パブリック・リレーションズ

2015.05.28

出版を祝う会〜棚橋祐治さんとの15年ぶりの再会を喜びあう

皆さんこんにちは、井之上喬です。

このところ真夏日が続いていますが、体調管理にはくれぐれもご留意ください。
先日拙著『パブリックリレーションズ』第2版の出版を祝う会を催していただきました。会の発起人代表は丹羽宇一郎さん。発起人には古川貞二郎さん、大竹美喜さん、橋本徹さんなど日頃親しくさせていただいている方々が引き受けてくださいました。

会場の日本プレスセンターにあるレストランは、ガラス越しから眼下には日比谷公園を望むことができ、さながらニューヨークのセントラルパークを見下ろしているような気分にさせてくれます。

学生時代からの友人(鈴木みよこさん:当時ハイソサエティオーケストラでピアノを弾いていた)が演奏するピアノトリオはNYジャズを十分に堪能させてくれました。

15年振りの再会を喜ぶ

この祝う会では、15年ぶりにお会いした方もいました。その中のお一人は、90年初めに通産省の事務次官を務めておられた棚橋祐治さん(石油資源開発会長)。

写真は発起人代表の丹羽宇一郎氏(中央)と一緒に棚橋祐治氏(右)をお迎えする筆者

棚橋さんは当時激化していた日米半導体摩擦が頂点にあった時に、日米交渉の真っただ中で日本側の指揮を執っておられた方です。

そのころ米国半導体工業会(SIA)のパブリック・リレーションズのコンサルタントをしていた私は、80年代後半私がブレーンをしていた倉成正さん(中曽根政権時の外相)と親交のあった棚橋さんを身近に感じたこともあり親しくさせていただいていました。

官僚的なイメージを感じさせない棚橋さんの交渉術と采配は見事なものでしたが、交渉がこう着状態にあるときには即座に電話連絡で意思疎通を図らせていただくなど立場は異なっていましたが最終決着したときは安堵したものでした。

そんなご縁もあり、1997年に私が本部役員を務めていた国際PR協会(IPRA)世界大会で基調講演をお願いした際に、井之上パブリックリレーションズがアジアで初めて受賞したIPRAゴールデンワールドアワード最優秀賞の授与式にも参加いただき喜びを分かち合ってくださいました。

祝う会での棚橋さんのスピーチはそんな往時を懐かしく想い起させてくれたのでした。

そして80才になられたいまも現役で企業の会長職と弁護士をつとめ、エネルギーに満ち溢れる棚橋さんを見て、自らが描く10年後を見る思いでした。

以前にもお話したように、私は長年「自己修正モデル」を研究のテーマとしてきました。設立45年を迎える井之上PRは、これまでインテルやアップル、危機管理、国家間の交渉ごとなど様々なプロジェクトにパブリック・リレーションズの専門集団として関わってきましたが、これまでの社会科学系の学問がそうであったように、実践を通して理論体系が構築できることを自らの体験で実感できたことに深い喜びを感じます。

出版を祝う会はそんな思いを強くさせてくれたのでした。

ビジネス書部門ベスト・ワンに

前回(5/21)のブログに記したように拙著『パブリックリレーションズ』第2版は、5月20日に日本評論社より発刊されました。

書店への配本後1週間で、日本橋「丸善」、大手町「紀伊国屋書店」の大手書店においては早くもビジネス書部門ベストワンにランクされたと出版元の日本評論社から当日朗報がもたらされました。

民族や文化、言語、宗教、国境を超えてステーク・ホルダー(利害関係者)とのリレーションシップ・マネジメントを実践するパブリック・リレーションズはグローバルビジネスの基盤。

グローバル化が加速する中で、できるだけ多くの人に拙著を読んでいただき、かつパブリック・リレーションズを正しく理解され、それぞれの立場で実践していただくことを日頃から願っている私にとってこの朗報は嬉しいものでした。

私のブログ発行100回目(2007年2月17日)を記念して、パブリック・リレーションズに携わる世界中の人々に愛読されている米国初のPR公式教科書Effective Public Relations(EPR)を紹介しています。

同書はパブリック・リレーションズのバイブルとも呼ばれ、1952年の初版刊行以来、版を重ね現在(11版)でも愛読されている大ロングセラーです。

初版の著者の中心は、20世紀を代表する米国におけるパブリック・リレーションズの研究者スコット・カトリップ(Scott Cutlip, 1915?2000)。

その後、彼の教え子であるジェームス・グルーニッググレン・ブルームら一線で活躍する多くのPR研究者に引き継がれ、その時代を反映した内容に改訂されながら今日に至っています。

私の『パブリックリレーションズ』もこうした形で受け継がれていけば素晴らしいことだと思うのです。

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