パブリック・リレーションズ

2010.11.01

生態系保全に向けた新戦略目標 〜2010年度DEVNET贈賞式から

こんにちは、井之上喬です。
皆さん、いかがお過ごしですか。

私が常任理事を務める国連開発計画NPO法人日本DEVNET協会(JDA:以下DEVNET)は、国際機関DEVNET ASSOCIATION(本部:ローマ)の一員として日本で2003年に発足しました。

DEVNET賞

2005年度からは「DEVNET賞」を設け、各年度に発展途上国の産業・技術支援、社会・文化支援、人材開発、情報交流、女性の社会的活動・起業支援などの分野で継続的な活動の成果を挙げた個人、団体、組織を表彰してきました。
これまでDEVNET賞は、第1回目(2005年度)の長谷部グループを皮切りに、2007年度は山梨日立建機株式会社と社団法人産業関係研究所、2008年度は京セラ株式会社佐倉ソーラーセンターと医療法人徳州会、インドネシアの病院、そして2009年度はリコーグループの「生物多様性を保全するための生態系保全」活動とそれぞれが受賞しています(2006年度は該当無し)。

2010年度DEVNET賞は、セイコーエプソン株式会社(本社:長野県諏訪市、碓井稔社長)の途上国に向けた環境保全支援事業の功績に対し授与を決定し、10月25日、日本外国人特派員協会(FCCJ)において贈賞式を催しました。
同社ホームページ(http://www.epson.jp/osirase/2010/101026.htm)を参照。
今回の贈賞決定について浜田泰三選考委員長(早稲田大学名誉教授)は、大きく次の2つのポイントを挙げています。ひとつは、アグロフォレストリーによる森林再生活動で、もうひとつは個々の事情を考慮した人材育成援助(国際奨学金制度)。

インドネシアでセイコーエプソンが取り組んだアグロフォレストリー方式による植林は、ドリアンやミカンなど、数種類の果樹をマホガニーの間に植えるというもので、その地域で生活する40世帯の農家が穀物の収穫に併せて森林の世話も行い、賃金を得られるよう配慮され、農家の生活向上に直接結びついています。

自然との共生

セイコーエプソンは、当時国連事務総長であったコフィー・アナン氏が1999年の世界経済フォーラムにおいて企業へ提唱したイニシアチブである国連グローバルコンパクト(The United Nations Global Compact)へいち早く参画するなどグループ企業あげて環境保全活動など積極的なCSR(企業の社会的責任)を行っている企業です。

このブログでもご紹介しましたが、本年10月18日?29日の間、名古屋に世界の代表が集まり、国際生物多様性の保全を話し合う第10回締約国会議(COP10)が開催されました。

世界3大環境NGOの1つ「コンサベーション・インターナショナル」(CI)の副理事長、俳優のハリソン・フォードも途中参加したCOP10。

COP10は30日未明、難航を極めた遺伝資源の利用とその利益配分を定めた「名古屋議定書」と2020に向けた世界の生態系保全の新戦略目標(愛知ターゲット)を採択して閉幕しました。

2011年から2050年までの長期目標について「自然との共生」を掲げるこの愛知ターゲットは、日本の独自提案として提出されたものですが、欧州連合(EU)などから「我々には、自然とともに生きるという考えはない」との異論が出て、継続協議となっていた事項です。

日本の提案により2050年に向け、大きなスローガンが掲げられることとなりました。セイコーエプソンも同社の「環境ビジョン2050」のなかで2050年に向けて商品とサービスのライフサイクルにわたるCO2排出を10分の1にすることを目指し、併せて生態系の一員として地域社会とともに生物多様性の修復と保全を行なうとしています。
しかし、セイコーエプソンのように生態系保全に向けた確としたビジョンをもって行動している企業が他にもありながら、そうした企業の存在や活動は一般社会であまり知られていません。日本にとって環境分野は国際的に落ち込んでいる地位を復活させる絶好の舞台ともなります。

日本国内だけでなく、国際社会においてその活動に対する理解と認知を高めていくためには戦略的で継続的なパブリック・リレーションズ(PR)が不可欠となります。

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