パブリック・リレーションズ

2009.06.29

マニュフェストの都議選迫る

こんにちは、井之上喬です。
みなさん、いかがお過ごしですか。

7月3日告知の東京都都議会選挙が目前に迫っています。
先日早稲田大学小野記念講堂で「東京都都政フォーラム:6兆円の使いみち」として、東京都議会会派代表による公開討論会が開催されました。東京都政のこれまでの4年間とこれからの4年間について、また6兆円の巨大な予算を各党がどのように使おうとしているのかについて、熱いディベートが繰り広げられました。

参加政党は、自由民主党、民主党、公明党、共産党そして地域に根差す生活者ネットワークで、それぞれ代表者を送り込み5名がパネリストとして出席。コーディネーターは主催者でもある早稲田大学院公共経営研究科教授&同大学マニュフェスト研究所所長の北川正恭さん。

ほとんど知られていない活動と成果

1290万人の人口を抱える東京都の年間予算は6兆円を超えています。この巨大な金額は、アルゼンチン、ニュージランド、台湾などの政府年間予算を上回る数字です。その割には、東京都の活動やその実績について詳しく知っている都民は少ないのではないでしょうか?

世界経済の混乱で、政治への関心が高まっているものの、実際自分が生活している自治体がどのような政策を掲げ、実現させてきたのかその活動が市民に十分に伝えられていない感があります。

討論会やシンポジウムなどに参加したり、積極的な情報入手努力を行わない限り、自治体の活動内容は不明瞭で理解できる環境は十分とは言えません。従来型のお知らせではなく、ITを駆使しインターネットを活用した行政の仕組みを考える必要があります。

日本の遅れは多分に、政治献金のシステムと関係がありそうです。米国のオバマ大統領候補(当時)が、選挙キャンペーン中にインターネットを活用し、多くの草の根献金者を巻き込み選挙戦を有利に展開したことは周知の事実です。個人が献金活動を通して、政治家(候補者)の掲げる政策やその結果に身近になるのは自然のことといえます。

本格的マニュフェスト選挙

7月の都議選に向けて各党がマニュフェストを掲げ選挙戦に臨むことが期待されています。マニュフェスト選挙の実現は北川さんのライフワーク。前述の討論会には各党が準備した政権公約が資料に添付されていました。ある政党がマニュフェストを大上段に掲げ真っ向勝負しているところもあれば、ある党は従来型の公約を掲げているところもあります。

公約の掲げ方も、仔細にわたったものから、大枠で示しているものまでそれぞれ個性的です。しかし、しっかりしたマニュフェストを持つ政党・候補者は、投票する有権者にとっては、信頼が高まり有利な選挙戦が展開される印象を持ちました。

ちなみに「ザ・選挙」には、今回の都議選の立候補者の一覧が写真付きで掲載されています。面白いことに、会場で配られていた主要政党の公約資料の中で、自民党だけがマニュフェストを掲げていないことが気になりました。本年5月の本ブログでも紹介した北川教授のコメントに中に、最近の傾向として、選挙で有権者が投票を決める場合、候補者のマニュフェストをチェックすることが一番に挙げられているとされているからです。

都議会選挙とは別に、自民、民主天下分け目の衆議院議員選挙が控えています。今の自民党には時代の流れを読み、自らを変革(修正)する力がなくなったのでしょうか。

このような選挙活動にも、双方向性で多様な視点をもち、しっかりした調査に基づき、必要とあれば自己修正することのできるパブリック・リレーションズ(PR)が求められています。

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