき未来塾」(昨年の開催地は福島県二本松市)の講師を頼まれ、会場の二本松市を訪問した際に、塾の世話人の一人である西原先生から構想を打ち明けられたのがきっかけでした。

構想の詳細を聞いたのは帰りの新幹線の中です。終戦前年に、満州大連市で生まれた私には、この構想は強く心に響いたのでした。以来、賛同者・支援者(福田康夫元総理、河野洋平元副総理など約30名)の一員に加わり、パブリック・リレーションズの専門家として活動に携わっています。

戦後も75年になります。前述のように、時の経過とともに当時の証言者がいなくなり、施設や記憶が風化していく中で、二度と起こしてはならない戦争の悲惨さを後世に伝え続けることは、世界の平和を維持するために極めて重要だと強く感じます。

私のライフワークであるパブリック・リレーションズ(PR)は、真実を次世代に伝え続ける大きな使命も負っています。戦後75周年を迎えた本日、改めて身の引き締まる思いでいます。

 

お願い:機構では、この活動にご賛同くださる方々からの支援金を受け付けています。
<連絡先>

一般財団法人アジア平和貢献センター内 東アジア不戦推進機構

https://www.asianpeace.jp/chourou/

FAX:03-3354-2314

E-mail:fusen22222@asianpeace.jp

<支援金お振込み口座>

三菱UFJ銀行 麹町支店 / 普通口座 0103137 / アジア平和貢献センター

皆様のご支援を、心よりお待ちしています。

 

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