パブリック・リレーションズ

2012.01.30

ベラルーシからの使者 〜チェルノブイリの体験を福島再生に

こんにちは、井之上 喬です。
厳しい寒波で北日本と北陸は記録的な豪雪に見舞われていますが、皆さんお元気ですか?

先日、凍てつく寒さの東京でベラルーシから来訪者がありました。私が主宰する「水素研究会」メンバーの方の紹介で、ベラルーシ共和国のセルゲイ・ラフマノフ特命全権大使と同国で放射能測定・除染専門会社の技術最高責任者とその一行を四谷の私の経営する会社(井之上PR)にお迎えしました。

ベラルーシ共和国(首都:ミンスク)は、国境を南にウクライナ、西にポーランド、北西にリトアニア、 ラトビア、東にロシアと接し、ソビエト連邦から独立した人口約960万人で国土は日本の3分の2。
2ヶ月前に来日したラフマノフ大使は、前職がベラルーシ国立科学アカデミー副総裁で、今月正式に駐日大使に任命されたばかりです。

ベラルーシの経験

ベラルーシ共和国はチェルノブイリ原子力発電所事故の最大の被災国といわれています。

ご存知の方も多いかと思いますが、チェルノブイリ原発事故は、1986年4月ソビエト連邦(現:ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた原子力事故で、国際原子力事象評価尺度 (INES)では最悪のレベル7(深刻な事故)に分類される最大規模の事故(1979年米国スリーマイル島原発事故はINESでレベル5)。

チェルノブイリ原発事故で放出された放射能は、ベラルーシ、ロシア、ウクライナで多くの住民が被曝し、その影響は染色体の異常など遺伝子的な損傷をもたらしていることは多くの研究によっても明らかにされています。

また、東欧や北欧まで放射能が拡散したチェルノブイリ事故は、とりわけベラルーシに甚大な被害を及ぼし、爆発した放射能の80%が国土に降り注ぎ深刻な土壌汚染や地域住民への健康上の問題を投げかけています。

被災後25年に及びベラルーシでは、チェルノブイリ原発事故委員会を含む他の研究機関が、放射能汚染された国土を回復させるための確実な技術や汚染地帯の住民の健康で安全な生活の実現に向けて膨大な経験を積み上げています。

大使は「原発事故が人々の健康や経済にどれだけ悲惨な影響を及ぼすか、ベラルーシはこれまで、今の福島の人たちが経験していることと全く同じ経験をしている。福島で苦しんでいる人たちを見ていると他人事ではない」とベラルーシの経験を生かしてほしいと熱く語るのでした。

科学者であるラフマノフ大使が日本に派遣された理由がわかるような気がします。

副大臣が初来日

そんな中、今週ベラルーシ共和国の緊急省のウラジミール・チェルニコフ(Vladimir Chernikov)副大臣が来日するようです。

チェルニコフ氏は、同国のチェルノブイリ原発事故委員会 会長も兼任し、ベラルーシ共和国におけるチェルノブイリ事故に関わる放射能対策の最高責任者。

来日目的は国際組織であるInternational Scientific & Technology Centerの主催する、福島原発事故の復興をテーマにしたシンポジウムに講演者として招聘されたことと日本政府関係者とのミーティングです。

東京と福島で開催される、このシンポジウムへの出席を通して同氏は多くの関係者と原発事故が抱える問題や課題についてさまざまな意見や知識などを交換し、福島の再興に役立ちたいと考えているようです。

これまで日本は、広島・長崎の被爆経験を生かし、ベラルーシも含めたチェルノブイリ事故被災者への医療支援を行ってきました。

今度は、日本が体験したことのない内部被曝や土壌・食品などの放射能測定や除染の経験やノウハウをベラルーシから学ぶことが出来れば素晴らしいことだと思います。

この種の情報交換や人的交流を通して福島の一日も早い復興を願わずにいられません。
パブリック・リレーションズ(PR)でどのようなことが出来るのか、私たちに大きなテーマが与えられました。

書籍

注目のキーワード
                 
カテゴリ
最新記事
アーカイブ
Links

ページ上部へ